藤原紀香はなぜ「絶妙にイタい」のか?その履歴に見る理由

OTONA SALONE / 2020年8月21日 21時0分

女優・藤原紀香が23年ぶりに「ダウンタウンDX」(日本テレビ系)に「関西ええオンナ大集合」の回に出演。こりゃ、見ないわけにはいかないでしょう。

 

メンバーは紀香を中心に、久本雅美、坂下千里子、ミラクルひかるなど関西出身のバラエティー猛者ばかり。

 

紀香を持ち上げながら、ちゃちゃを入れる構図がこの時点で予想できるわけですが、26歳の紀香と久本の過去映像が流れたときに、時代の変遷のようなものを感じてしみじみしたのでした。

 

かつて紀香は「美の女神」として、民衆を導いていた

過去映像では、紀香と久本が近い距離から卓球の球を投げて相手に当てるというゲームをしていました。

 

が、久本に球を投げるときにはっきり聞き取れなかったのですが、紀香は「ブス」とか「クズ」というような言葉をかけます。

 

それを久本が「ちょっと待って、今、ブスって言わなかった?」とつっこみ、「見たれ、ブスパワーを」という言葉と共に球を投げるのですが、紀香に当たらないという「いいオチ」がつくのです。

 

今から23年前、1997年当時のバラエティーでは「ブスVS美人」という構図が好まれ、ブスが負ける(久本の投げたボールが当たらない)ことが望まれていたということでしょう。

 

念のため申し添えますが、久本がブスとかそういう問題ではなく、「そういう役」を担う人が必要だったということ。

 

芸能人の仕事を1分1秒でも長くテレビに映って顔と名前を売ることと仮定した場合、ブス役を引き受けることで、より長くテレビに映れれば「芸能人として」おいしいでしょう。

 

ただし、これはプロの論理で、視聴者には「ブスはいじめられても仕方ない」「美人は性格が悪い」という刷り込みにつながっていくおそれがあります。

 

その努力を隠そうとしない姿が尊敬を集める

「美人は性格が悪い」という決めつけにあらがおうとしたのかどうかは不明ですが、紀香は「紀香バディ!」(講談社)で美を保つために使っている商品を紹介しています。その量が半端じゃない。もちろんエクササイズや食事制限も欠かしません。

 

当時、女優さんは「美を保つ秘訣」を聞かれても「何もしてません」と答えるのがフツウでした。

 

が、紀香は「美の内側」を積極的に見せることで「あんなきれいな人も、こんなに努力している」と一般人に印象付けました。その正直さや努力する姿勢に好感を抱く女性は多かったと思います。

 

イメージとしては、ウジェーヌ・ドラクロワの絵画、「民衆を導く自由の女神」です。旗を振っているのが紀香だとお考えください。

 

だが「努力する人」は結果を出さないと笑われる

一般的に女性は努力家だと思いますし、努力を好むと思います。

 

当然、紀香のような努力家は尊敬されますが、「努力しているから、エラい、すごい」という愛され方には盲点があります。「結果を出さないと笑われる」というリスクをはらんでいるのです。

 

たとえて言うと、高校時代にめっちゃ勉強しているアピールをするのに、テストの点数はそうでもないというクラスメイトが一人くらいいたと思います。

 

結果を出さない努力家は「あの人なんであんなに頑張っているのに、ああなんだろう」と言われてしまう可能性があるのです。

 

紀香の2つの側面を挙げましょう。まず結婚面。紀香はお笑い芸人・陣内智則と結婚していましたが、陣内の浮気が原因で離婚しています。日本は「オトコが浮気をするのは、オンナが至らないから」という考えが強い国ですから、「あんなにキレイで努力もしてるのに浮気されてるって、どういうこと?」と思う人もいたでしょう。

 

今ではめっきり聞かなくなりましたが、「勝ち組」「負け組」という二元論的な考え方も強い時代でした。結婚している人は「勝ち組」、離婚経験者、独身、子どものいない人は「負け組」とみなされていました。

 

「負け組」という強いバイアスがかかっていますから、このグループに属している人は、どんなに努力しても「イタいw」と笑われてしまうのです。

 

もう一つ、仕事面。紀香と言えばあの作品というような、女優としての当たり役や代表作がないのも、笑われる一因になったと思います。

 

しかし、努力の人、紀香はこれでは終わらなかった。歌舞伎俳優・片岡愛之助と再婚し、現在は梨園妻と女優業を両立しています。

 

「人生最高レストラン」(TBS系)に出演した愛之助は、家のことは何もやらないでいいと紀香に言われていること、紀香が分刻みで仕事をこなしていること、遅く帰ってきても嫌な顔せず、食事を作ってくれるなど、よき妻たらんとする紀香の努力家な一面を告白していました。

 

紀香全力の「似てないモノマネ」で判明する「お育ち」

ここでしっとり梨園妻でいればいいのに、どバラエティー「ダウンタウンDX」に出演した紀香。

 

コミカルな面を出したかったのか、関西限定CMソングを歌うも共演者が一緒に歌ってくれなかったり、モノマネを披露していましたが、はっきり言って滑っていた。というか、ミラクルひかるというプロ中のプロの前でモノマネをしなくても、ねぇ。

 

共演者は、バラエティーの強者ばかりですから、紀香が大したことを言わなくても彼女たちが絶対に盛り上げてくれるはず。だから、本当に笑いがほしければ、おとなしくしてるほうがいいのです。

 

それなのに、紀香は自分で全力で笑いを取りに行って滑っている。

 

ここが紀香の「らしさ」であり、この瞬間、私は紀香のプロフィールをウィキペディアで調べて納得したのです、この人、やっぱり女子校出身だと。

 

なぜ女子校育ちは全力でスベりにいくのか?その背景

いいオトナが学校の話をするのは何ですが、女子校が長い人というのは、私を含めて独特の特徴があるのではないかと思っています。

 

私は会社員時代、女性ばかりの集団で仕事をしていたことがあるのですが、テンポが合うというか、次に何をするかが予測できるのは、だいたい女子校出身の先輩たちでした。

 

私の知る女子校出身者は「実力のある人ほど、全力でふざける」傾向が強い。これはおそらく、平和を維持するためだと思うのです。

 

階級をはっきりつけて上下関係を作らないためには、上位のものがあえてバカなことをしたほうが和むのです。

 

紀香が女子校体質だとすると、梨園妻というのはすごく合ったポジションだと思うのです。なぜなら、梨園は男性と女性の仕事がはっきり分かれた男女別の世界だから。

 

舞台に上がるのは男性ですが、それを支えるのは女性の仕事です。

 

女子校気質の女王が梨園妻としてサイコーであるこれだけの理由

紀香が他の梨園妻を「お姉さま方」と呼んでいたことがあります。

 

歌舞伎界全体は自分の家はもちろん、他家の女性同士のつながりがある女子校みたいなものではないでしょうか。

 

伝統芸能の世界というのは男尊女卑と言われがちですが、男性の地位が上がれば女性も同じような扱いを受けるわけですから、努力家にはもってこいの世界でしょう。

 

その昔、皇太子妃だった雅子さまが記者会見で「人生は落ち着くところに落ち着く」と仰ったことがありますが、まさにそのとおりで、紀香は自分が向いている世界の人と結婚したなと思います。

 

でも、バラエティー出演はもういいよ。

 

かつて「徹子の部屋」(テレビ朝日系)で、「ドジだから、ハンドバックを持っていくの忘れちゃった」とボケたところ、黒柳徹子に「いつも付き人に持たせてるからじゃない?」とつっこまれていた紀香。これくらいの笑いが、お似合いな気がします。

 

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