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「あなたの子が参加したら、うちのクラスが勝てない」 発達障害児を“厄介者扱い”…親は「幼稚園・保育園」どう選ぶか

オトナンサー / 2024年10月13日 7時10分

発達障害児の「園」どう選ぶ?(画像はイメージ)

 幼稚園や保育園では、特別に配慮が必要な子どもに対して「特別支援学級」や「特別支援学校」のようなものは準備されていません。もし、わが子が発達障害児だったら、あるいは発達障害の疑いがあったら、どんな幼稚園や保育園を選べばよいのでしょうか。自閉症の息子を育てた、子育て本著者・講演家である筆者とともに考えていきましょう。

■障害児を「歓迎はしていない」園も

 幼稚園や保育園は義務教育ではないので、療育施設だけに子どもを行かせ、幼稚園・保育園に入園させなくても「親が子どもに教育を受けさせる義務を怠っている」「子どもが親から教育を受ける権利を奪われている」といったことにはなりません。そのため、療育手帳を持っていなくても、受給者証をもらい、療育施設だけを利用する方法もあります。

 でも実際は、小学校入学までは週に1~2回程度療育に通わせていても、定型発達児が大半の幼稚園、保育園に行かせている親御さんが多いように思います。

 そうした園において、あからさまに言われるようなことがないとしても“歓迎しない雰囲気”を感じることがあるかもしれません。例えば、次のようなケースが考えられます。

【ママ友からの理解がない】

“お受験系幼稚園”とは限りませんが、教育熱心な親御さんばかりが通う園で、手のかかる子がいると、他の保護者から「保育士がその子ばかりに関わっている」「うちの子の足を引っ張る厄介者」と思われてしまうケースがあるかもしれません。

【園側が、障害児を暗に嫌がっている】

園側に、障害に対する理解がない場合、親も子もつらい思いをするでしょう。現在は昔と違って、障害者差別解消法により合理的配慮をしなくてはならないので、園側もあからさまに拒否することはできません。「障害のあるお子さんを積極的に受け入れています」という園がある一方で、「歓迎はしていません」という園もあります。

知人の話ですが、トラブルが起きるたびに園から「迎えに来てください」と電話がかかってきたため、知人は携帯が鳴るたびにビクッとしていたといいます。また、せっかく園に入れたのに「お母さまがいつも一緒に保育室内にいてください」と、加配の先生のようなことを要求されるケースもあるようです。

さらに、発表会が「先生の指導力の成果発表の場」と化していて、子どものためになっていない園や、「発表会や運動会で成果を挙げることが第一」となっている園もあります。

実際に、私の知人は「発表会で鍵盤ハーモニカを勝手に吹いてしまうため、音が出ないようにホースに小さな穴を空けられた」「ママ友から『あなたの子が参加したら、運動会でうちのクラスが勝てない。運動会を休んでほしい』と言われた」といった経験をしたそうです。それでも、「園から悪く思われないように」「周りに迷惑をかけないように」と、猛特訓している親御さんもいました。

■“自由で伸び伸び”に戸惑う子もいる

「ずっと自由に遊んでいていいんだよ」と言われたら、「伸び伸びできていいじゃないか」と、誰しも一瞬は思うもの。私たち大人には「スケジュールが組み込まれる=窮屈」「自由=楽しい」という思い込みがあるからでしょう。

 しかし、自閉症である私の息子の場合は真逆でした。自由な空間にポツンと置かれてしまうと、見通しが立たず、不安になっていたのです。

 当時通っていた保育園は“自由で伸び伸び”ではなく、「◯時からお歌」「□時からは体操」「△時からはお絵描き」とタイムスケジュールが決められていて、息子にとっては1日の流れの見通しが立ち、比較的安定していました。

 小学校には時間割があり、「1時間目は算数、2時間目は国語」と見通しが立ちます。そして「これをやって、あれをやって」とプリントや課題を出されます。でも、休み時間は「校庭で各自好きなように遊びましょう」「友達と自由に過ごしましょう」となるので、戸惑ってしまう子も実際にいます。

“自由で伸び伸び”の幼稚園、保育園は、小学校でいうところの「休み時間」が一日中続くようなものなのかもしれません。

 大切なのは、子どもの状態に合わせて「最も居心地の良い園」を考え、選ぶこと。そのためには、大人の固定観念を捨てる必要があるのではないでしょうか。

「教育熱心な園で、子どもが刺激を受けて伸びるような気がするから」「親しいママ友の子が通っているから」「制服がかわいいから」「園バスが近所まで迎えに来てくれるから」「施設がきれいだから」「有名だから」……そうした理由から選ぶのではなく、発達に課題のある子どもの保護者の話にじっくり耳を傾けてくれて、他の子と比較したり、「こうであらねばならない」基準を押しつけたりしない園を選ぶことが大切だと思うのです。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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