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恋愛は「タイパが悪いもの」? 男女×価値観で読み解く、令和の若者たちの「恋愛・結婚」に対する考え方の違い

オトナンサー / 2024年11月24日 9時10分

令和の若者たちの「恋愛」「結婚」のリアルとは…?

 いわゆる“若者の恋愛離れ”が叫ばれて久しい昨今。厚生労働省の発表によると、2023年の婚姻数は前年比で約3万件以上減少し(48万9281組)、戦後初めて50万組を下回りました。その一方、こども家庭庁の調査では、既婚者(40歳未満)の出会いのきっかけはマッチングアプリが最も多くを占める(25%)など、出会いの在り方が大きく変化しています。

 令和の若者は恋愛に何を求め、結婚に何を期待しているのか――。恋活・婚活マッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」のリサーチディレクター・工藤彩乃さんに「若者の恋愛観・結婚観」について聞きました。

■恋愛離れの理由は“タイパ”?

Q.“若者の恋愛離れ”は、実際に進んでいるといえるのでしょうか。

工藤さん「“若者の恋愛離れ”とよく言われていますが、『恋愛がしづらい環境になってしまった』というのが実態だと思います。交際意向や異性との関係性について、恋愛マッチングサイト・アプリを運営するアメリカの企業・Match Group(マッチ・グループ)が2022年、18〜34歳の独身者(交際相手なし)を対象に調査したところ、実際には7割以上が『異性との何らかの関係性を望んでいる』と回答しました。

国の機関による調査(国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」)でも、18〜34歳の未婚者の約8割は『いずれ結婚したい』と答えており、若者の交際意向・結婚意向はそれなりに高く、若者も『恋愛したい』と思っていることがうかがえます」

Q.「恋愛がしづらい環境」とは、具体的にどのような状況なのでしょうか。

工藤さん「経済的な課題が大きいです。子どもにとって親は一つのロールモデルですが、その親が歩んできた、告白からの交際、指輪を買って結婚式、家を買って妊娠・出産……といった、いわゆる“普通の結婚”は、手が届きにくい現実と捉えています。

不景気や物価上昇、据え置きのままの賃金といった社会情勢が、“普通の結婚”ですら高額な費用がかかる現実を目の当たりにし、『結婚』、そしてその手前にある『恋愛』というフェーズに足を踏み入れることができない実情があると考えています」

Q.では、そのような状況下で、若者はどのような恋愛を求めているのでしょうか。

工藤さん「スマホアプリで世界が完結する、といっても過言ではない現代では、やはりタイパ(タイム・パフォーマンス)が強く求められています。見たい動画、聞きたい音楽、買いたい服にワンタップで手が届く時代に、恋愛は過程も複雑で、しかも、必ずしも欲しいもの(恋人)が、手に入るとは限りません。その点において、『恋愛=タイパの悪いもの』として捉えられている可能性があります。

また、一昔前には、彼氏・彼女の存在が一種のステータスでもあり、『現時点では好きではないが、とりあえず付き合ってみる』という考え方もあったかと思います。タイパ重視の今は、そこまで好きでもない人に“とりあえず”時間を割くことなんて考えられず、『この人となら(一緒に時間を過ごしたい)、と思える人と付き合いたい』と思う若者が多く、また同時に『そこまでの人と出会うのは大変』とハードルを感じ、恋愛に足を踏み入れる手前で躊躇(ちゅうちょ)しているのです」

■人生設計に関わる「男女の意識の違い」

Q.若者は、恋愛や結婚において「価値観を重視している」とのことですが、男女による違いもあるのでしょうか。

工藤さん「はい。ペアーズには、金銭感覚や家族観など、プロフィールに書きにくい本音の価値観を非公開のまま回答でき、その価値観にあったお相手をペアーズが提案する『本音マッチ』という機能があります。その機能を利用したユーザーが実際に選んだ本音の価値観を、男女別に集計した結果、日常生活の価値観から、結婚や将来にも関わる中長期の価値観まで、男女で少なからず価値観のズレが生じていることが分かりました。

日常のちょっとした価値観のズレは見逃しがちですが、ささいなすれ違いが積み重なると、ボディーブローのように効いてきます。例えば、『日常的にランチに1000円以上払えるか』という金銭感覚に関する価値観の場合、『あり』と『なし』の回答が、男女ともに50%前後で二分しています。2人に1人は、異なる回答を選んだお相手と出会う可能性があるため、日常のささいな見解の違いといえども、事前に相手を理解していた方がお互いに疲弊しないといえるでしょう」

Q.結婚にも影響する、重要な価値観とは。

工藤さん「将来を考える上で避けては通れない『家族との距離感』も、女性の社会進出が当たり前の現代では、重要な価値観であるといえます。

ペアーズユーザーのデータでは実際に、相手の家族との関係性について、男性の6割以上が『親密な関係性』を望んでいる一方、6割の女性は『ある程度の距離を置きたい』と回答しています。データではなく定性的な消費者インタビューにおいても、女性も家にいない現代では、家事や家族イベントは作業できる人が対応する“ギブアンドテイク”な夫婦関係を築きたいという考え方が広まっていると感じています。その考えが、夫の両親にも対等な関係を求める女性のマインドにも強く影響しています。

また同様に、『子どもの有無』についても男女間で認識の差が生じています。ペアーズユーザーのデータでは、『子どもはいなくても楽しい』と回答した男性が22%いるのに対し、女性はさらに高く、32%にも上ります。

実際に出産を経験する女性は、男性よりも若いうちからライフステージについて考える傾向があり、子どもがいる人生・いない人生を、リアリティーをもって意識しています。就職するタイミングから結婚や出産を見据え、就職先を検討する女性も少なくありません。

一方で男性は、結婚や子どもが自分ごとになってから、あるいは身近になってからようやく意識する傾向が強く、20代の早いうちから家族やライフステージを意識する人はそれほど多くありません。こうした男女の意識の違いが、人生設計に関わる価値観の回答の差に表れていると思います」

■“摩擦を生みたくない”若者に合う恋愛とは?

Q.他にも、令和の若者にみられる特徴的な価値観はありますか。

工藤さん「愛情表現やスキンシップに関する価値観だと思います。ペアーズユーザーのデータでは、男女ともに9割以上が『(付き合った後)スキンシップをできるだけしたい』と回答するなど、男女差なく『スキンシップは大切だ』と捉えています。ただ、この価値観を表立ってアピールしたり、相手に伝えたりすることができる若者はなかなかいないのが実情で、その理由の一つが、今の若者が小中学生の頃から存在する『SNS』です。

今の若者は、『小学校時代の友達が、今でもSNS上でつながっている』というケースがほとんど。クラスや部活といったコミュニティーできめ細やかに気を使いながら、“みんな仲良く”関係性を構築してきたからこそ、『みんなが知っている自分』と違う面を垣間見られると、関係性にさざ波が起き、結果的に友人関係が壊れる……そうしたリスクにつながることを避ける傾向が強まっています。

スキンシップに対する考え方などは、受け止められ方によっては『え、あの子そんな感じだったっけ?』とさざ波が起こるリスクのある価値観なのかもしれません。このような体験が、ただでさえ本音を隠しがちな日本人が、さらに思いを伝えられない要因につながっていると考えられます」

Q.令和の若者が持つ価値観に合っているのは、どんな恋愛だと思いますか。

工藤さん「ジェンダーロール(性役割)による『モテ』や『普通』などを気にせずに生きられる世の中になりつつある一方で、社会的な期待も根強く残り、そうしたプレッシャーから解放されたい若者が多くいます。『どんな価値観が普通なのか』『相手と価値観が合うのか』と臆病になる人に対して、『出会った相手と話し合って、価値観を擦り合わせていけばいい』という人もいます。そうした無駄な摩擦を生まないマッチングアプリをきっかけにした恋愛が、“摩擦を生みたくない”今の若者には合っていると思います。

うまくいくと思っていた恋愛が、最後の最後に価値観が合わずに失敗に終わることで、がっかりしたり、疲弊したりすることが、若者が求めるタイパに見合いません。だからこそ、『本音マッチ』のようなマッチングアプリの機能によって、お相手の本音や価値観といった、年収や年齢ではない異性を選ぶポイントでお相手を見つけられますし、それが将来のパートナーとなり得るお相手と“タイパよく出会う”きっかけになるかもしれません」

オトナンサー編集部

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