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岩井志麻子 なぜ婚活しても「好きな人ができない」のか?

OTONA SALONE / 2019年8月6日 21時0分

「好き」の定義も感覚も表現も、人によって違う。たとえば体重120キロ超えの知人は、「デブは三ケタから。80キロくらいでデブを名乗るんじゃない」と怒っている。

 

言葉の「感覚」は変わるもの

そういう私はがりがりに痩せてた少女時代は、ぽっちゃりは48キロからだった。三十歳なんてすごいオバサンと思ってたし。年齢も体重も五十の半ばとなった今は、三十代はギャルだし、身長にもよるけど50キロとか聞いたら細いなぁと思ってしまう。

 

さて。上京したての頃、たまたま入った美容院で可愛らしい女性美容師に髪を切ってもらいながら、「何のお仕事ですか」と聞かれ、作家ですとはいえなかった。ホラー大賞もらって、本も何冊か出ていたんだけど。まだ私には、何か躊躇いがあった。

 

だけど故郷には一冊も出てないどころか、地元の新聞の読者投稿欄に何度か載っただけで作家を名乗っている友達もいた。だから美容師さんには、作家を目指している主婦だといった。すると彼女は、「私は超のつく読書家」なんていったのだ。

 

「嫌いじゃない」程度でも

だから、当時から愛読していたややマニアックな作家の本の話題を出した。ところが彼女は、その作家を知らないといった。なので、まさに超のつく有名作家の名前と当時のベストセラーの話題を出したら、それも知らないという。

かろうじて彼女が名前を知っていたのは国語の教科書に載っている明治の文豪だけだったが、それすらちゃんと読んでないようだった。

 

彼女の「読書」を「男」に置き換えてみたら、「嫌いじゃない」程度の相手を、「熱烈に死ぬほど愛している」といってしまうようなもんか。

でも、本人の中では真実なのね。逆に作家や編集者には、毎日何冊も読んで活字中毒といっていいのに、「そんなに読んでない」「私の読書量は普通」というのもいるし。これまた、当人は本気でいってる。そもそも本は、読まなきゃならないもんじゃないし。読めば心は豊かになるけどね。

 

好きという「感覚」だって

を好きにならなきゃいけない、ってもんでもないし。好きになれば心は弾むけどね。

自称恋多き女も、「嫌いじゃない」程度を「熱烈に愛してる」といってるだけかもしれない。逆に熱烈に愛してるのに、「嫌いじゃない」みたいにいう人もいる。

好きな人がいないと悩む人がいる反面、強い気持ちを恥じる人もいるので、どちらも鵜呑みにしなくていいよ。

 

 

≪作家 岩井志麻子さんの他の記事をチェック!≫

 

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