時短ご飯は糖質とりすぎの危機!医師が教える「老化を防ぐ6つの食べ方」とは
OTONA SALONE / 2020年6月20日 16時0分
こんにちは。「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
この連載では、人生100年時代の折り返し地点、50歳になる前にやめたい悪習慣についてお伝えしていきます。
在宅時短料理で、そうめんやうどんなどの麺類の登場頻度が増えていませんか?
このままでは、夏老け・夏バテ・夏太りまっしぐらかも知れません。ちょっとの工夫で予防しましょう。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#31】
そうめん、うどん、パスタに頼りすぎてない?夏バテ・夏老け・夏太り
ちゃっちゃと茹でで、すするだけと、クイックに調理し、クイックに食べられて人気のそうめんやうどんなどの麺類。袋麺であれば、ざざっと洗うだけと、さらにお手軽です。
やることはわんさかあるのに、三度三度の食事作りを毎回丁寧に、とはいきませんから、頼る気持ちはわかります。
それだけでなく、パンやおにぎりなど、手軽に安く食べられる炭水化物がついつい増えてしまいがちです。
ただし、そのまま続けてしまうと、夏老け・夏バテ・夏太りの原因になってしまうため、ちょっと工夫してみたいのです。
炭水化物の摂り過ぎが老化の原因に
炭水化物を工夫なく、たくさん食べると、まずは、老化の原因になります。
白い小麦や白米など、精製された白い炭水化物は、糖尿病でなくとも食後の血糖値を上げています。
すると、余った糖分が、「糖化」という老化の原因になる現象を引き起こします。
糖化とは、いわばドロドロのキャラメルのような糖分が、体中のタンパク質にくっついて、「最終糖化産物(AGEs)」という老化物質となってしまい、働きを妨げます。
怖い!シミしわや代謝低下も引き起こす
皮膚の張りを保つコラーゲン、シミを防ぐメラニン分解酵素、エネルギーを作り代謝を上げるミトコンドリアの酵素など、体のあらゆる働きは、タンパク質の働きです。
肌の老化、代謝の低下、動脈硬化、骨粗しょう症、アルツハイマー病なども糖化が原因の一つです。
炭水化物オンリーの食事が夏バテ・夏太りの原因にも
炭水化物が多過ぎると、夏バテの原因にもなります。
夏バテの原因は、電池切れ。
ミトコンドリアの代謝が回らず、エネルギーが作れなくなるため、疲労、倦怠感、集中力低下、また、基礎代謝の低下から脂肪が蓄積しやすくなります。
この原因となるのが、ビタミンB1の不足。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーにするときに体で消費されます。
一方、ビタミンB1は、穀物の胚芽の部分に含まれますので、精製された穀物では摂れませんから、白い炭水化物を摂れば摂るほどビタミンB1不足になっていくことに。
でも大丈夫!ごく簡単な6つの工夫で予防しましょう
ちょっとのひと工夫で、血糖値の上昇を抑えて、不足しがちなビタミンB1も補って、夏老け・夏バテ・夏太りを防ぎましょう。
1▪️具なしはダメ!「手軽にたっぷり繊維」をプラス
そもそも、具なしは最悪です。
海藻、キムチ、もやし、トマトなど気軽にオンできる具をプラスしましょう。
これらはいずれも、食物繊維を含むので、血糖値の上昇をなだらかに。
さらに、海藻は、エネルギー代謝をサポートするミネラルが豊富です。
タンパク質もあれば、バランスが良くなります。茹で卵やシラス、納豆などは簡単に乗せられますね。発酵食品は、ビタミンB群が豊富です。
2▪️果物より、ナッツや豆製品をセレクトして
果物にも食物繊維が含まれるからOKと考えがちですが、果物には、ブドウ糖や果糖、ショ糖(砂糖)も含みます。
糖分を含むので、炭水化物で十分糖分を摂っているのに、さらにプラスすると糖質が過剰に。
食物繊維は、野菜、海藻、豆類、雑穀、ナッツ類などで摂ることを考えて下さい。
おやつには、ナッツや豆製品を。
3▪️おかずをプラスするなら「昔ながらのおかず」系を
お惣菜を買って中食をする場合、麺類だけにはしないように何か、おかずをプラスしたいところです。
お勧めは、ひじきや海藻サラダなどの海藻類、おからやナムルなど食物繊維が豊富なお惣菜です。
4▪️寒天粉が本当に頼れる!水溶性食物繊維を気軽にプラス
食物繊維をプラスするのに使えるのは、寒天粉です。
ご飯を炊く時に、1合に1gを目安に入れると、食物繊維がプラスできます。
ドラッグストアで手に入る、顆粒状の水溶性食物繊維でもOKです。
麺類は、汁に入れて飲み干すと塩分過剰になるため、飲み物に混ぜて一緒に飲めばと良いですね。
5▪️うどん、そうめんより「蕎麦」を選んでみて
うどん、そうめんなど精製された炭水化物より、蕎麦がベターです。
蕎麦粉は、未精製で、ビタミンB1や食物繊維が豊富です。
十割でなければ小麦粉が混ざっており、袋麺の多くは、ほとんどが小麦で蕎麦粉は少量。乾麺の方が蕎麦粉の割合が多めの傾向です。
理想的には小麦粉が混ざらない十割蕎麦は、慣れると味が濃く美味しく感じます。
6▪️雑穀米や全粒粉にチェンジして、ビタミンB群を補う
ご飯であれば、雑穀米。麺類であれば、全粒粉にすると、ビタミンB群や食物繊維が含まれています。
ただし、輸入小麦は、プレハーベストによって除草剤(グリホサート)の残留率が高いことが懸念点です。農林水産省の調査では、アメリカ・カナダの小麦9割以上に残留があります。特に、全粒粉の方が、除草剤が残留しやすいのが問題です。
国産小麦のものを選ぶ、オーガニックのものを選ぶなどの工夫で避けることができます。
無意識に食べると、夏老け・夏バテ・夏太りの原因になる炭水化物ですが、ちょっとの知恵でヘルシーにお付き合いしていきたいですね。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」、週1回、土曜の夕方に配信!】
文/内科医・認定産業医 桐村里紗
tenrai代表取締役医師。1980年岡山県生まれ。2004年愛媛大学医学部医学科卒。内科医・認定産業医。治療よりも予防を重視し、「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、新しい時代のヘルスケアを様々なメディアで発信している。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」他メディア出演多数。著書『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学』(光文社新書)他。
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