【インフルエンザ】今季は“感染爆発” 新型コロナ、マイコプラズマも同時流行 注意点&対策を医師に聞く
オトナンサー / 2025年1月8日 6時10分
2024年12月以降、首都圏を中心にインフルエンザが流行しており、警報レベルに達した自治体が続出しています。インフルエンザウイルスにはA型とB型があるといわれていますが、これらは何が違うのでしょうか。今後、インフルエンザの流行状況はどのように変化する可能性があるのでしょうか。
2024年秋から2025年春までのインフルエンザの流行の傾向や注意点などについて、ひだまり内科クリニック(三重県四日市市)院長の伊藤公人さんに聞きました。
■2009年に大流行したウイルスが猛威
Q.インフルエンザウイルスにはA型とB型があるといわれていますが、何が違うのでしょうか。
伊藤さん「インフルエンザウイルスにはA、B、Cの3型があり、流行するのはA型とB型です。
インフルエンザA型とB型はどちらも感染から1~3日後に発熱や頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛などの症状が出現しますが、A型とB型とではウイルスのタンパク構造が大きく異なっています。A型は鳥類など、ヒト以外の動物にも感染するほか、遺伝子の突然変異の頻度が高く感染力が強い一方、B型はヒトにのみ感染し、突然変異も少ないため、あまり大きな流行を引き起こしません。
インフルエンザA型にトリインフルエンザウイルス由来などの遺伝子変異が加わる大変異が生じ、ヒトからヒトへの感染が成立するようになると、『新型インフルエンザウイルス』と呼ばれる病原性の強いウイルスとなります」
Q.2024年秋から2025年にかけて、インフルエンザはどのように流行しているのでしょうか。
伊藤さん「2024年秋から2025年春までの今シーズンは、何といっても患者数の爆発的な増加が特徴です。ここ数年のインフルエンザの流行の程度と比較しても、急速に感染者数が増加しています。
同時に、新型コロナウイルス感染症の患者も2024年の年末から2025年年始にかけて増加傾向にあり、各医療機関の発熱外来の患者数が逼迫(ひっぱく)した状態となっています。
現在流行しているインフルエンザはA型です。そのうち、2009年に新型インフルエンザとして流行した『A(H1)pdm09亜型』が9割以上を占め、残りが1968年にパンデミックを起こしたウイルスで、かつて『香港型』と呼ばれた『AH3亜型』です」
Q.今シーズンのインフルエンザの主な注意点について、教えてください。
伊藤さん「今シーズンは、インフルエンザ以外に新型コロナウイルスやマイコプラズマ肺炎、さらに地域によっては伝染性紅斑(リンゴ病)の流行時期とも重なっています。従って、同じ風邪症状であっても、インフルエンザ以外の感染症にかかっている可能性があることに注意が必要です。
1シーズンに複数の亜型のインフルエンザが流行する場合があります。例えば、2023/2024のシーズンの場合、2023年12月まではインフルエンザA型が流行していましたが、2024年1月から2月にかけてインフルエンザB型が流行しました。
2024年から2025年のシーズンにも同様の現象が起きる可能性があり、その場合、例えば、2024年にすでにインフルエンザA型にかかっていたとしても、2025年に新たにインフルエンザB型にかかってしまう可能性があります。つまり、1シーズンに2回、インフルエンザにかかってしまう可能性があり、注意が必要です」
Q.インフルエンザウイルスの感染をできるだけ防ぐには、どうしたらよいのでしょうか。ワクチンを接種するのに適切なタイミングなどについて、教えてください。
伊藤さん「新型コロナウイルス感染症のパンデミックが生じた2020/2021のシーズンと2021/2022のシーズンは、インフルエンザが流行していません。その理由として、『新型コロナウイルス感染症に対する感染対策が、インフルエンザウイルスへの感染対策としても有効だった』と考えられています。
インフルエンザウイルスの感染をできるだけ防ぐために、マスクの着用や手洗いの徹底を行い、発熱などで体調が悪い場合は、無理をせず外出を控え、必要な場合には医療機関を受診してください。
これまでの研究から、インフルエンザワクチンの効果は、接種日の2週間後から発現し、5カ月程度持続すると考えられています。今シーズンはすでに流行期に差し掛かっており、インフルエンザワクチンの接種が完了していない人は、早めにワクチン接種を受けるのをお勧めします」
オトナンサー編集部
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