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【俗説】飲酒後「お茶漬けを食べると二日酔い予防」は本当? 医師に聞いたらわかったメリット

オトナンサー / 2024年11月1日 8時10分

飲酒後にお茶漬けを食べたくなる原因は?

 お酒を飲んだ後の締めの料理として有名なのが「お茶漬け」です。飲酒後に食べている人も多いと思います。そもそも、なぜ飲酒後にお茶漬けを食べたくなるのでしょうか。ネット上では、「飲酒後にお茶漬けを食べると、二日酔いの予防につながる」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。

 飲酒後にお茶漬けを食べるメリット、デメリットについて、筑波胃腸病院(茨城県つくば市)理事長で消化器外科専門医の鈴木隆二さんに聞きました。

■飲酒で失われた塩分、水分を補給

Q.お酒を飲んだ後、お茶漬けを食べたくなることがありますが、どのような原因が考えられますか。

鈴木さん「複数の原因が考えられます。まず、アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲むと体内の水分や電解質が失われ、脱水状態になりやすくなります。そのため、体が自然と塩分や水分を欲するようになるのです。お茶漬けは水分と塩分を手軽に摂取できる料理の一つなので、飲酒後に特に食べたくなるのかもしれません。

また、お酒を飲むと消化器の動きが鈍くなることがあり、軽くて消化に良い食べ物を欲するようになることも一因と考えます。お茶漬けは、あっさりしている上に胃に優しいため、飲酒後の空腹感を満たしつつ、胃に負担をかけにくいという特性があり、食べたくなるのではないでしょうか」

Q.飲酒後にお茶漬けを食べると二日酔いになりにくいと主張する人がいますが、本当なのでしょうか。飲酒後にお茶漬けを食べるメリット、デメリットも含めて、教えてください。

鈴木さん「『飲酒後にお茶漬けを食べると、二日酔いになりにくい』という話は一部ですが、正しい面もあります。お茶漬けには、先述のように水分と塩分を補給する効果があり、アルコールによって失われた水分と電解質を補うことで、脱水や電解質の不均衡による二日酔いの症状を和らげることができます。また、お茶漬けは脂肪や糖分が少なく、胃への負担も軽いため、消化器系の不調を防ぐ効果も期待できます。

ただし、これはあくまで軽い二日酔いの予防効果に限られ、お茶漬け自体が二日酔いの万能薬ではありません。二日酔いの主な原因はアルコールの分解によって生じるアセトアルデヒドという物質であり、これを解毒するためには肝臓がしっかりと機能する必要があります。お茶漬けを食べることが、アセトアルデヒドの解毒につながるわけではありません。

飲酒後にお茶漬けを食べるデメリットとしては、塩分が多いお茶漬け、特に塩辛い具材が使われているお茶漬けを食べ過ぎると血圧が上がりやすく、腎臓に負担をかける可能性があるため、注意が必要です。また、満腹感が得られにくいため、多く食べてしまうリスクもあります」

Q.飲酒後にお茶漬けを食べたくなった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。飲酒時や飲酒後にお勧めの食べ物も含めて、教えてください。

鈴木さん「飲酒後にお茶漬けが食べたくなった場合、適量を守ることが大切です。塩分や脂質の多い具材を避け、あっさりとした具材を使ったお茶漬けを選ぶと良いでしょう。

例えば、梅干しやノリなどのシンプルな具材で作ることで、塩分過多や胃腸への負担を減らすことができます。また、水分補給も忘れずに行うことが重要です。アルコールは体を脱水状態にしやすいため、水やスポーツドリンクを飲んで体内の水分バランスを整えることが二日酔い予防につながります。飲酒時や飲酒後は、次の食べ物を食べてみるのをお勧めします」

・みそ汁
飲酒によって失われた塩分と水分を適度に補給できる上に、胃にも優しい。

・バナナ
アルコールによって失われやすいカリウムを補うのに役立つ。

・豆腐や蒸し鶏
低脂肪で高たんぱく質な食べ物は、肝臓がアルコールを分解するのをサポートするのに適している。

お茶漬けが食べたくなった場合でも、軽めに済ませて他の水分や栄養素もしっかり補給することで、二日酔いの軽減や胃腸への負担の軽減が期待できます。

オトナンサー編集部

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