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「C.C.レモン」30周年 実は“姉妹品失敗”の過去も ロングセラーの要因 サントリーに直撃

オトナンサー / 2024年10月13日 14時10分

今年、30周年を迎えた「C.C.レモン」。左は自動販売機用の商品(430ミリリットル)

 サントリー食品インターナショナル(東京都港区)が販売する炭酸飲料「C.C.レモン」が、今年で発売30周年を迎えました。レモンの甘酸っぱさと炭酸のバランスが良く、好んで飲んでいる人は多いと思います。C.C.レモンはなぜロングセラー商品に成長することができたのでしょうか。同商品の開発経緯やヒットの秘訣(ひけつ)などについて、同社ブランドマーケティング本部の近藤なつこさんに聞きました。

■「C.C.グレープ」の失敗で原点回帰

Q.「C.C.レモン」を開発した経緯について、教えてください。

近藤さん「C.C.レモンの発売前、炭酸飲料は現在よりも不健康なイメージが定着していました。当社の商品では、1992年に発売した瓶入りの栄養炭酸飲料『デカビタC』が、健康というイメージを打ち出せる唯一の商品でした。

当時の飲料業界では、当社のデカビタCのほか、他社商品のレモン味の機能性飲料も販売が好調だったため、『健康的なレモン味の炭酸飲料』を開発したいという意図がありました。

そこで、『レモン味でビタミンCがたっぷり取れるという健康的なイメージ』と『ゴクゴク飲める炭酸飲料』という要素を組み合わせると驚きがあるのではないかと考え、C.C.レモンの開発に着手し、1994年3月8日に発売しました」

Q.1994年に「C.C.レモン」を発売して以降、売れ行きはいかがでしたか。

近藤さん「発売当初、当社の炭酸飲料の中でもトップレベルの販売実績を誇り、たくさんのお客さまにご愛飲いただきました。

発売初年度に350ミリリットルの缶商品、次年度に1.5リットルの大容量タイプのペットボトル商品を開発し、1人でも複数人でも同じ味を楽しめる工夫で、子どもから大人まで、さまざまな世代のお客さまに楽しんでいただくことができました。発売から30年が経過した現在も、幅広い世代のお客さまにご愛飲いただいているのが特徴です。

その後、飲料業界で小容量ペットボトルが主流になると、開封後も持ち歩きが可能な500ミリリットルのペットボトル商品の販売にも力を入れました」

Q.その後、「C.C.レモン」がロングセラー商品に成長したのはなぜなのでしょうか。考えられる要因について、教えてください。

近藤さん「『レモンとビタミンCの結びつき』というアイデンティティーのほか、『発売当初から変わらないおいしさ』を守り続けたことが要因だと考えております。

C.C.レモンの本体は、レモンのジューシーさが味わえる上に、酸っぱ過ぎず、おやつのようなしっかりとした甘さと飲み心地の良い微炭酸であり、小さなお子さまから大人までゴクゴクとおいしく飲める、親しみのある香味設計になっています。これは発売当初から変わりません。

しかし、実は失敗もありました。2001年には、C.C.レモンの第二の柱の商品として、『C.C.グレープ』という、1日分のビタミンCが取れるグレープ味の炭酸飲料を発売しました。この商品はリニューアルをしながら、2015年まで何度か挑戦を繰り返しましたが、市場には定着せず、結果的にC.C.レモンのアイデンティティーをぶれさせてしまうことになりました。その後、C.C.グレープの販売を終了しました。

C.C.グレープの件で、C.C.レモンというブランドである限り、やはり『レモンとビタミンCの結びつき』を中心に置くことが大事だということを改めて学びました。こうした過去の学びも踏まえて、本体としてはレモンを中心に置くことが大事だと思っており、そこにこだわった商品・容器展開を行っています。

お客さまとの接点を拡大し、レモン炭酸としての可能性を広げ続けるために、当社は、クエン酸が2700ミリグラム入った350ミリリットルの缶飲料『C.C.レモンプラス』(自販機限定)を展開するほか、500ミリリットルのペットボトル飲料『C.C.レモン ごほうびはちみつ』という商品を2024年10月29日に発売する予定です。

ただ、こうした商品でも『C.C.レモン』というロゴとレモン味を中心とした中身は守っています」

Q.「C.C.レモン」のラインアップには、自動販売機用の430ミリリットルのペットボトル商品のほか、コンビニエンスストア・交通限定の600ミリリットルのペットボトル商品があります。なぜこれらの商品を販売しているのでしょうか。

近藤さん「当社はお客さまの特徴やシーンに合わせて、さまざまな容器・容量の商品を展開しているからです。例えば、自動販売機では手軽に飲める350ミリリットルの缶商品や430ミリリットルのペットボトル商品を販売しています。

コンビニエンスストアでは若いお客さまも多いため、600ミリリットルというお得にたっぷり飲める容量の商品、スーパーではメインの500ミリリットルのペットボトル商品に加え、複数人でも楽しめる1.5リットルのペットボトル商品などを展開しています」

オトナンサー編集部

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