「好みの顔の人と結婚しなきゃダメよ」 母親の呪縛で“魔法が解けた”45歳女性…結婚相手のルックスは本当に重要なのか
オトナンサー / 2024年10月20日 9時10分
あなたは、夫や妻の「顔」が好きですか? 結婚相手の「ルックス」をどのくらい重視するかは、男女問わず、人によってさまざまだと思います。「外見のよさよりも中身が大事」とする人がいる一方で、どんな要素よりも「自分の好みの顔であること」を最重視して結婚相手を選ぶべき、と考える人もいます。
“好みの顔”の人と結婚するのは、本当に重要なのでしょうか。真逆ともいえる2人の女性の実例から、「恋人・夫婦仲相談所」所長の三松真由美さんが伝えたいこととは――。
■「『このお顔を見続ける』で大丈夫なの?」
「花より団子」ということわざが示すように、見た目よりも実利を取るのが人の本質――。果たして、この理論は皆さんに当てはまるでしょうか。中には、「美しい花がなければ、団子もおいしく食べられないのでは」と思う人もいると思います。
「生活力と性格が合えばそれで十分。その上、自分の好みの顔まで望んではバチが当たる。謙虚さを持たないといつまでも結婚できない」。結婚相手に求めることを整理する上で、まっとうな考え方です。とはいえ、理想を追求する力が強いほど、たくましく生きていくことができるのも確か。謙虚心を持ちつつ、妥協点を設定して、そのラインまでは強欲に追求して結婚相手を探すと、後悔が少なくなるのではないでしょうか。
実際に、自分好みの「顔」の相手と結婚した人、そうでなかった人はどんな結婚生活を送っているのでしょうか。
美香子さん(45歳、仮名)の母親、孝子さん(68歳、同)は夫、つまり美香子さんの父親のことが今でも大好きです。
美香子さんのお父さんは、10人いれば9人は「かっこいい」と認めるダンディーな男性。日本人ながら、ケビン・コスナーのような渋いイケメンで元自衛官。制服姿もかっこよく、美香子さんも父のことをすてきだと思っていました。
孝子さんは事あるごとに「美香子も、自分の好みの顔の人と結婚しなきゃダメよ。旦那さんとは毎日一緒にいるものよ。目が覚めたら横にいて、寝顔も見て、自分の体調が悪いときも絶対に見るのよ。それが好きじゃない顔だったらどうか想像してみて。気分落ちるわよ」と、美香子さんに話していました。
しかし実際には、孝子さんは夫の度重なる浮気に右往左往していました。浮気相手は夜のお店の女性や、ゴルフ仲間です。それなのに夫を好きな気持ちが止められず、浮気を許してしまうという過去がありました。それを知っていた美香子さんは、「顔がいい男性はモテるから、浮気するのもしょうがない」と思っていました。
仕事にまい進する日々を送っていた美香子さんは、気が付けば30代半ばになり、彼氏いない歴が6年という事態に。さすがに婚活しようと、マッチングアプリに登録します。その中で、背が低く、顔も全くタイプではなかったものの、誠実そうで仕事もお堅い剛志さん(38歳、仮名)と会ってみることにしました。
すると、彼はアプリ内でのやりとりそのままの真面目な男性で、包容力もあって安心できると思い、お付き合いをスタートすることに。母親に写真を見せたところ、「本当にこの人とお付き合いしてるの? 結婚するつもりなの? 『このお顔を見続ける』で大丈夫なの?」と言われますが、『良い人なのよ』と返した美香子さん。
最初は、久々に男性とお付き合いするということで、キスも性的な行為も新鮮で楽しんでいたのですが、やはり、だんだんと剛志さんの外見が気になるようになってきます。
ある日の待ち合わせで、美香子さんを見つけ、喜んで近寄ってくる剛志さんを見たとき、唐突に「無理かも」と思ってしまったといいます。
「本当に申し訳ないんですが、全く好きじゃない小動物がこっちに向かって走ってくるような印象を持ってしまって。魔法が解けたのかな。その日のデートは早々に切り上げ、LINEで別れを告げました。彼は混乱していましたけど……。
母親の呪縛かもしれませんが、今はルックスを第一にパートナーを探しています。好みの顔で、浮気をしない男性がいると信じて」
■「美しさは非現実、生活は現実」
2.5次元アイドルの追っかけをしている悦子さん(36歳、仮名)は、「イケメンは鑑賞するもの」だと言い切ります。夫の保二さん(42歳、同)は宝塚ファンで、男役トップスターのごひいきがいます。
「私も夫も、美しいものが大好き。その人を見ているだけで幸せなんです。そして美しいものは、家庭の中には必要ありません。だって、美しさは非現実なんです。生活は現実ですから。うちら2人にとって、美しい人は、絵画と同じ位置づけです。自分と同じくらいの顔面偏差値で、趣味に理解があるならそれで十分。現に、夫とは宝塚とアイドルの話題で盛り上がれて、すっごく楽しいですもの」と悦子さんは笑います。
いかがでしょうか。これらのエピソードを見ていくと、好みの顔だからうんぬんという話ではなく、自身の価値観でいかに毎日を快適に過ごせるかが決まってくると思いませんか。私はよく「割り切り感」という言葉を使います。
「夫の顔は好みじゃないけど、料理がうまくて、お酒も一緒に飲んでいて楽しいから全然OK」という友達、周りに結構いませんか? 見た目はイガグリ坊主で、お顔がニキビだらけで、平均体重をかなりオーバーしている友人がいるのですが、奥さんはきれいでバリキャリ。奥さんと話したところ、旦那さんの顔が好みというわけではないものの、お笑い系で、芸人レベルに笑わせてくれるのだそうです。YouTubeを始めたらどうかと奥さんから提案したくらい、「楽しい」と感想をくれました。
伴侶となる人は生活を共にする人、まさに「病めるときも楽なときも」です。自分が一番大切にしていることは何なのかを認識していないと、うまくいくはずはありません。その認識に自信を持ち、言い切る姿勢が重要です。
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美
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