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【漫画】“地味な少女”を主人公にしたいのに…「少女漫画はかわいさが必要」と却下され、葛藤する漫画家 同居人の言葉に救われたワケ<作者取材>

オトナンサー / 2025年2月8日 6時10分

漫画「少女漫画家とルッキズム」のカット(とあるアラ子さん提供)

 ルッキズムをテーマにした漫画『ブスなんて言わないで』から、「少女漫画家とルッキズム」と題して投稿された漫画が、Xで合計1万近い「いいね」を集めて話題となっています。

 担当編集者に、「主人公の少女を地味な容姿にしたい」と提案する漫画家。しかし編集者は「それでは読者の共感を呼べない」と反対します。その理由は…。読者からは、「改めて考えてみた」「時代は変わっても、人は簡単に変わらない」などの声が上がっています。

■少女漫画雑誌では「かわいさ」が求められることが多く…

 この漫画を描いたのは、漫画家の「とあるアラ子」さんです。2016年に連載を開始した『美人が婚活してみたら』は、映画化もされて話題となりました。現在、『ブスなんて言わないで』をウェブ漫画サイト「&Sofa」(講談社)にて連載中で、コミックスは5巻まで刊行されています。Xでは自身の作品紹介などを投稿しているという、とあるアラ子さんに作品についてのお話を聞きました。

Q.漫画家を志した時期や経緯を教えてください。

とあるアラ子さん「実は21歳のときに一度、少女漫画雑誌でデビューしているんです。でも、漫画家として軌道に乗ることができず、20代はほとんどフリーターとして暮らしていました。それでも漫画家として生きていくという夢が諦められず、30歳のときにエッセー漫画を自費で作り、コミティアや文学フリマで頒布したことをきっかけに、今のペンネーム(とあるアラ子)で再デビューしたという流れです」

Q.『ブスなんて言わないで』は、どのような作品でしょうか。

とあるアラ子さん「ズバリ、『ルッキズム(見た目による差別や偏見)』をテーマにした作品です。『美醜』について描かれた漫画作品は、これまでも多く生み出されてきましたが、そのほとんどが個人の問題としての葛藤を描いたものだったと思います。『ルッキズム』という言葉が一般化しつつある今、もっとはっきりと『社会問題』として『美醜』の問題を描いてみたいと思い、連載をスタートさせました」

Q.実際の漫画の制作現場でも、この編集者のような意見なのでしょうか。

とあるアラ子さん「この作品を連載している、講談社のアフタヌーン編集部が運営する『&Sofa』は、フェミニズムや多様性をテーマにした作品を多く扱うサイトなので、登場人物の容姿は自由に描かせていただけていますね。

ただ、自分が以前お世話になっていた少女漫画雑誌では、『できるだけかわいく』と編集者から指導されることが多かったです。作中でも触れていますが、低年齢層向けの媒体の方が、『現実』よりも『憧れ』を読者に提示する必要があり、容姿に関する多様性表現は難しいのかなと思います」

Q.ご自身も、登場人物の容姿をどのようにするか、悩むこともありますか。

とあるアラ子さん「そうですね。今は『ルッキズム』をテーマにした作品なので、主人公を思いっきり『ブス』に描いていますが、今後、別の作品を描くときはどうしようと今から悩んでいます。問題提起しておきながら、別の作品ではしれっとかわいい主人公を描いてしまうのは格好悪いと思いつつ、主人公の見た目は、売り上げにも関わることなので、なかなか難しいですね」

Q.このエピソードについて、どのような意見が寄せられていますか。

とあるアラ子さん「共感したという意見もありましたが、『フィクションの登場人物に美しさを求めて何が悪いんだ』という怒りの声もありました。美しい主人公の作品を否定しているわけじゃなくて、もっといろいろな作品があってもいいのでは、という気持ちを込めて描いた漫画なので、そこは理解してほしいですね」

オトナンサー編集部

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