1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. カルチャー

バイトで生計を立てる30代半ば年収190万芸人は、何を考えて生きているのか?

OTONA SALONE / 2019年8月18日 19時0分

元国税局職員のさんきゅう倉田です。

吉本興業で芸人をやっています。

日々、お金の知識や情報を集めていますが、その中でも芸人たちのお金事情は大変興味深いと思います。

 

実録!若手芸人のアルバイト事情とは

95%の芸人がアルバイトをしていて、居酒屋やコンビニ、バー、送迎、アスベスト剥がしなど、一般的なものから体調を悪くするものまで様々です。

 

売れていないからアルバイトをしているとは限りません。テレビに出ていない、みなさんが知らない芸人でも、アルバイトをしていないことはよくあります。

 

例えば、ぼくですね。

 

ぼくは芸歴10年目ですが、5年くらい前からアルバイトはしていません。でも、「何のアルバイトをしているんですか」とよく聞かれます。芸人といえば、アルバイトをしながら頑張るイメージがあるので、当然だと思います。

 

ぼくですら、売れていない芸人を見たら、何のアルバイトをしているか気になります。

 

アルバイトをしている芸人の月収は、10万円から20万円で、ボーナスはないので、年収は120万円から250万円です。

 

彼らの収入は簡単に予想できるので、その年収で生活している人が、どのような思考を持っているかが、最も気になります。

 

今回は、年収190万円の芸人に話を聞きました。

 

実録!年収190万円の芸人の思考とは?

さんきゅう倉田「日常生活で気をつけていることなどありますか?」

芸人「(1分ほど沈黙があって)…ないかな」

さ「例えば、飲食店での店員さんへの対応とか」

芸「…ないかな」

さ「優しく接するとか、無理なことは言わないとか」

芸「こっちは客なんで優しくする必要はないし、お金払ってるんでちゃんと対応してもらいたい」

さ「店員さんに、ミスなどがあったらどうしますか?」

芸「むちゃくちゃ切れるよ」

さ「自分にミスが有った場合は、どうしますか?例えば、予約の時間に遅れたり、注文の仕方が悪くて希望のお酒が来なかったりした場合」

芸「別に。謝りもしない。店員なんだから、それくらいいいだろって感じ」

 

少し話を聞いて、胃がもたれてしまいました。

 

ある程度、回答は予想していましたが、それにしても、「やはり、芸人さんだな」と思わせる思考です。

 

「お金を払っている」といっても、それはサービスの正当な対価であって、そこには互いに感謝があって然るべきです。そもそも、アルバイトをしている芸人が行く店なので、大した金額を支払ってもいません。

 

未だに「お客様は神様だ」という、誤った教義を信じているようです。

 

要するに「他人には厳しい」が「自分にはとことん甘い」

自身が、30歳を超えてアルバイトをしていることについて聞くと、「普通だと思ってる」、先輩でアルバイトをしてる人については「がんばってるなあ、と思ってる」。

 

40歳を超えてアルバイトをしている先輩については「お笑いやってたらそういうこともあるなあ、と思ってる」そうです。

 

楽観的です。楽観的でなければ、30歳を超えて何の不安もなくアルバイトなどできないのでしょう。

 

彼の毎日心がけていることや抱負が気になったので、聞きました。

 

ぼくも毎年一つ、身につけたいスキルを抱負として設けて、何も考えずにできるようになったら忘れるようにしています。

 

彼の抱負は「電車の中で席が埋まっているときは、お年寄りの前に立つ」だそうです。理由は、お年寄りは早く降りる傾向が強いから。

 

彼は、電車に乗ったらすぐにお年寄りを探すそうです。

 

仕事や人間関係、スキルアップのための何かではなく、電車で座ることを日々大切にしています。

 

もっと考えるべきことはあるはずですが、他には思いつかないようで、「電車だね、電車」と電車の話をずっとしていました。

 

お笑いで心がけていることは

お笑いで心がけていることをしつこく聞くと、

 

「もはや、運頼み」

 

とたのしそうに言いました。

 

座右の銘は、

 

「努力したものが報われるとは限らないが、成功したものは、みなすべからく努力しておる」

 

で、年に数回、思い出すそうです。でも、努力は決してしません。

 

「努力はそう簡単にはできない。難しい」

 

と名言のようにつぶやいていました。

 

貯金はしておらず、今、手元には10万円しかありません。

 

毎日、なるべく安いものを買います。靴はよくわからないメーカーの物を履き、服は実家からダンボールで送ってもらっています。高いブランドを調べることもしません。

 

「履ければいい、着られればいい」

 

5年前に作った70万円の借金は、毎月利息だけ返済しており、芸人として売れたらまとめて返すそうです。

 

そんな日がくることを願いつつ、今回のインタビューを終わります。

 

≪芸人・元国税局職員 さんきゅう倉田さんの他の記事をチェック!≫

 

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください