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【俗説】指をポキポキ鳴らすと「太くなる」って、本当なの? 関節に異常? 治癒法を整形外科医に聞く

オトナンサー / 2025年1月7日 8時10分

指の関節をポキポキ鳴らすのはダメ?(画像はイメージ)

 ポキポキと指の関節を鳴らしたくなることがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ネット上では「指を鳴らし続けると太くなる」という内容の情報がありますが、本当なのでしょうか。

 指を鳴らしたくなる原因やリスクについて、なか整形外科 京都西院リハビリテーションクリニック(京都市右京区)院長で整形外科医の樋口直彦さんに聞きました。

■痛みや腫れがある場合は受診を

Q.指の関節をポキポキと鳴らす人がいますが、なぜ鳴らしたくなるのでしょうか。考えられる原因について、教えてください。

樋口さん「指の関節を鳴らしたくなる理由として、次の点が考えられます」

(1)心理的な満足感やリラックス効果
指を鳴らす際の音が快感やリラックス効果をもたらすため、無意識のうちにこの行動を繰り返す人が多いようです。

(2)関節の違和感や緊張感の解消
関節の周辺に違和感や圧迫感を覚えることで、それを解消するために関節を鳴らすという行為が定着する場合があります。

このポキポキという音は、関節内の滑液に溶け込んだ気体が急激に気泡を形成し、それが破裂することによって生じます。この現象自体は生理的なものであり、基本的には異常を示すものではありません。ただし、痛みや腫れを伴う場合は、関節炎や他の異常が考えられるため、早めの受診をお勧めします。

Q.指の関節を鳴らす癖がつくと、手にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。

樋口さん「関節を鳴らす行為が、健康に重大な悪影響を及ぼすと明確に証明されたケースは多くありません。しかし、次のような可能性が懸念されます」

(1)関節周囲の軟部組織への影響
頻繁に指を鳴らすことで、靱帯(じんたい)や腱(けん)に無理な負担がかかり、長期間続けると関節周辺の組織に微細な炎症を引き起こすことがあるかもしれません。

(2)痛みや炎症を誘発するリスク
無理に鳴らそうと力を加えることで、関節包や軟骨に負荷をかけ、局所的な炎症や痛みの原因となる可能性があります。

Q.手の指の関節について、「ポキポキ鳴らし続けると指が太くなる」と聞くことがありますが、本当でしょうか。

樋口さん「『指を鳴らし続けると太くなる』といった話を耳にすることがありますが、これに関する科学的根拠は十分ではありません。ただし、次のことが原因で、指が太く見えることがあるかもしれません」

■炎症による腫れ
無理に関節を鳴らし続けた結果、軽度の炎症が繰り返され、関節周囲の腫れが一時的に現れる場合があります。

■軟部組織の肥厚
長期的な過剰な刺激によって関節周囲の軟部組織が厚くなることがありますが、これは個人差が大きい現象です。

Q.指の関節を鳴らす癖がある場合、指の健康上、改善した方がよいのでしょうか。癖を直すために、どのような取り組みが有効なのでしょうか。

樋口さん「指を鳴らす癖そのものが即座に健康問題を引き起こすわけではありませんが、先述のように鳴らすたびに痛みや腫れが生じる場合のほか、無意識に鳴らしてしまい、日常生活や仕事に支障を来している場合は改善を検討した方がよいでしょう。次のような改善策に取り組んでみてはいかがでしょうか」

(1)意識的に別の行動に置き換える
鳴らしたい衝動を感じた際、握力ボール(パワーボール)やストレスボールを握るなど、手指を使う別の方法で気を紛らわせましょう。

(2)ストレス管理
鳴らす癖がストレスに関連している場合、深呼吸やヨガ、マインドフルネスといったストレス軽減法を試してみてください。

(3)専門家に相談
痛みや腫れが頻発する場合は、整形外科医やリハビリテーション科の医師の診察を受けることが重要です。必要に応じて、理学療法士の指導のもとで関節や筋の負担を軽減する運動療法を行うことが推奨されます。

オトナンサー編集部

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