佐藤仁美は「サバサバキャラ」だから5歳年下にモテたのか?40代が陥る錯覚
OTONA SALONE / 2019年8月23日 21時0分
テレビの世界に〇〇キャラという言葉は、すっかり定着しています。
〇〇キャラは、実際に〇〇である必要はなく、他人との差別化として使われるものです。
誰がキャラをテレビの世界に用いるようになったのか、正確なところはわかりませんが、私の記憶の範囲でいうのなら、タレント・磯野貴理子ではないかと思うのです。磯野はお笑いアイドルユニット・チャイルズとしてデビュー、バラエティー番組だけでなく、女優業にも進出しますが、それほど個性的な存在とは言えなかったように思います。
元祖サバサバキャラ・磯野貴理子も実はモテていた
転機になったのは、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)で、司会の島田紳助さんにいじられるようになったことではないでしょうか。
前へ前へ出ようとする姿勢や、人の会話に割って入ろうとする貴理子の姿勢を、紳助さんは「キリコる」と名付けます。
貴理子が大騒ぎした後に、「黙っていればいいオンナやねんから、一生口きくな」と紳助さんがフォローを入れ、貴理子は「しゃべりたいけど、モテたい!」と叫びます。この掛け合いが繰り返されることで、貴理子は「おもしろい」「キレいだけど、気取っていない」というイメージを定着させていくことになります。
若いころからひねくれていた私は、貴理子がどれだけ大騒ぎしていても、「彼氏はいるだろうな」と信じて疑っていませんでした。
「敢えて笑われるキャラ」ができあがる理由は?
会ったこともないのに何言ってんだと自分でも思いますが、なぜそう思ったかというと、アイドルや女優などきれいどころジャンルで芸能界入りした女性は「笑われる」ことに対する嫌悪感を持っているのではないかと思うからです。
ずっとモテてきた、かわいいと言われたからこそ芸能界を目指し、アイドルとしてデビューしたわけですから、貴理子とて自意識はそちらよりでしょう。しかし、そんな貴理子があえて「笑われる」ことを選ぶとしたら、そこにはこんな可能性が浮上してきます。
・信頼する人が「あえて笑われることで、前に出ろ」と貴理子に命じた。
・精神的に満たされているので、笑われてもダメージを受けない。
応援してくれる人、甘えられる人がいるから、余裕をもって「笑われ役」に徹することができるのではないかと思ったのです。
さんざんモテないモテない言っていた貴理子でしたが、実はマネージャー(当時)と10年間交際しており、同番組で結婚を発表します。まぁ、ウソをついていたと言えるわけですが、ウソをついて売れた人と、ウソをつかずに売れない人では、前者が評価されるのが芸能界。貴理子はバラエティー番組に欠かせない人材となったのでした。
サバサバ女優・佐藤仁美にもオトコあり
サバサバを標榜するキャラは、モテている。自説を強化するような芸能ニュースが再び飛び込んできました。女優・佐藤仁美が5歳年下の俳優・細貝圭と交際を正式に発表したのです。交際歴は1年だそうです。
佐藤といえば、ホリプロスカウトキャラバン出身の正統派アイドルでありながら、大酒飲み。口が悪くてハタチのころに社長という名前のヒモを養っていたというエピソードを武器に、サバサバキャラとして、バラエティーで活躍。最近はライザップで10キロ以上カラダを絞ったことでも話題になりました。
2019年2月1日放送の「ダウンダウンなう」(フジテレビ系)で、「やせてモテるようになったんじゃないですか?」という質問に対し、「全然ですよ」「連絡が来たの、変な元カレだけ」と非モテをアピールしていましたが、実際は彼氏がいたというわけです。
さて、ここらで考えてみたいのは、サバサバキャラとは何なのか?ということです。
年齢に対する圧が強い日本では、「年を取るとモテなくなる」と多くの女性が信じ込まされています。
「イタい」という言葉をアラフォー女性が恐れるのも「年を取ったら、若いときと同じ振る舞いではいけない」と思っているからでしょう。
なので、年齢が上がるとサバサバキャラにシフトチェンジしようとする女性がいます。若くないのだから、さっぱりした性格で、若い子のように手間をかけさせないほうがモテるという方針転換でしょう。
そういう人にぜひ考えてみてほしいことがあります。なぜオンナ芸人は老いも若きも誰一人として、サバサバ売りをしないのでしょうか。
答えは簡単、サバサバがプラスにならないからです。
サバサバキャラはなぜモテるのか?
私たちは誰もがバイアスをかけて、世の中を眺めています。バイアスのない人はいないでしょうが、バイアスがかかりすぎているとメンタルの病気にかかりやすくなりますので、注意が必要です。
女優やタレントなどの女性芸能人に向けられる思い込みとして、「きれいだから、お高くとまっている」というものがあります。
自分なんて相手にしてもらえないという自己卑下からくるバイアスですが、サバサバキャラを標榜すると、このイメージを打破できるのです。私、女優ですけど、赤ちょうちんも大好きです! 女優は金持ちとつきあうのが当たり前と思われていますが、私はこんなダメ男とつきあってしまいました! こういうサバサバエピソードを披露することで、ビビリな男性視聴者をファンに取り込むことができるのです。
どういう女性がモテるのか、有史以来、女性たちは模索してきました。ぶりっ子とか小悪魔とか、手を変え品を変え、女性は頑張ってきたわけですが、私に言わせるのなら、サバサバも一緒です。敷居を一段低く見せることでターゲットを増やすということですから。
佐藤のニュースにインスパイアされて、ネットで「本当にモテるのは、サバサバ女子」みたいな記事が拡散されるかもしれませんが、サバサバがモテるのではなく、モテるからサバサバがハマるだけ。ここを勘違いして、無理にサバサバを演じると「ガサツな女」になってしまう可能性があります。
私に言わせれば「そんなオンナはいない」、次ページ
サバサバとぶりっ子は敵対関係か?
サバサバを掲げながらも、佐藤は誕生日プレゼントとして、細貝にもらったお酒をツイッターにアップしています。交際1年というオフィシャル報告を信じるのなら、この時期はすでに交際していたわけで、これは匂わせ、もしくは外堀を埋めているという可能性もないわけではない。やってることは案外ウェットではないでしょうか。
そろそろ気づいていいと思いますが、サバサバしたオンナなんてこの世に存在しません。
もちとん、オトコとてサバサバしてはいません。オトコもオンナも自分が大事だし、自分にとって関心があること(例:恋人、仕事や子供の出来、年収)にはネットリします。
ネットリ(関心)と非ネットリ(無関心)を繰り返して生きるのが、人生というやつでしょう。いっつもネットリしていたら病気ですし、反対に常に非ネットリなのは愛する物がない証拠とも言えます。
自分のネットリしている部分なんてまるでないとでも言いたげにふるまうサバサバは、究極のきれいごと好き、つまりスーパーぶりっ子と言えるのかもしれません。
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