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51歳、私はこのままひとりで孤独に死んでいくのかな…【100人の更年期#32】

OTONA SALONE / 2020年4月5日 20時0分

一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

【100人の更年期#32】

プロフィール 51歳。独身。医療情報のPR会社に勤務。
姉は結婚して家を離れているので、郊外で両親と同居し、面倒を見ている。

 

まるで枯れ木のよう?全身が蝕まれていくギシギシした痛み

 

あれが更年期の始まりだったのかは今でもわかりません。

3年前、48歳のある朝、起きると身体に筋肉痛のような痛みを感じました。

 

運動不足かな?くらいにしか考えていなかったのですが、その痛みが毎朝続くようになります。

最初は腰痛から始まり、だんだん腕や肩にも広がり、最後には膝や股関節、足首まで。

 

私は通勤に丸々1時間かかるので、始発の駅から座って行くのですが、会社の最寄駅で降りようとした途端、全身が悲鳴をあげるようにギシギシとした痛みを感じます。

 

ちょうどエキスパンダーで引っ張られるような感じ、自分が両側を引っ張るとエキスパンダー自体は伸びないように抵抗しますよね?

 

筋肉がこわばって次の動きができないんです。

 

帰りはラッシュの時間でどうしても満員電車に乗らざるをえず、人が身体に触れただけで電気が走るような痛みを感じながら毎日を送っていました。

 

社内でも、自分の席からコピー機までの移動が辛いほど。

 

痛みが続く中、桜の季節に友人にあった途端「枯れ木のような動きをしている」と言われてしまったことがあります。

 

痛みのせいで、外から見ても不自然な動きになっていたようです。

 

当時、趣味で「香道」の教室に通っていましたが、正座をしているのがとても辛い。長時間、同じ姿勢をとっていざ立ち上がろうとすると膝がガクガクして立ち上がれないのです。

 

そんな姿を見た友人に「生まれたての子鹿」と言われてしまいました。

 

中途半端な知識が逆に自分を追い詰めることに

 

健康で病院にかかったことのないのが自慢の私でしたが、さすがに耐えかねて、内科、婦人科を受診しました。ですが「年齢のせい」と軽く一蹴されました。

 

困り果てて大きな病院を紹介してもらい、精密検査も受けました。そこでも異常は見当たりません。体を温める漢方と痛み止めを処方されて終わりました。

 

痛みに耐えていると冷静な判断はできず、「きっと難病に違いない」と頭が悪いほうに考え始めました。

 

「筋肉がうごかなっていくASL(筋萎縮性側索硬化症)だったらどうしよう?」

「線維筋痛症なのではないか?だったら脳を調べないと!」

「筋肉じゃないのなら関節?リウマチか膠原病?」

 

なまじ病名を知っているのが悪かったですね、どんどん不安になっていきます。

 

病名が確定すれば痛みを受け入れ、自分を安心させて納得できるんじゃないか……?と、必死の思いで大学病院の女性外来に通いましたが、やがて月に一度の通院すら苦痛になり、足は遠のきました。

 

体の痛みと仕事のストレスで「ワイン毎晩1本」あける日々

 

痛みと闘い始めた頃、会社の体制が代わり私も部署を異動することになりました。慣れない仕事が増え、クライアントと社内の調整が一番のストレスに。

 

新しい上司は「目に見える結果」を厳しく追求する方針で、それまでチームの和が第一だった私はそう簡単には思考を変えられません。「いつまでこの仕事を続けられるだろう?明日はどうなっているかわからない」という不安が付きまといます。

 

痛みとストレスを解消するために帰宅してから飲み始め、気がつくと毎日のようにワインを1本あけるという生活になっていました。

 

酩酊してストレスをやり過ごす暮らしが1年も続いたころ、このままではアル中になってしまうと危機感を覚えます。結局は上司と面談した上で部署を移動させてもらうことになりました。

 

結局、体の痛みは解消せずじまい。

 

「痛みは自分にしかわからない」と自分に言い聞かせ、会社員としてなるべく平静を保ち、心を乱さないよう心がけました。自分の生活を守るためには痛みに目をつむって淡々と過ごすしかなかったのです。

 

体ではなく心を動かす「セルフ対症療法」が意外に効いた

 

それでもいくつか、自分で「少し楽になる」と思えた方法があります。

 

あるとき、ボトル1本開けていたワインの量を減らし、輪切りのレモンとハチミツをたっぷりいれた飲み物を自分で作り体を温めるようにしました。

 

また、休日になると毎週のように「心を動かす活動」に精を出すことにしました。

 

展覧会や美術館などを訪れ、3周回るんです。

 

1周目は見ることに集中し、2周目は作品のキャプションを読む、3週目は自分に念押しするかのように、高尚なものに触れてなおかつ体も温まるように自分のペースで動くようにしていました。

 

特に芸術に詳しい訳ではないのですが、鬱屈して痛みに耐えながら仕事をする毎日とのバランスを取りたかったんだと思います。こういうことくらいしか緩和する方法がなかったのです。

 

51歳、痛みは少し軽くなったけれど、ブラが止められない…

 

全身の痛みにおののいていた時期から3年経ちました。枯れ木のような、虫食いされるような、体を引きずって歩く痛みからは少し解放されました。

 

あまりにも強い仕事のストレスと更年期障害のピークが重なり、正体不明の全身の痛みが出ていたのかもしれません。

 

汗、のぼせ、めまい、と言った世間で言われている一般的な更年期の症状がなかったこともあって、この虫食いのような痛みが更年期の症状だとは、当時全く思いませんでした。

 

50歳の秋頃に、2回連続で大量の生理がありました。その後、生理が来ていないので「年齢的にも終わったのかな?」と思っています。

 

51歳のいまは「五十肩」で左腕が肘よりも上に上がりません。後ろにも腕が回らず、動かすと刺されたような痛みがあります。

 

ブラジャーのホックもバストの前で留めてからぐるぐると後ろに回してから息を止めてそっと肩ひもを通す。本当に情けなくて人には見せられない姿です。

 

精神的に追い詰められる。ひとりぼっちで死んでいく私

 

最近は精神的にも落ち込むことの方が多くなりました。

 

年齢的にもガツガツと仕事に取り組めない自分は会社に必要だろうか?

 

老いていく両親を見ながら「ひとりぼっちになったらどうしよう」という親をなくす恐怖感と、この先の人生への孤独感に苛まれることが多くなりました。

 

若いうちから割と趣味を多く持ち、旅行や美術館めぐり、ダンス、香道、カメラなど一人で楽しむことが大好きだったのに今は気力が沸きません。

 

健康が自慢で過ごしていた30代のころ、会社の上席の男性を見ては「この人たちは何の役に立っているんだろう?」くらいに思っていたのに、今は自分がその立場にいるような気がしてなりません。

 

この先あの時のような快活さを取り戻すことはないのかな?

 

毎日不安と抱えながら会社と自宅の往復のみ。

 

48歳のとき、都内の共通美術館券を買って「何が何でも土日は東京に出る」と活動的に過ごしていた日々が懐かしくさえ感じる日々を送っています。

 

【100人の更年期】

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≪肌育美容家 今泉まいこさんの他の記事をチェック!≫

 

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