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「かしわ天」「かしわめし」の“かしわ”って何…? 実は単なる方言ではない「鶏肉の呼び方」の理由、探ってみた

オトナンサー / 2025年1月4日 21時10分

これのこと、何と呼んでる?

 普段、何気なく口にしている「鶏肉」。一部地域で「かしわ」と呼ばれていることをご存知でしょうか? 初めて耳にする人にとっては、由来や言葉の意味に疑問を抱くかもしれません。鶏肉の呼び名が異なる理由を探ってみると、実は歴史的な背景や地域ごとの文化が深く関わっていました。

■江戸時代の「隠語」説も?

 鶏肉を「かしわ」と呼ぶことが多いのは、主に西日本や一部の中部地方・関西地方・九州地方。現在では上等な鶏肉、また鶏肉の総称としても使われています。九州の郷土料理「かしわめし」や香川県の「かしわ天」のように、鶏肉を使用した料理名に「かしわ」という呼び名が入っているケースも。

 鶏肉を「かしわ」と呼ぶようになった由来は諸説あるようです。一つは、2000~3000年前に東南アジアや中国から渡来した鶏を、黄鶏と書いて「かしわ」と呼んでいたという説。羽色が褐色をした鶏で、落葉した「柏の葉」に似ていることが由来とされています。

 もう一つは、隠語として「かしわ」という呼び名を利用していたことによるという説。日本では古くから肉食を避けてきた歴史があります。特に江戸時代は「生類憐みの令」によって、犬や猫に限らず鳥類、魚介類、牛馬など、あらゆる生き物をむやみに殺傷することが禁じられ、肉食をタブー視する考えが強まりました。

 しかし、獣肉を全く食べなかったわけではなく、江戸時代以前から鹿や猪、鳥類は食肉対象。「生類憐みの令」によって罰せられないように、鶏肉を「かしわ」、馬肉を「さくら」、鹿肉を「もみじ」、猪肉を「ぼたん」といった隠語を使って食べていました。やがて「かしわ」をはじめとした隠語が人々に広まり、現在まで引き継がれたと考えられているようです。

 いずれにしても、「かしわ」が単なる方言ではないことがうかがえます。かつては「黄鶏」が主流だったものの、現在はアメリカから広まった白い羽の鶏「ブロイラー」が主流。安価に流通して一般的な「鶏肉」として親しまれる中、「かしわ」という呼び名は特定の地域でのみ使われるようになりました。

 あなたの地域では「鶏肉」のことを何と呼んでいますか? 鶏肉の呼び方一つを取っても、地域の歴史や文化が垣間見えるもの。「かしわ」という言葉が生まれた当時に思いを巡らせながら鶏肉料理を頂くのも、食事の楽しみ方の一つかもしれませんね。

オトナンサー編集部

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