「いいヤツなんだけど」…40代独女の辛かったデート体験
OTONA SALONE / 2019年4月17日 21時0分
正直、今回のハナシは書くのを迷った。私の狭量な小人物ぶりをさらけ出すようで恥ずかしいからだ。しかし、あえて書くことにした。ある意味、決意表明として。今回は、私の直近の「デート」を紹介する。
「いいヤツがいるんだけど、会ってみない?」
年に数回、定期的に仕事をもらっているクラアントのおじさんに(私より少し年上の50歳)、「僕の同級生に、いいヤツがいるんだけど、会ってみない?」と声をかけられた。
ああ、久しぶりに来たな、と思った。40台も半ばになり(え、後半?)、すっかりそんなお誘いを受ける機会は少なくなった。ましてや今の私には、彼氏欲しい願望も結婚願望も皆無だ。
うーん、面倒くさいな。
「食べることもお酒も大好きな俺の同級生。いいヤツなんだけど、ずっと一人なんだ。とりあえず、美味しいものでも食べさせてもらいなよ。いい店、いっぱい知ってるよ」と、おじさん。
愛だの恋だのという言葉には、なんら刺激されない。母性も愛情も、飼い犬にオールインしており、持て余してはいない。しかし、「美味しいもの」という言葉には弱いのだ……。
それに私は、典型的なノーと言えない日本人(笑)。まあ、一度くらい会ってみてもいいかしら。
初ディナー、彼が連れていってくれたのは──?
そんなわけで、会いました! 最初は、紹介者であるおじさんと3人で。カジュアルなバーのハッピーアワーで、「初めまして」。2、3杯飲み、その日はそれで解散。
あら、この後、2人でディナーに行くわけじゃないのね、なんか大人だな〜。
で、肝心の、紹介してもらった彼だが、年齢はおじさんと同じ50歳。職業は伏せておくが、金持ちというわけではないが、安定した収入がありお金には困ってなさそうだ。会社帰りの彼は上質なコートを着ていた。容姿は極めて普通。とくに良いわけでも、悪いわけでもない。まあもう一度、会ってみてもいいかな。
翌日、彼からLINEに連絡があった。
「今度の週末、食事にでも行きませんか」
まあ、これは当然、行ってみる流れでしょう。
彼は私が出やすい場所を聞いてくれたが、場所も含め、どんな店を選んでくれるか知りたかったので、すべて彼にお任せすることにした。言葉は悪いが、「お手並み拝見」である。
「それなら」と彼は、山手線のとある駅を指定。さあ、どんな店に連れていってくれるのかしら? 待ち合わせ場所で会った後に、「で、どこに行く?」は勘弁してねと思っていたのだが、そんな心配は無用だった。彼は小さなビストロを予約していた。
「実は僕も初めてなんです」
聞けば、行きつけのフランス料理店のスーシェフ(2番手シェフ)が独立して、出した店だという。
料理はとても美味しく、店の雰囲気もよかった。彼のワインの選び方は的確だったし(私の好みも聞いてくれた)、会計は私がお手洗いに立った間にすでに終わっていた(スマート!)。しかし、私にとっては、非常に苦痛な2時間だった。
伝家の宝刀(?)、「無人島に流されたら」シリーズ
食事の間、彼から私に話を振ることは、一切なかった。少しでも話を盛り上げようと、私は彼にいろいろな質問をしたが、会話は長くは続かない。そして、だんだんと質問も尽きてくる。
そもそもそれほど相手に興味がないのだ。聞きたいことなんて限られている。
それでも、「無人島に流されたら」「明日、地球が滅亡したら」の「もしも」シリーズに話を展開し、最善は尽くしたつもりだ。
しかし最終的にはあきらめ、沈黙に身をまかせることにした。デザートが出てきた時は、心底胸をなでおろした。やっと帰れるー! さ、解散解散。、あなたもつまらなかったでしょ?
しかし、店を出るなり、彼は、驚くべきことにこう言ったのだ。
「この近くにジントニックがとても美味しいバーがあるんです。行ってみませんか」。
はあ? まじですか! あなた、沈黙が気にならないタイプ? てか、私もあなたにあまり興味ないけれど、あなたも私に関心ないですよね?
それでも私は、2軒目に行った。そう、美味しいジントニックに魅かれたのだ。
次に会っても、楽しい思いができるとは思えない…
ジントニックは確かに美味しかったし、バーのマスターは、沈黙しきりの中年男女の間に立って、盛り上げてくれた(まじ助かりました。ありがとうございます)。
そんなわけで、1軒目よりは苦痛は緩和されたが、さすがにもうこの人と、二人で会うのは勘弁だ。何度も爆笑させろ! なんて言わない。ただ、もう少し会話を楽しみたい。そう思う私は贅沢なのだろうか。
後日、友人にその話をすると、「人見知りなんじゃない?」。そうかもしれないが、高校生男子じゃないんだから! いい社会人が人見知りを言い訳にしないで(まあ彼がそう言ったわけではないのだが)。
別の友人は「もう一度、会ったら違うかもよ」と言った。なるほどね、それもそうかもしれない。でも、一緒に過ごした3、4時間から鑑みるに、次回、楽しい思いができるとはとても思えないのだ。「結婚したらそれが普通だよ」。いや、結婚してないから!
中途半端な気持ちで、「紹介」は受けちゃダメ!
その後、何度か彼からLINEがあったが、3、4回、お断りしていたら連絡は途絶えた。
今思えば、もっと早い段階で、もうあなたとふたりで会うつもりはないと、はっきりお伝えしたほうがよかったのかもしれない。でもなんて書くの? あなたと会ってもつまらないので、もう勘弁してくださいとでも?
そんなわけで、もしこれをデートと呼べるなら、これが私が体験した直近のデートである。さすがにはっきりわかった。あんな気詰まりの時間を過ごすなら、一人で飲みに行ったり、家でテレビ観ながらしょぼいご飯食べていたほうがずっといい。
特に男性の好みなどない私だが(興味ないから!)、話が合う、合わないって、本当に重要だ。そして、もう中途半端な気持ちで紹介は受けない。だって、私は恋人も配偶者も求めていないのだから。ほんと失礼しました! そして、そっち方面ではもう私のことは、そっとしておいてくださいませ。
≪独女快楽ライフ研究家、ライフスタイルジャーナリスト 長谷川あやさんの他の記事をチェック!≫
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