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【花粉症】「市販薬」は効果なし? 服用時の注意点&受診の目安とは 薬剤師が解説

オトナンサー / 2025年2月11日 9時10分

花粉症の処方薬と市販薬の違いは?(画像はイメージ)

 2月中旬以降にスギ花粉の飛散が本格的に始まると予想されています。毎年、花粉症に悩まされる人の中には、すでに医療機関を受診し、処方薬を服用している人もいるようです。一方、医療機関を受診する暇がなく、花粉症向けの市販薬を活用する人も多いと思います。

 花粉症の処方薬と市販薬とでは、どのような違いがあるのでしょうか。処方薬、市販薬のそれぞれのメリット、デメリットのほか、医療機関を受診し、処方薬を服用した方がよいケースも含め、薬剤師の真部眞澄さんに教えていただきました。

■症状が重い場合は処方薬を

Q.そもそも花粉症の処方薬と市販薬とでは、どのような違いがあるのでしょうか。

真部さん「最も違いが出るのは、成分の種類と量ですね。処方薬は医師の診断の下、各々の患者さんに合った種類、量の薬を処方するので、強く出ている症状に対して特化できるのが特徴です。

例えば、鼻詰まりによく効くロイコトリエン受容体拮抗薬などは市販されていません。こういったピンポイントで効果のある薬を、副作用や薬同士の相性も考慮した上で、患者さんの症状に合った量で使用できます。そのため、即効性、安全性の面で市販薬より効果が高いと言えるでしょう。

市販薬は、最近では処方薬と同じ成分が含まれているものもありますが、その場合でも複数の薬効成分が少量ずつ含まれているものがほとんどです。患者さん自身が自己判断で購入する製品であるため、特定の症状のみに特化した配合にするのが難しいんですね。そのため、どちらかといえば軽い症状に適したものとなっています」

Q.では、花粉症の処方薬、市販薬のそれぞれのメリット、デメリットについて教えてください。

真部さん「処方薬、市販薬のそれぞれの主なメリット、デメリットは次の通りです」

■処方薬
【メリット】
先述のように、症状に合わせた処方は市販薬より効果的で、安全性も高いといえます。加えて、薬の服用に問題がない人の場合、医師の判断で一度の処方で最大90日分まで薬が出せる可能性があるので、毎年花粉症にかかっている人などは、効果が期待できる薬を期間分まとめて手に入れることができます。

【デメリット】
医師の処方が必要なため、医療機関の受診が必須である点です。診察を受けるまとまった時間、および診察料、処方料も必要になります。ただ、金銭面については保険適用で結果的に市販薬より安くなる場合もあります。

■市販薬
【メリット】
入手性の高さです。出張先や旅行先といった出先でも診察を待たず手軽に買うことができるほか、医療機関を受診した際の診察代なども考慮に入れると、比較的安価に手に入ります。

【デメリット】
重ねての説明になりますが、処方薬に比べて効果が弱い点です。医師の相談を経ずに自分で選ぶことから、薬が症状に合っていない可能性もあり、結果的に専門医を受診する二度手間となる可能性も出てきます。

Q.花粉症向けの市販薬の服用に向かない人の特徴はありますか。医療機関を受診し、処方薬を服用する目安も含めて、教えてください。

真部さん「製品ごとの差や効果の個人差があり、市販薬の向き不向きは一概に言えない部分もあります。そのため、『このような場合は市販薬から処方薬に移行した方がよい』という観点で解説します。

基本的に、市販薬は軽度から中等度の症状に対して効果が期待できます。逆に症状が重い人や、ぜんそくなど呼吸器系の疾患があり重症化しやすい人、市販薬を1週間服用しても効果が出ない人は処方薬への移行を検討した方がよいでしょう。

また、妊娠中や授乳中の人、併用薬があり相互作用が心配な人、副作用の心配がある人については、症状の程度にかかわらず、市販薬を使用する前に医師に相談しましょう。

これらに当てはまらない人であっても、毎年同じ時期に症状が現れる場合は、やはり早めに医療機関で治療を受け、処方薬を使うのが望ましいですね」

* * *

 お金と時間という点で手軽に入手できる花粉症の市販薬ですが、重症の人や体質、持病などの状況によっては、処方薬の方が向いている場合も多くあるようです。ご自身の症状の重さや併用薬、副作用などに少しでも不安を感じる場合は、医療機関の受診を検討しましょう。

オトナンサー編集部

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