【婚活】「一気に気持ちが冷めてしまいました」 見た目が“どストライク”の女性とマッチングした41歳男性の悲劇
オトナンサー / 2025年1月5日 7時10分
男性と女性とでは、異性を好きになる感覚やスピードが違います。婚活においても、男性は見た目がタイプだと急激に女性を好きになります。女性は、見た目、経歴、性格など総合的なものを見て気持ちを育てていくので、好きになる速度が男性よりもゆっくりとしています。この違いを理解せずに、男性が急激に女性との距離を縮めようとすると失敗するのです。
では、どうしたらこの“誤差”を埋めることができるのか。結婚相談所を運営する仲人の筆者が解説していきます。
■男性が女性を好きになる心理構造
結婚相談所での婚活は、まず、サイトに登録されたプロフィールでお相手選びをします。お目にかかる前に、お写真での見た目、年齢、住んでいる地域、職種、年収、家族構成、初婚か再婚か…などの大まかな情報が分かります。
そのため、実際にお会いしたときに見極めるのは、お人柄や結婚観なのですが、男性は目の前に現れた女性が好みのタイプの美人だと、一気に相手を好きになってしまいます。
しかし女性の場合、たとえ見た目がタイプの男性が現れたとしても、会話をしながら「波長が合うか」「周りに気を使えるか」「どんな結婚観なのか」などの細かいところをチェックしています。そして、回数を重ねて会って、気持ちを育てていきます。
こんな分かりやすい例があります。
のりゆきさん(41歳、仮名)は、婚活パーティーでまゆさん(37歳、同)とマッチングしました。結婚相談所のパーティーの場合、マッチングすると“改めましてのお見合い”をして、そこで「仮交際」に進むと連絡先の交換になります。
のりゆきさんは、私に言いました。
「まゆさんって、顔もスタイルも話し方も、僕にとって“どストライク”なんです。お見合いから交際に入ったら、絶対に頑張りますよ」
そして、念願の仮交際に入ったのですが、じっくり話をしてみると、思っていた女性とは少し違う部分が出てきました。
「先日、ファーストデートをしたのですが、なんだか会社の人間関係がよくないようで、彼女の話の半分が、会社の同僚の愚痴でした」
その後も食事をしたり、週に2、3度は電話で話すようになったりしたのですが、その度に、聞かされるのは会社の愚痴だったようです。
そこで、私は言いました。
「楽しい会話ができないのだとしたら、未来の結婚生活も楽しい毎日にならないのではないですか?」
すると、のりゆきさんは言いました。
「そうかもしれません。でも、見た目がタイプなんですよ。これまでお見合いしてきた人たちって、明らかに写真を盛っていて、写真とは別人のような人が来ることが多かった。まゆさんみたいな美人に、婚活ではめったに出会えないと思うんです」
こんな考えだったのですが、急激に盛り上がっていた気持ちが一気に冷める事件が起きました。
「先日、食事をしていたときに、彼女の携帯にLINEが届いたんです。それをチラッと見たときに、『あの使えない同僚からだわ』ってボソッと言ったんですが、そのときに本当に意地の悪そうな顔をした。顔がタイプだっただけに、なんだか一気に気持ちが冷めてしまいました」
このデートを終えて、のりゆきさんは、まゆさんに「交際終了」を出しました。
男性は、視覚的な刺激や新鮮な体験に対して強く反応することが多いので、第一印象や外見的な女性の魅力にひかれやすいといわれています。このため、恋愛の初期段階で一気に気持ちが盛り上がるのです。
しかしながら、視覚的な刺激や新鮮な体験も、時間とともに慣れていくと平坦な感覚になっていきます。それが日常になると、理想の女性にはそぐわない発言を聞いたり、見たくない光景を目の当たりにしたりしたときに、気持ちが一気に冷めてしまうことがあるのです。
■女性が男性を好きになる心理構造
では、女性はどうでしょうか。
みわこさん(37歳、仮名)は、よしおさん(41歳、同)とお見合い後、仮交際に入りました。よしおさんはメーカー勤務で、年収はみわこさんとほぼ同等で500万円。特別イケメンというわけではありませんが、清潔感のある好青年でした。
「正直、ピンとくるものはないんですが、お話がすごく合うし、偉ぶったところもない。彼となら、同等な立場で家庭生活が営めるなって思います」
そう言っていたのですが、デートを重ねるうちに、一緒にいることに少し違和感を覚えるようになりました。
「2度目のデートで食事に行ったのがカウンターの和食店だったのですが、やたらと肩を寄せてきたり、軽く手に触れてきたり、さりげないボディータッチをされたんですね。あと、帰り道で『手をつないで、駅まで行きませんか?』と言われたんです」
みわこさんは、手をつなぐことに少し抵抗があったようです。でも、それを断ったら気を悪くするだろうと思い、手をつないで駅まで一緒に歩いていきました。
「そうしたら別れ際に、手を引っ張られて軽くハグされたんです。もうびっくりしてしました」
そして、3回目のデートでは、駅で待ち合わせをして食事をする店に向かうときから、もう手をつないできたと言うのです。
「前回のデートのときは少しお酒も入っていたので、『ま、いっか』と思えたんですが、シラフで彼と手をつないだら『この人、ムリ!』って思いました。だから、信号で止まった瞬間にバッグを彼側に持ち替えて、手がつなげないようにしました」
そして、そのデートを終えた後に、よしおさんに「交際終了」を出しました。
女性は男性を好きになるのに、感情的なつながりや安心感を重視するため、恋愛感情が芽生えて育つのに時間がかかります。気持ちが育っていないうちに男性からスキンシップを求められると、それが嫌悪へとつながります。
こちらがじっくりと相手を見ようとしている時期に、一方的に気持ちを告げられたり、「真剣交際に入りませんか?」などの決断を迫られたりすると、それを“圧”と感じて、そこで相手を遮断します。
■男性は焦らず、女性の気持ちが温まるのを待つ
男性と女性では、性的行動に対する心理的な盛り上がりやアプローチ方法も異なります。
男性は、体の関係になるまでは狩猟本能で一気に攻めていくが、関係を結んだ途端に気持ちがいったん平坦になる、または下降する。対して女性は、そこから一気に気持ちが入る――。これは、心理学や男女の性差に関する研究でよく言われていることです。
男性の思考は「目標達成型」です。男女の関係になるまでを一つの目標として、それが達成されると気持ちが落ち着き、冷静になる。男性は感情と行動を分離しやすいともいわれています。性的行為を愛情の表現ではなく、「身体的な欲求の解消」として捉える場合もあるのです。
ところが女性は、性的行為を「愛情の表現」や「関係の深まり」と捉えることが多いです。このため、行為後には、相手に対してより強い愛情や親密さを感じるのです。女性は心理的にも身体的にも一体感を求める傾向があり、性的行為をその一部として重要視します。
男性と女性とでは、恋愛感情の育ち方や性的欲求の行動パターンが違います。もちろん個人差はありますが、この違いを頭に入れて、男性の皆さんも、女性の皆さんも婚活を進めてみてください。
仲人・ライター 鎌田れい
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