【漫画】“好きな人、嫌いな人アンケート”で｢空気みたい｣と評価され…落ち込んだ作者が直面した2つの“試練”＜作者インタビュー＞

漫画「存在感なさすぎで空気みたいと言われた時の話」「悪意を向けてきた女の子の話」のカット（地球調査員みじんこさん提供）

　小学生のときの経験を描いた2つの漫画「存在感なさすぎで空気みたいと言われた時の話」「悪意を向けてきた女の子の話」が、Xで多くのいいねを集めて話題となっています。

　小学校の授業で、「好きな人」「嫌いな人」を書くというアンケートが取られました。好きな人の名前をたくさん書き、嫌いな人を「なし」と書いて提出した作者。しかし作者本人は、クラスメイトから「嫌われていないけれど、特に好かれてもいない」という結果に。

　また、あるクラスメートからは「あなたを好きな人に書かなかった」と、なぜか悪意を向けられて…。読者から、「何のためのアンケート？」「人間関係はグラデーションですね」などの声が上がっています。

■誰からも好かれていないという結果に驚き

　この漫画を描いたのは、みじんこさんです。Xとnoteでエッセー漫画を発表し、Kindleでは無料漫画を配信しています。みじんこさんに、作品についてのお話を聞きました。

Q.漫画家を志した理由や経緯を教えてください。

みじんこさん「物語を書きたくて、設定だけをいっぱい書きためていたのですが、小説として書いてみたら、プロローグ程度の分量なのに、めちゃくちゃ時間がかかってしまいまして。自分の書きたい物語が、『小説の形式だと、生涯かけても書き終わらない』ということに気付きました。

でも漫画のネームとしてなら、描き終わらせることができるかもと思ったんです。それで描いていたら、けっこう楽しくて。もっと描けるようになりたいと思っているうちに、機材をそろえたり、講座に通ったりし始めてしまいました」

Q.「存在感なさすぎで空気みたいと言われた時の話」「悪意を向けてきた女の子の話」を描いた理由を教えてください。

みじんこさん「自分は子どもの頃に限らず、印象的な出来事をいつまでもずっと明確に覚えていて、繰り返し繰り返し思い出しちゃうんですね。特別強い感情が動いた出来事ではなくて、単に転んで泣いたときの気持ちも覚えていて、ふと思い出してしまうことがあります。なんだか急に、そういう思い出を描いてみたいな、という気持ちになりました」

Q.「好きな人、嫌いな人アンケート」を書かされたことを、どう思っていましたか。

みじんこさん「子どもだったので、アンケート自体には何とも思っていませんでした。ただ、誰からも好かれていないことにはびっくりしました。当時、いじめられていたわけでもなく、普通にみんなでよく遊びに行っており、ちゃんと誘われていたので」

Q.悪意を向けてきたクラスメートとも、仲が良かったのでしょうか。

みじんこさん「すごく仲が良いわけでもなく、グループで遊びに行くときにいるかいないか、くらいだった気がします。ただ、同じ団地内に住んでいたので、公園で会うことはありました。彼女はとても目立つ人で、自分は地味だったのであまり接点はなかったです」

Q.漫画「存在感なさすぎで空気みたいと言われた時の話」「悪意を向けてきた女の子の話」について、どのような意見が寄せられていますか。

みじんこさん「『存在感なさすぎで空気みたいと言われた時の話』については、同じようなアンケートを受けたことがある人もいたようで、『このアンケートは残酷』といったコメントが上がっていました。また、小さい頃に、自分だけ好かれていなかったことに気付いたエピソードは多くの人が持っているようで、『私も同じことを言われたことがある』というコメントを複数頂きました。

『悪意を向けてきた女の子の話』については、『そんなに深く考えていなかったのかも』『人との関係ってグラデーションだよね』などのコメントがありました。確かに『100％絶対大嫌い』という感じでなくても、好きな人もちょっと嫌いになるときがあるし、それは相手の問題だけじゃなく、自分のコンディションにもよりますよね」

オトナンサー編集部