エバラ食品「プチッと鍋」誕生から11年 愛され要因は“鍋以外”への広がり
オトナンサー / 2024年10月20日 12時10分
2013年に発売されたエバラ食品(横浜市)のヒット商品「プチッと鍋」シリーズ。小分けタイプの鍋物調味料で、鍋のほか、雑炊やパスタが作れる上、野菜炒め、炊き込みご飯、スープのもとになるなど、さまざまな料理シーンで活用している人は多いのではないでしょうか。そこで、同社クリエイティブ本部・商品開発部の黛結衣子さんに、「プチッと鍋」シリーズの好調の要因や、「温活」に注目した新商品「プチッと鍋ホッと温 中華しょうゆ」(8月発売)について聞きました。
■鍋以外のメニューへの広がりや利便性が“愛され要因”に
Q.「プチッと鍋」シリーズが消費者から愛されている要因について、どうお考えですか。
黛さん「『プチッと鍋』シリーズは、鍋以外のメニューへの広がりや人数に合わせて使える利便性を評価いただいています。液体調味料ならではの使いやすさにより、鍋以外にもスープ、炒め物、炊き込みごはんなどさまざまなメニューに活用いただいており、メニューの広がりから昼食シーンの利用も広がっています。
また、2013年の発売以来『1プチッと1人前』というキャッチコピーに加え、2020年度からは『3プチッと3人前』を使用し、単身・2人世帯だけでなく家族でも使えることを訴求しています。これにより、1人でも家族でも使える利便性が広く浸透し、個食鍋ブランド売上ナンバーワン(インテージSRI+ 鍋つゆ市場=1個当たり食数:1個、2023年4月~2024年3月)を獲得しています。
ご購入いただいた方からは『買い物の時、荷物が軽くて便利』『最後の〆で足りない時の“ちょい足し”に使える』『同じ具材で、家族がそれぞれ好きな味を楽しめる』などの声をいただいています。
これらは開発当初に目指していた課題解決でもあるので、とてもうれしく拝見しています。今後も商品上の問題だけでなく、生活上の問題を解決することで消費者の生活をより良く変えていければと思います」
Q.これまでに「寄せ鍋」や「ちゃんこ鍋」など、10種類以上の味を発売していますが、毎回、新商品を開発するのに苦労していることがあれば教えてください。
黛さん「市場分析や消費者調査を実施しながら新商品を開発していますが、味種一つとっても、社内や小売店などの流通、お客さまそれぞれにメリットがあるものに仕上げるための見極め、判断がとても難しいです」
■「プチッと鍋」ブランドの新ステージ
「プチッと鍋ホッと温 中華しょうゆ」(右)
Q.8月にサブブランドとして「プチッと鍋ホッと温」を発売しました。開発の経緯を教えてください。
黛さん「『プチッと鍋』は昨年で発売10周年を迎えました。『プチッと鍋』ブランドとして新たなステージに進むため、今回はブランドの新規軸商品としてシリーズ初のサブブランド『プチッと鍋ホッと温』を立ち上げました。
鍋を食べたい、作りたいと思う理由について調査すると、41.7%の方が『寒いとき』と回答するほど、鍋=寒い時に食べるものというイメージが定着しています。(当社調べ 冬場に1回以上鍋調味料を購入する30~60代女性 n=249)。その中で、『温まる』こと『温活』に焦点を当てました。
Q. 「プチッと鍋ホッと温」は、サラサラとした液体形状の「プチッと鍋」と異なり、とろみのあるゼリー形状になっています。ゼリー形状となった理由について教えてください。
黛さん「『温まる』ことに焦点を当て、とろみによる温かさ、冷めにくさで鍋の価値を再定義したいと考え本商品を開発しました。
とろみ成分を入れたつゆは、粘度が高く、『取り出し時の容器への付着』や『調理時の溶け残り』などの課題がありました。そこで、原料の調整や工程の見直しを何度も行ったことで、ゼリータイプの鍋の素(もと)であれば、これらの課題を解決できることが分かりました」
新商品の「プチッと鍋ホッと温」は、鶏ガラだしにオイスター、シイタケ、野菜のうまみ、ごま油の風味が効いた中華風の味わいになっています。鍋なのみならず、八宝菜や中華丼、あんかけ焼きそばの味付けとしても使うことができます。気温が20℃前後となり、寒い冬を迎えそうです。鍋など“温活”をして、冬を乗り切りましょう。
オトナンサー編集部
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