靴下、腹巻き…魔法びんで有名な「サーモス」 実は“あったか”アパレル商品も好調 畑違いの分野に参入したワケ
オトナンサー / 2025年2月3日 7時10分
魔法びんメーカーのサーモス(東京都港区)が2024年9月に立ち上げたアパレル小物ブランド「&ONDO(アンドオンド)」が好調です。同ブランドでは、ルームソックスやネックウオーマー、腹巻きなど全12商品を販売しており、同社マーケティング部 商品戦略室の山田恭平さんは「売れ行きは想定以上に好調で、一部商品は当社の公式オンラインショップで完売しました」と話します。
魔法びんメーカーとして有名な同社がアパレル市場に参入したのはなぜなのでしょうか。アパレル商品を開発した狙いや商品の販売状況などについて、山田さんに聞きました。
■サーモスや魔法びんの「保温/温かい」イメージを応用
サーモスは魔法びんメーカーとして、真空断熱技術を活用したボトルやタンブラー、スープジャーなどの魔法びん商品を製造、販売。2019年には、「使いやすさにこだわったモノづくりで、『家の外』だけではなく、『家の中』での暮らしもサポートしていきたい」という思いを込め、調理用品ブランド「KITCHEN+(キッチンプラス)」を立ち上げ、フライパンや包丁といったキッチン用品の販売も行っています。
その後、同社は2024年にサーモスブランドが誕生120周年を迎えたのを機に、ブランドパーパスとして「確かな品質と豊かなアイデアでライフスタイルを創造する」、ブランドタグライン(ブランドメッセージ)として「次の心地よいをつくる。」をそれぞれ制定。
同社マーケティング部 商品戦略室の山田恭平さんは、アパレル小物ブランドを構想した理由について、「魔法びんや調理用品を通じた、温度やおいしさによる“飲食時の心地よさ”の提供だけではなく、お客さまの生活全般に寄り添えるブランドを目指したいと考えたからです。皆さまの生活に根付いているアパレル小物を展開すれば、生活全般のさらなる心地よさを提供できるのではないかと考えました」と述べました。
2019年ごろから、サーモスのモノづくりの視点やブランドイメージを生かし、繊維製品に展開できないか検討を始めていたということです。
その後、同社は魔法びんメーカーとして長年蓄積してきた技術やブランド価値をどのように生かせば、顧客に「生活全般の心地よさ」を提供できるのか、検討を重ねたといいます。
山田さんは「当社では飲食物の保温や保冷にまつわる商品を提供しているので、『温度』が価値であり、さらに『温度』に対する好意的なブランドイメージをお客さまが持っていることが強みであることを前提に、新たなブランドを模索しました」と説明。
その上で「そこで私たちが着目したのが、日々の生活の中で感じる温度にまつわるストレスの一つである『冷え』です。この点に着目して冷えをケアするためのアパレル小物ブランドを立ち上げ、『サーモス=保温、温かい』というイメージをお持ちのお客さまの期待を裏切ることがない『温かさや心地よさ』を体感いただける商品の開発に着手しました。商品企画や開発の期間を経て、2024年9月に12商品を発売しました」と教えてくれました。
アパレル商品の製造技術や製造拠点がまったくない状態からブランドを立ち上げたため、製造委託先の事業者を探すのに非常に苦労したといいます。
山田さんは「例えば、企画段階で温かいルームソックスは市場成長性が見込めるほか、当社の技術的な強みのイメージを生かせる製品だという確信はありましたが、肝心の製造に関するノウハウが全くなく、なかなかブランドプロジェクトを推進できないというジレンマがありました。靴下のメーカーが集まる合同展示会などに何度も足を運び、交渉を重ねました」と述懐。
また、「その後、幸いにも技術力があり、当社が目指すビジョンに共感していただける協力会社さまが見つかりました。私たちの『生活者目線の思い』をカタチにすべく、根気強く研究開発に取り組んでいただきました」と話しました。
同社は商品開発時に温かさを徹底的に追求。例えば、同社の「起毛であったかルームソックス(AL-C402G/B、AL-C403G)」は、開発に約2年かかったということです。
同商品のこだわりについて、「市場にはないルームソックスを作りたいと考えていたところ、協力会社さまから『靴下をより温かくするには、靴下の厚みを出すことが重要』というアドバイスを得て、毛足の長い『極起毛』を採用しました。長い起毛同士の間などで空気層を作り、足先の体温をキャッチして保温する仕組みです」と説明。
また、「さらに快適に商品を使用していただけるよう、足首より上は締め付け感が少ないリラックスリブに仕上げました。丈はお客さまの好みに合わせて、ふくらはぎまでのミドル丈と、ひざ下までカバーするロング丈を販売しております」と述べました。
同社は利便性を高めるため、商品の仕様にも配慮。例えば、首元を温める「あったかネックインナー(AN-C403G)」は、頭からかぶらずに、ボタンの着脱によって首の脇から着用する仕様にしており、髪の毛を乱さずに着用することができるといいます。
このほか、「手首あったかビーズウォーマー(AN-C401F)」「あったかビーズクッション(AC-C401F)」はチタンでコーティングしたビーズを配合しており、ビーズ内側の空洞と、ビーズ同士の空洞が作る空気層が、魔法びんのような保温効果をもたらすといいます。パソコン作業の際などにビーズウォーマーを使うと、手首の温かさを体感できるということです。
■商品の売れ行きは?
山田さんに「&ONDO」ブランド商品の販売状況を聞くと「ありがたいことに、商品の売れ行きは当社の想定を上回り、大変好調に推移しております。『あったかネックインナー』は当社の公式オンラインショップで完売し、販売再開は未定です。髪の毛を乱さずに着脱できる点について、好評をいただいています。同様に、『微起毛あったかハラマキ(AC-C402G)』も公式オンラインショップで完売しました」と回答。
また、「実際に『&ONDO』の商品をご使用いただいたお客さまからは、『温かさ』を評価していただくことが多く、中にはサイズや色の追加をご要望いただくお客さまもいらっしゃいます。同ブランド商品の具体的な売り上げを公表することはできませんが、ユーザーアンケートにおける同ブランド商品の満足度は、当社の全商品の中でも上位です」と述べました。
商品がヒットした要因については、「サーモスの魔法びんをご購入いただくのは30代女性、40代女性が多く、こうした年代のお客さまが好むようなデザインで商品開発を進めたことが奏功したと考えております。実際に『&ONDO』の商品は30代女性を中心に、幅広い世代の女性にご購入いただいております」と分析。
その上で「男性が購入するケースもあり、性別や年齢を問わず、ぜひさまざまなお客さまに商品を使っていただきたいと考えております」と締めくくりました。
「&ONDO」の12商品の価格帯は990~5500円(税込み)で、サーモスの公式オンラインショップやサーモスの直営店のほか、アマゾンや楽天市場といった通販サイトなどで販売しています。同社は来店時に品切れの可能性もあるため、店舗で購入する場合は事前に在庫状況を店舗に確認するよう、勧めています。
オトナンサー編集部
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