40代女性の25%が「NGレベルの口臭」。磨く人ほどクサくなる驚きの理由は?
OTONA SALONE / 2019年6月14日 11時0分
いよいよ2020年はオリンピック。海外からの訪日客は期間中1000万人を見込むそうですが、実は日本人は先進国の中でもオーラルケア意識が低く、外国人は「日本人の口はクサイ」と感じることもあるのだそう。
そんな口臭について、歯科医と歯科衛生士、歯科業界各社が連携し、調査し情報発信する「ブレス・ハザードプロジェクト」から「口臭白書2019」が発表されました。
実はオバサンのほうがクサイ?みんな困っている口臭
今回の「口臭白書2019」によれば、実に日本人の9割が「口臭が気になった経験」を持ちます。
口の中の悩みは、男性では口臭が1位27.9%なのに、女性は5位26.6%です。つまり、女性は見た目を気にするものの、ニオイそのものには無頓着という傾向があります。
「中年」の「女性」がいちばん問題
では、自分のことではなく、他人のことはどうでしょう。他人の口臭が気になるシーンは圧倒的な1位が仕事の打ち合わせをしているとき。
「なかなか指摘もできないですよね。中には、上司の口臭で片頭痛になっている人、口臭の強い人が隣にいる間は息をとめている人までいて、多くの人が周囲の口臭に悩まされていることがわかります」と、同プロジェクトに参加した歯科医療総合商社(株)モリタの歯科衛生士・道廣香奈さん。
その「ニオイ」の度合いを客観的に測定したデータが衝撃的です。
ニオイレベルが30を越えるとニオイを発し始め、50を越えると周囲の人が気になるレベルです。
この測定に協力した人のうち、50を越える人の割合は全体の13%、つまりおおむね10人に1人程度が「口臭を持っている」のですが……。
50を越える人の性別・年代別の内訳を見てみると、中高年齢(40代以上)の女性が24%とダントツ!
30以上を含めると、実に6割の人が口臭予備軍といえる結果に。
さらに衝撃なのは「ケア」の話。気になるんだからもっと歯磨きをしよう!と考えますよね。
ご覧の通り、1日3回以上歯磨きをする人のほうが、50越えの比率が高いのだそうです……。
もう一度まとめると、
・40代以上の女性は口臭が強い
・1日に何度も磨く人ほど口臭が強い
ということに。
こまめに磨く人が気をつけるべきことは「癖」。プロの指導を受けて!
どうして「歯磨き回数が多いのにクサくなる」という結果になるのでしょう?
「こまめに磨いても、間違った磨き方だと歯ブラシの毛先がきちんと歯や歯肉にあたらず、磨き残しが出ます。歯磨きは、量より質です!虫歯菌や歯周病菌が悪さをする前に、1日1回丁寧に歯磨きする事が大切です」(歯科衛生士・道廣香奈さん/写真右)
また、歯磨きの回数ばかり気にする人の方が「磨き癖」に左右される可能性もあるそう。
「歯磨きの回数だけ増やして、磨いた気になっている人や1回あたりの時間が短くなり、細かな部分をざっと済ませている可能性があります。右利きの場合、左は磨きやすいのですが、逆手になる右に磨き残しが出る傾向があります。また、歯並びにより磨きにくところはブラシが届かず、いつも歯垢が残っている可能性も」
では、電動歯ブラシやデンタルフロスなど、道具を使いこなせばそういう癖はカバーされるのでしょうか?
「もちろん、フロスや歯間ブラシなど、歯ブラシ以外のアイテムも使ったほうがベターです。が、気を付けてほしいのは使い方。
たとえばフロスは、慣れていないと歯と歯の間をパチンと力強く通して、歯茎が傷付いたり、出血してしまう事もあります。なので、歯ブラシもフロスも、正しい使い方をいちどプロに習ったほうがいいでしょう。
自己流の磨き方だと磨き癖やブラシがあたっていない部分に気付く事は難しいです。プロに教えてもらう事で、効率的に歯磨きができます!」
道廣さんによれば、個人の持つ性質によっても、ケアすべきポイントが変わるのだそう。
「歯も歯茎も唾液も、その人が持つ性質があります。歯茎が薄く下がりやすい人、唾液がさらさらで虫歯になりにくい人、歯垢がつきやすい人など、さまざま。また、口の中にいる細菌の数や割合も人それぞれ。まずは、自分の口の中を知る事から始めて頂きたいです」
虫歯になりやすい人、歯周病になりやすい人、それぞれの傾向があり、リスクが違います。どれも歯垢が原因になる事が多く、丁寧に磨く事が大切です。虫歯になりやすい人は、フッ素入りの歯磨剤を使用したほうがいいですし、歯周病になりやすい人は、歯と歯茎の境目が磨きやすい毛先が細い歯ブラシを使用したほうがいいというわけです。
「口の中の虫歯菌は、1歳半頃から唾液感染により定着する事が最も多いと言われています。歯周病菌の定着は、10代から本格的に始まります。食べ物や食器についた唾液から、歯周病菌が感染するという情報もあります。いちどリスク検査をした上で、自分のリスクに合わせて歯科衛生士や歯科医などプロのケアを受けてください」
ちょうど更年期に差しかかる40代。婦人科や皮膚、骨の不調などのほか、口の中のケアもプロの知恵を借りて手厚くしていきたいですね!
≪OTONA SALONE編集部 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫
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