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【そば】八割、十割…何が違う 意外と知らない“割合” 実はダイエットにも効果的だった

オトナンサー / 2024年12月31日 8時10分

そばにはどんな栄養素が含まれている?

 大みそかに年越しそばを食べる人は多いと思いますが、そばに含まれる栄養素が気になったことはありませんか。実際にそばにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。そばを食べると、どのようなメリットがあるのでしょうか。八割そばと十割そばの違いも含め、あさひの森内科消化器クリニック(愛知県尾張旭市)に所属する管理栄養士の若山あみさんに聞きました。

■良質なたんぱく質を含む

Q.そもそも、そばにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。

若山さん「そばには、炭水化物やたんぱく質、食物繊維、ビタミンB群、ルチンなどの栄養素がバランスよく含まれています。それぞれの栄養素について、詳しく説明します」

(1)炭水化物
そばには、エネルギー源となる「炭水化物」が多く含まれています。エネルギー補給が必要なときや、長時間の活動前に摂取するのに適しています。

(2)たんぱく質
穀類の中では、米や小麦よりも100グラム当たりのたんぱく質の割合が多いです。また、そばに含まれるたんぱく質には、体内で合成できず、食べ物でなければ摂取できない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれているため、たんぱく質の質が高く、体の成長や修復、免疫機能の維持に役立ちます。

(3)食物繊維
そばは食物繊維が豊富で、腸内環境を整え、便秘の予防や改善に役立ちます。また、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果もあるため、糖尿病の予防にもつながります。

(4)ビタミンB群
ビタミンB1やビタミンB2、ナイアシンなどのビタミンB群が豊富で、エネルギーの代謝をサポートし、疲労回復やストレスの軽減に効果的です。

(5)ルチン
そばには、そば特有のポリフェノールである「ルチン」が含まれています。ルチンには強い抗酸化作用があり、血管の健康を保ち、動脈硬化の予防に役立ちます。また、ビタミンCの吸収を助ける働きがあります。

そばはまさに、健康を維持するために必要な栄養素のかたまりともいえる食材です。

Q.スーパーや百貨店などでは「八割そば」「十割そば」が売られていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

若山さん「そばには八割そばや十割そばなどいくつか種類がありますが、そば粉の配合に違いがあります。八割そばとはそば粉8割、小麦粉2割で作られたそば、十割そばとは100%そば粉でできたそばのことをそれぞれ指します。

風味や食感に違いがありますが、より効果的にそばの栄養を摂取したい場合は、十割そばを選ぶのがお勧めです。ただ、スーパーなどで売られているそばは小麦粉をつなぎにしたものが主流なので、購入するときは原材料の表示をチェックしてみてください」

Q.そばを食べると、どのようなメリットがあるのでしょうか。ネット上で「そばはダイエットに向いている」という情報がありますが、本当なのでしょうか。

若山さん「そばがダイエット向きの食品であるのは本当です。そばを食べるメリットは、まず血糖値の急上昇を抑えることができることです。そばは食パンやうどん、ラーメン、パスタなどの小麦製品、米よりも『グリセミック指数(GI値)』が低い食品です。

GI値とは、糖質50グラムを含む食品を摂取した際の血糖値の上昇度合を表した値です。GI値が低いと糖や脂肪の吸収が緩やかになり、血糖値をコントロールすることができます。血糖値の急激な上昇を抑えることでインスリンの過剰分泌を防ぎ、太りにくい体づくりが可能です。肥満予防や糖尿病の管理に向いている食品といえるでしょう。

2つ目のメリットは、主食の中では高たんぱく質でありながら、低糖質、低脂質で、食事のバランスを整えやすいことです。そば粉は植物性たんぱく質を多く含み、脂質が少ないため、摂取エネルギー量を比較的簡単に抑えることができます。ゆでたそばは100グラム当たり約130キロカロリーです。食べ過ぎないよう注意したり、つけだれやトッピングを工夫したりすることで、ヘルシーな食事になり、ダイエットにはピッタリです。

3つ目のメリットは食物繊維が豊富で、腸内環境を整えることができることです。食物繊維には、水に溶けやすい『水溶性食物繊維』と、水に溶けにくい『不溶性食物繊維』がありますが、そばには不溶性食物繊維が多く含まれています。

不溶性食物繊維は腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、排便を促すため便秘の予防、改善に効果があります。また、老廃物の排出を助け、デトックス効果も期待できます。さらには、満腹感を得られやすく、食べ過ぎ防止にもつながります」

■そばと一緒に組み合わせるとお勧めの食べ物は?

Q.そばを食べるときは、どのような食べ物を組み合わせると、栄養価がより高くなるのでしょうか。

若山さん「野菜を組み合わせることで、ビタミンや食物繊維を補強することができます。薬味であればネギや大根おろしがお勧めです。ネギにはビタミンCやアリシンが含まれ、風邪予防や食欲増進にも役立ちます。大根おろしであれば、消化を助け、胃腸の負担を軽減します。

ホウレンソウは鉄分や葉酸が豊富なため、そばと一緒に食べると貧血の予防に効果的です。キノコ類は低カロリーで食物繊維が豊富、またうまみもたっぷりなので味にも深みが出ます。

そばといえば、野菜の天ぷらやかき揚げを添える人が多いかと思いますが、天ぷらを作る際は旬の野菜を使うことで、より栄養価が高まります。ただし、食べ過ぎると脂質の割合が増えてしまうので注意してください。

そばは白米やうどんに比べてたんぱく質の含有量が多いですが、そばのたんぱく質だけでは体に必要なたんぱく質の量は補えません。筋肉の維持・増進、あるいは満腹感を向上させるには、さらに良質なたんぱく質を組み合わせましょう。

温泉卵をトッピングすれば、たんぱく質に加えてビタミンB群やビタミンA、ビタミンDを補うことができます。鶏むね肉や鶏のささ身であれば、ゆでてほぐすだけで簡単にたんぱく質の摂取量を上げることができます。副菜として豆腐を添えたり、納豆を加えてねばねばそばにアレンジしたりしてもたんぱく質をプラスすることができます。納豆に含まれるナットウキナーゼは、血液をサラサラにしてくれる効果もあります。

その他にも、ノリはビタミンB群やミネラルが豊富でそばとの相性は抜群です。しらすを加えることでカルシウムを補うことができるほか、ワカメであれば食物繊維とヨウ素を補うことができます。

意外に感じるかもしれませんが、冷やしそばであればえごま油もお勧めです。えごま油には、人間の体内ではつくられず、食べ物から摂取する必要がある必須脂肪酸の一つであるα-リノレン酸が多く含まれており、細胞の機能を維持するためには必要不可欠です。小さじ1杯程度をかけることで、手軽に補うことができます」

Q.栄養価が高いそばですが、食べるときの注意点はありますか。

若山さん「体に良い栄養素がたっぷり含まれているそばですが、たくさん食べてよいというわけではありません。食事はバランスが大切なので、食べ過ぎや食べ物の偏りには気を付けましょう。

先述のように、そばは低GI食品ではありますが、糖質をある程度含むため、一食当たりの量が多くなり過ぎないようにしてください。特に総菜として販売されているそばは、小麦粉が使用されている場合があるので注意しましょう。

また、つゆやトッピングによっても栄養バランスは変化します。濃いつゆを使ってしまうと塩分摂取量が増えてしまうため、『減塩のものを使う』『つゆを飲み切らないようにする』などを意識することが大切です。

天ぷらや天かすも、トッピングし過ぎるとエネルギーの過剰摂取につながります。特にサツマイモなどの糖質が高い食材の天ぷらを食べるときは注意してください。

そばはのどごしが良く、早食いになりやすい傾向があります。ゆっくりよくかんで食べることで満腹を感じやすく、食べ過ぎを防ぐことができるため、食べ方にも意識してみてください。

このほか、そばアレルギーがある人は注意が必要です。そばアレルギーの主な症状は、皮膚のかゆみや発疹、じんましん、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛などがあります。また、そばは他の食品に比べ、微量でもアナフィラキシーショックなど重篤な反応を引き起こすことがあり、命に関わる可能性があります。そばアレルギーがある場合は、そばを絶対に摂取しないようにしてください」

オトナンサー編集部

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