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【SNS激怒】選挙カーに「うるさい」「騒音」「1歳児が起きる」…“大音量”は本当に合法? 弁護士に聞いた結果

オトナンサー / 2024年10月24日 6時10分

選挙カーの“大音量”は許されるの?(画像はイメージ)

 10月27日に投開票を控える第50回衆議院議員総選挙。各地では駅前や住宅街などで連日、候補者の選挙カーを見かけます。しかし、この選挙カーに対して、SNSでは怒りの声が続出。最も多いのは“大音量”に対する「うるさい」の声で、「ただの騒音」「マジでうるさすぎ」「選挙カーがうるさい党には絶対投票しない」「せっかく寝かしつけしたのに、選挙カーに起こされるの腹立つ」「1歳児が起きるから本当やめて」「正直うるさいだけでろくに内容聞き取れない」「仕事に支障出る」など怒りと不満の声が爆発しており、中には「この爆音、本当に合法なの?」「音量に決まりはないの?」といった疑問の声も聞かれます。

 選挙カーはたとえ“大音量”であっても、本当に合法なのか……この疑問について、佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に教えていただきました。

■時間帯の規制はあるが…

Q.選挙カーはどんなに“大音量”であったとしても「合法」なのでしょうか。

佐藤さん「原則『合法』です。公職選挙法では、選挙カーの上で候補者名を連呼することなどを認めており(同法140条の2第1項)、その音量については規制していません。

幼稚園や学校、病院や診療所などの周りでは静穏を保つように努めなければならない(同法140条の2第2項)と定められているものの、具体的に『◯◯デシベル以上の音量を出してはいけない』という規制にはなっておらず、選挙運動をしている人の判断に委ねられています。

また、拡声機による騒音については、各地の条例で『拡声機から10メートル以上離れた地点で85デシベルを超える音』を出すことが禁じられるなど、具体的な規制が存在しますが、選挙運動のための拡声機の使用については適用が除外されています。

選挙カーの音量について法的な規制がないのは、公正な選挙を実現するためです。有権者が候補者の存在や名前さえ知らなければ、正しく投票することも難しいでしょう。また、選挙運動については、公正性を確保するため、戸別訪問を禁じるなど、さまざまな法規制が存在し、選挙カー上から連呼したり、停止した選挙カーの上で街頭演説をしたりすることは、候補者にとって有権者に自分の存在や意見を知ってもらう大切な方法でもあります」

Q.選挙カーから発せられる「音」については、何か規制やペナルティーがあるのでしょうか。

佐藤さん「時間帯については規制されています。走行中の選挙カーから候補者名を連呼することが許されているのは、午前8時から午後8時までになります(公職選挙法140条の2第1項)。

また、先述したように、幼稚園や学校、病院や診療所などの周りでは静穏を保つように努めなければなりません(同法140条の2第2項)。

時間規制に反して連呼行為などをした場合については罰則が定められており、違反した候補者は『2年以下の禁錮または50万円以下の罰金』に処せられる可能性があります(公職選挙法243条)。一方、音量については努力義務にとどまり、罰則はありません」

Q.選挙カーの“大音量”に対して、SNSなどで怒りの声が多数上がっているようですが、やはり我慢するほかないのでしょうか。

佐藤さん「公正な選挙を実現するために法が認めた方法ですので、現状では我慢するほかないと思います。

社会の変化によって、法の定めた選挙運動のあり方自体を見直す必要があるかもしれません。私たち一人一人が候補者やその政見を知り、投票することで、選ばれた代表者が法律を変えたり、新しく作ったりすることになるので、まずは投票することが大切でしょう。

なお、選挙カーからの音が不快だからといって、選挙カーの進行を妨げるなどすれば、選挙の自由を妨害した罪に問われる可能性がある(公職選挙法225条)ので、気を付けましょう」

オトナンサー編集部

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