40代女性の不調、気づいていない原因は意外にもコレ【ヘルスリテラシー#6】
OTONA SALONE / 2019年9月17日 11時0分
こんにちは。「予防医学」を啓蒙するアンチエイジング医の中村康宏です。健康に関する正しい情報を使いこなす令和時代の概念「ヘルスリテラシー」を伝えています。
50歳を境に、骨粗しょう症が一気に進みます。40代の大腿骨は20%が骨粗しょう症と言われます。60代ともなれば7割に達します。
骨粗しょう症は全身均等に進んでいくわけではありません。大腿骨や背骨はスポンジのようになっていて、中で細い骨が入り組んでいるので、ちょっとずつ曲がったりします。
腕のような太い筋肉に支えられている部分はともかく、クッションのような役割の骨がへこんだり、細かく折れたりしていき、骨格自体がゆがんでいきます。骨密度、骨量は減っていき、骨質も悪くなります。骨は常に新しく作られ、壊されているが、今ある骨がトータルで少なくなっていくのです。
いわゆるAGEを産生する「タンパク質の糖化反応」は骨にも起き、強度の保てるきれいな構造の骨が作れなくなります。また、糖化によるリンパ管の老化がたるみを起こすとも言われます。老廃物が貯まりやすくなり、必要のないところに脂肪を蓄積しやすくまります。
骨粗しょう症対策に摂るべきものは何か?
この対策は、ビタミンDとビタミンKを摂取することに尽きます。
この2つのビタミンはどちらも身体に吸収しやすい活性型になりにくいので、サプリメントか薬で補ったほうがいいでしょう。活性型ならば100分の1の量で済みます。ただし、両方とも蓄積するビタミンで、たとえばビタミンDは摂りすぎるとカルシウム不足を招きますから、量には注意が必要です。
日本人は世界的に見ても高い水準の医療をごく安価ですぐ受けられるため、「何か起きてから病院にいけばいいや、薬をもらえばいいや」と考えがちで、日ごろからのケア意識が低い傾向があります。こうした予防医療は今後進む少子高齢化を鑑みて、みんなが努力していかねばならない分野です。
骨粗しょう症はホットフラッシュなど「更年期」で連想される症状に含まれていませんよね。ですが、脂質代謝異常(高脂血症)、骨粗しょう症などは無症状で進みます。
女性ホルモンの1つであるエストロゲンは、閉経すると急激に減り始めますが、このエストロゲンは脂質の代謝に深く関わっており、エストロゲン値が低下した時点でもう高脂血症や骨粗しょう症のリスクははね上がっています。
更年期から高血圧は連想できる人が多いように思いますが、実は高血圧になるのはこれらの次の段階。高脂血症のほか、糖尿病で血糖値が上がり、血管が硬くなった結果が高血圧なので、高血圧が出た時点で動脈硬化はかなり進んでいます。進行は人によりますが、少なくとも食事は変えないとならない。
更年期を迎えると…
・血中脂質は上がるので、これまでと同じ生活をしてたらどんどん太ります
・ほとんどの人の骨がもろくなるので、骨粗しょう症予防のためにビタミンDとKが必要
更年期の入り口の時期には、みんな先に老眼の進行に気づき、ルチンやテアニンなどを飲み始めますが、トータルで言えば対策はビタミンDとKに尽きます。
よかれと思ってやっていることが実は間違っている可能性もあり、やはり一度は専門家に診断を仰いでほしいものです。
医師・予防内科医・米国栄養士・産業医・MPHホルダー(米国公衆衛生学修士)
中村 康宏先生
米国留学を経て、健康増進・健康防衛のための医療を提供すべく「中村康宏内科クリニック」を京都で開業。その後、日本初のアメリカ抗加齢学会施設認定を受けた「虎の門中村康宏クリニック」を東京で開業。一般内科診療、アンチエイジングを追求する女性への美容医療、外国人の企業検診や訪日旅行客へのヘルスケアサービス、IT企業の社長へジムの運動メニューまで考える「顧問ドクター」、産業医として、企業のメンタルヘルスに関する相談などの予防に特化した医療サービスを提供している。無料相談会も全国各地で実施、ぜひお運びください。
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