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【婚活】条件は大卒以上、年収800万円以上…どんなに苦戦しても「相手の経歴」に執着する女性たちの“深層心理”

オトナンサー / 2024年11月3日 7時10分

どうして「学歴・経歴」に執着するのか…

 婚活をしている人の中には、お相手の経歴にこだわり、ハイスペックを求める人たちがいます。そういった人たちの婚活は、当然ながら苦戦するのですが、どんなに苦戦しても経歴にはこだわり続けます。その深層心理はどこにあるのか。結婚相談所を運営する仲人である筆者が、深掘りしてみました。

■ハイスペックな男性と結婚したい理由

 これまで仲人として会員さまをお世話してきましたが、その中に一定数、お相手の経歴(ことに学歴と年収)にこだわる人たちがいます。「お見合いを申し込むのも受けるのも、大卒以上、年収も最低800万円以上の人」と、頑として譲らない――。みえさん(41歳、仮名)もその一人です。

「お相手は、大卒以上がいいです。学歴って、その人が学生時代に努力を重ねて知識やスキルを積み上げた証。安定性や信頼感を示す一定の指標になるし、学歴の高さと収入の高さは、どこか比例していると思うんです」

 学歴と収入が比例していることについて、みえさんは、こんな分析もしました。

「学歴が高いほど、就職の選択肢が広がる。だから、条件がよく、給与が高いところに就職しやすくなる。今の時代は、共働きが一般的になっていますが、将来的なライフスタイルの変化や予測できない経済状況にも備えて、学歴があれば転職もしやすいですし、収入の安定の保証にもつながる。将来的に子育てするにも安心感があります」

 また、ご自身も高学歴のみえさんは、母親から言われた言葉を、お守りのように大切に心に留めていました。

「私の母は教育熱心で、子どもの教育に関するお金をケチったことがなかった。私も大卒ですし、大卒の男性の方が価値観は一致する。これは母の意見でもあるのですが、『結婚は、自分と似た環境で育って、知的レベルが同等の相手とした方がうまくいく』と。そのためにも学歴は、大卒以上にこだわりたいんです」

 そして、こんなことも付け加えました。

「学歴があっていい会社に勤めている相手と結婚した方が、親も安心する。あと、ここまで独身で来たのだから、友達に自慢できるような相手と結婚したいという気持ちもあるんですね」

 親や親族から認められたいという気持ちに加えて、「友達をあっと言わせたい」という“一発逆転婚”を夢見ているようでした。

■女性は「経歴」にこだわる一方、男性は…

 仲人の肌感覚でいうと、お相手に学歴や経歴を求めるのは、男性よりも圧倒的に女性の方が多い気がします。

 男性が女性に求めがちなのは、若さと見た目のかわいらしさ。「学歴はどうでもいい」という男性が多いです。高学歴で高年収な男性ほど、女性の学歴には目もくれず、若さと見た目のかわいらしさに執着します。

 しかし女性は、年収と学歴、次が年齢、その次が見た目…といった順番で、お相手選びをしています。

 もちろん、どんな相手と結婚したいか、結婚生活に何を求めるかは、個人によっても違うのですが、一部の女性は、結婚をすることによって、社会や周り(親や友達)から承認されたいという気持ちがどこかにあります。女性は無意識に、自分のパートナーを自己イメージの一部として捉える傾向があり、「優れた学歴を持つ相手と結婚することで、自身の価値も高まる」と思っているのかもしれません。

 これが男性の場合は、うんと年下のかわいらしい女性と結婚できることが、社会や周りへの自慢になるようです。「あいつ、あんなに若いカミさんをもらって」とうらやましがられることで承認欲求を満たし、自身の価値やイメージが高まると思っている人がいるのではないでしょうか。

■大切なのはハイスペックよりも優しい心根

 婚活者がお相手に高い学歴を求めるのは、親(ことに母親)からの刷り込みが大きい気がしています。母親自身が高学歴なので、子どもにもそうした相手と結婚してほしいと願っている…といったケースです。

 その逆で、母親自身に学歴コンプレックスがあるケースも考えられます。結婚した夫の学歴がよくなかった。だから、自分は結婚後に苦労した(と思い込んでいる)。そんな苦労を娘にはさせたくない――。そんな親心から、「結婚するなら、大卒以上の男性にしなさい」と、呪文のように娘に唱えている母親も一部います。

 高い学歴、よい経歴の人は、ご自身が努力をしてそれを手に入れてきたのですから、その努力は評価すべきですし、素晴らしいと思います。ですが、よい経歴とお人柄の素晴らしさは、イコールではつながらないと、仲人をしている筆者は実感しています。

 先日、会員女性のゆみさん(35歳、仮名)が、高学歴、高収入の男性とお見合いをしました。ゆみさんは、よい経歴を第1条件に掲げて婚活をしていたわけではありませんが、申し込まれた男性が、たまたまとてもよい経歴だったので、お見合いを受けたのです。終えて、こんな感想を漏らしました。

「お見合いの間、『自分はこんなに素晴らしい』というプレゼンを最初から最後までされて、もうおなかいっぱいになりました」

 さらに彼は、「結婚とはこういうもの」「男女の愛の形とはこういうもの」というご自身の理想論をまくし立てたというのです。

 彼女は「お断り」を出しながら、こんなことを言いました。

「どこか男尊女卑のにおいもしました。あの方と結婚したら、自慢話ばかりされて、結婚生活が楽しくないと思いました。彼が言ったことに反論したら、理屈をこねて論破してきそう。夫婦生活がギスギスしてしまう気がしました」

 ゆみさんは、続けました。

「私はやっぱり経歴の素晴らしさよりも、お人柄を重視して選びたいです。高い学歴や高収入は、確かに魅力的です。でも、それを鼻にかけて自慢話ばかりする男性よりも、『このご飯おいしいね』『なんか今日は顔が疲れているね。ゆっくりお風呂に入るといいよ』『今日は会社帰りにケーキを買ってきたから、ご飯の後に食べよう』、そんな普通の日常会話ができる男性を探したいです」

 お相手選びをするときに大切なのは、パートナーを思いやれる優しい心根を持っているかどうか。もちろん、経歴が飛び抜けていい人の中にも、そうした優しい気持ちを持っている人はいらっしゃるのでしょうが。

 ただ、お相手の経歴にこだわって婚活をしていると、どうしても苦戦するのが現状です。経歴にこだわるあまり、結婚にとっての大切な本質を見落としてしまう。また、経歴を重視している気持ちをお相手に見透かされてしまう――。よい経歴の男性ほど、そうした女性は選ばないのです。

仲人・ライター 鎌田れい

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