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「大舞台」だいぶたいで合ってる?みんなが間違える日本語の読み

OTONA SALONE / 2019年5月20日 11時30分

読み間違いしやすい漢字を集めたコラムは世の中たくさんありますが、何回も見てしまうのは、うろ覚え、覚え切れていないからかと思います。国語教師としては、そのあたりの工夫を凝らしてみたいもの。今日は、例文をドラマ仕立てにしてみました。熟語が使われているシーンを想像しながら、そしてもちろん読み間違いやすい熟語に注意しながら読んでみてください。

 

1・会釈

読み間違いの例

かいしゃく

正しい読み

えしゃく

意味

にこやかにうなづくこと。軽く首を垂れて一礼すること。あいさつ。

お酒で醜態をさらした合コンで出会った意中の男性に、まさかの社食で出会い、動揺したが、なんとか会釈(えしゃく)くらいはした。

説明

仏教用語の「和会通釈」がもとで、儀礼に適った態度を取るという意味に転じ、江戸時代からお辞儀の意味になりました。ちなみに、お辞儀とは角度が違います。お辞儀が30度ぐらいで、会釈は15度くらいです。

 

2・大舞台

読み間違いの例

だいぶたい

正しい読み

おおぶたい

意味

人の注目を集め自分の力を発揮する場所や機会。晴れ舞台。

午後は社内コンペの日。一世一代(いっせいちだい)の大舞台(おおぶたい)なのに、最前列に例の彼が!

説明

「だいぶたい」では「大部隊」となってしまうので注意。

 

3・各々

読み間違いの例

かくかく

正しい読み

おのおの

意味

みなさん。めいめい。それぞれ。

プレゼン後、茶話会形式でフリートークタイム。各々(おのおの)楽しんでいる様子でした。

説明

意味は「各自」ですが、読みは「おのおの」となります。

 

4・角地

読み間違いの例

かくち

正しい読み

かどち

意味

二つの道路の交わるかどに面した土地。

我が社は大通りの角地(かどち)にあり、角部屋のこの会議室には、二方向から日が差します。

説明

「角」は「かく」とも「かど」とも読みます。「角地」の場合は意味の上から「かどち」と読みます。

 

5・苦汁

読み間違いの例

にがじる

正しい読み

くじゅう

意味

にがい汁。転じて、苦しみまたはにがい経験。

なんとかプレゼンは上手くいった。しかし、お酒の罪は深い。この苦汁(くじゅう)をなめるような経験が、今後プラスになるといいけど。

説明

「くじゅう」には「苦渋」という漢字もあります。こちらは物事がうまく進まず、苦しみ悩むことで、「苦渋を味わう」「苦渋に満ちた人生」のような場合に使います。「なめる」場合は「苦汁」です。

 

6・御用達

読み間違いの例

ごようたつ

正しい読み

ごようたし

意味

御用商人のこと。認可を得て、宮中または官庁の用品を納める事を業とする商人。

今日の茶話会のお茶菓子は、皇室御用達(ごようたし)の金平糖。洒落てる!

説明

「用足し」と書かれることもありますが、「足す」というより、「達し」の意味です。「達し」は官庁から一般人民への通知などの意味。このことから、宮内庁の場合は「達し」を使います。

 

7・成就

読み間違いの例

せいじゅ

正しい読み

じょうじゅ

意味

できあがること。なしとげること。成功。達成。

この金平糖、恋愛成就(じょうじゅ)で有名な神社にも奉納されたとのこと。

説明

「成」を「じょう」と読む代表例が「成就」です。入試問題でも出題されます。

 

8・出納

読み間違いの例

しゅつのう

正しい読み

すいとう

意味

金銭または物品の収入と支出。

横目で見る例の彼は「ぼくなんて、ただの出納(すいとう)係ですよ」と笑っているが、経理ではかなりデキるらしい。

説明

これも、漢字が簡単なのに、読みが難しい例として、中学入試の問題に出されることが多いです。

 

9・精励

読み間違いの例

しょうれい

正しい読み

せいれい

意味

つとめはげむこと。力を尽くしてつとめること。

経理の女子に聞いたら、彼はまさに「仕事に精励(しょうれい)するタイプ」とのこと。将来も輝かしいに違いない。逃がした魚は大きい。

説明

「励」は「れい」だと分かるのですが「精励」となった時に「しょうれい」としてしまう人が多いようです。「励」のつく「しょうれい」は「奨励」ですね。

 

10・幅員

読み間違いの例

はばいん

正しい読み

ふくいん

意味

船や道・橋などの横の長さ。はば。

お酒の失態もあるし、私の恋は「幅員(ふくいん)減少」気味ですね(笑)

説明

「幅員減少」は、読めない道路標識として、ちょっと有名ですよね。道幅が狭くなっている図が描いてあることが多く、それが頼りです(笑) 「道幅減少」ではいけないかしら?と私は感じます。

 

 

子どもたちに漢字を教える際にも、実際に使う場面を大切にしています。熟語単体で覚えようとすると、覚えられないものです。知らない熟語、間違えて覚えていた熟語、読み間違えている熟語に出会ったら、自分に身近なシーンを例文に使ってみると良いと思いますよ。

 

≪国語教師・文章コンサルタント・文章力養成コーチ 松嶋有香さんの他の記事をチェック!≫

 

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