【脳卒中】冬は要注意 “危険サイン”を見逃すな 医師に聞く“救急車を呼ぶべき症状”
オトナンサー / 2025年1月20日 7時10分
がんや心疾患などとともに日本人の死因として多いのが「脳卒中」です。そもそも、なぜ脳卒中になるのでしょうか。また、脳卒中の前兆としてどのような症状が出ることが多いのでしょうか。基幹病院で長年勤務し、総合内科専門医である、たいや内科クリニック(愛知県豊田市)院長の加藤大也さんに聞きました。
■前兆の症状を現す「FAST」
Q.そもそも、脳卒中とはどのような病気なのでしょうか。
加藤さん「脳卒中は、突然、脳の血管に異変が生じる病気の総称です。脳の血管が詰まる『脳梗塞(のうこうそく)』、脳の血管が破れる『脳出血』『くも膜下出血』などの病気が含まれています。これら3つの病気の原因や特徴は次の通りです」
■脳梗塞
動脈硬化や血栓により脳の血管が詰まり、血流が止まることで発症します。主な症状は「片側の手足のまひやしびれ」「言葉が出ない」です。
■脳出血
高血圧などによって脳の血管が破れ、出血することで発症します。突然の激しい頭痛や意識障害、体の片側のまひなどの症状が出るのが特徴です。
■くも膜下出血
脳の表面にある血管が破れることで発生し、脳を包む膜の間に出血が広がる病気です。経験したことのない激しい頭痛や嘔吐(おうと)、意識消失などの症状が出るのが特徴です。
Q.では、脳卒中の前兆としてどのような症状が出ることが多いのでしょうか。
加藤さん「脳卒中の前兆の症状は『FAST』という言葉で言い表されます。この言葉を覚えてください。FASTは通常、体の片側に症状が現れるのが特徴です」
■F(Face)顔に異変が生じる
片方の顔が垂れ下がる、笑顔がゆがむ。
■A(Arm)腕のまひ
片方の腕が上がらない、力が入らない。
■S(Speech)話せない
言葉がうまく出てこない、ろれつが回らない、または発語困難。
■T(Time)時間が大事
上記の症状が現れたら、直ちに救急車を呼びましょう。
そのほか、片側の手足のしびれや視力障害、突然の激しい頭痛も前兆として現れることがあります。「いつもと違う」「何かおかしい」と感じたら、それが命の危険を知らせるサインです。
なお、すべての患者に前兆が現れるわけではなく、前兆なく脳卒中を発症するケースも少なくありません。また、FASTの症状は体の片側に現れることが多いですが、両側や非典型的な症状が出ることもあるため、注意が必要です。
脳卒中を予防するためには、塩分を控えた食事や適度な運動を心掛け、禁煙を徹底しましょう。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症がある場合は、定期的に医師の診察を受けて治療を継続することが重要です。
Q.もし自分や周囲の人に脳卒中の前兆と見られる症状が出た場合、どのように対処すればよいのでしょうか。受診の目安も含めて教えてください。
加藤さん「脳卒中は、発症後の対応がその後の人生を大きく左右します。次の行動を徹底してください」
(1)迷わず119番する
「少し様子を見る」という選択肢はありません。先述のFASTの症状または「顔面のまひ」「片方の手足が動かしづらい」「突然、激しい頭痛に襲われた」「嘔吐」「意識がもうろうとする」「視力が急に低下する、または二重に見える」といった症状が1つでもあればすぐに救急車を呼びましょう。
(2)安静にする
患者を寝かせ、動かさないようにします。脳出血の場合は頭を少し高くする姿勢が適切ですが、脳梗塞の場合はフラットな姿勢が血流改善に寄与することがあります。状況に応じて救急隊の指示を仰いでください。
(3)時間を確認する
症状が出た具体的な時間を確認し、救急隊や医師に伝えます。例えば「○時ごろに急に話せなくなった」「△時に腕が動かなくなった」といった正確な情報は、治療方針の決定に役立ちます。脳梗塞では発症から4時間半以内で、脳出血がないと診断された場合に、動脈に詰まった血栓を薬で溶かす「t-PA療法(血栓溶解療法)」の適応となる可能性があります。ただし、年齢や既往歴などにより適応外となる場合もあるため、医師の判断が必要です。
Q.冬は脳卒中が生じやすい季節なのでしょうか。
加藤さん「冬は寒さによって血圧が上がりやすくなるため、脳卒中を発症しやすくなります。また、急激な温度変化(ヒートショック)や、乾燥による水分不足が原因で血液が濃くなることも影響します。主な原因や対策は次の通りです」
【冬に脳卒中を発症しやすい原因】
(1)血圧が上昇
寒さにより血管が収縮し、血圧が急上昇します。特に高血圧の人は脳出血のリスクが高まります。
(2)ヒートショック
暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動すると、急激な温度変化で血圧が変動し、血管に負担がかかります。
(3)脱水
冬は汗をかきにくく、水分摂取量が減ることに加え、乾燥した環境で皮膚から水分が失われやすいため、体内の水分が不足し、血液が流れにくくなることで脳梗塞のリスクが高まります。
【対策】
・室温を18〜22度に保ち、寒暖差を減らす。
・浴室やトイレに暖房を設置する。
・朝起きた直後や入浴後にコップ1杯の水を飲む。
・血圧を定期的に測定し、異常があれば医師に相談する。
なお、脳卒中は冬だけでなく他の季節でも発症します。年間を通じたリスク管理が重要です。
オトナンサー編集部
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