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私だけがチームでオバサン、悲しくて泣いてしまう

OTONA SALONE / 2020年9月20日 20時0分

閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

【100人の更年期#40】

Profile
黒澤雅子さん 53歳 大手化粧品メーカーに30年以上勤務し、00年4月にバイオ企業ユーグレナに転職。新規創設された商品PR部門を担当する。東京都内在住、結婚10年目の夫は7年単身赴任中。

 

47歳、「悲しみ」で胸が塞がるようになった

30年以上、化粧品メーカーに勤務していました。美容部員を経て本社に異動、教育部門を担当し、その後はほぼ商品開発部門でした。

 

開発はおおむね1年スパン。半年に1回新しい商品のコンセプトを作ります。新商品はヒットしなければ消えていくので、プレッシャーは大変なものですが、ものづくりのやりがいは何にも代えがたいものです。徹夜が続いても気力で乗り越えられましたが、46、47歳ごろかな、感情の振れ幅が急に大きくなり、仕事の場で泣いてしまうようになったのです。

 

本来仲間のはずのチームに反論されると、なんで?と悲しくなり、鬱々としてしまう。それまでなら冷静に、これはこういうことだよと説明できたのに、悲しい感情がもくもくと心の中に湧き上がってきて、胸が塞がります。もういい……なんでわかってくれないんだろう……という気持ちが抑えられず、涙が流れてしまうのです。

 

チーム内で「私だけがオバサン」の孤立感

更年期世代は皆そうだと思いますが、自分の年齢が上がったというのも仕事上でギャップを感じる理由の一つでした。

 

商品ターゲットの若い世代から自分が離れていき、武器だった自分の主観が通じなくなっていく。

 

どこへいっても私がほとんど最年長ですから、穏やかなチームのムードメーカーの立場から一転して「またオバサンが何か言ってる」と思われる立場になりやすい。気を遣わせる存在になったことを人一倍辛く感じました。

 

49歳の頃、ついに蕁麻疹が出るようになりました。もう私の気の持ちようだけでなく、何かがおかしいですよね。やがて、苦手な人から話しかけられるだけで蕁麻疹が出るようになりました。仕事に打ち込む気持ちに身体がついていかなくなったのです。

 

「晴れ渡る気持ち」のホルモン療法、私は受けられない

そんなふうに気分が落ち込むことを52歳の先輩に話したところ、婦人科を勧められました。彼女はホットフラッシュが強く出ていましたが、「ホルモン補充療法のジェルを塗ると、気分が晴れ渡るよ。全然違うよ!行きなよ!」。

 

事実、それまで一緒になってグチグチ言っていた彼女が、治療を境に傍目で見ても激変して、晴れやかな表情に変わったのです。

 

きっと私もあんなふうになれる!と期待して、勧められた婦人科に行きました。でも、検査の結果、私のホルモン値はまだ十分で、プレ更年期ではあるけれど深刻な状態ではないよ、補充療法は対象外ですと言われてしまったのです。

 

閉経、そして一層強まる不安感。私はどうなってしまうんだろう

50歳を越えた頃に最終月経を迎えましたが、今度は不安感が強く出るようになりました。

 

たとえば会社で打ち合わせをしている最中、なんとも言えない不安感がもわっとこみ上げてきて、ドキドキしてきて、泣いてしまう。

 

夜、ベッドに入ってからも、今日はあの言い方まずかったかな、悪いことをしたなと鬱々としたり、何もないのに胸がドキドキして漠然と不安なまま寝付けない。

 

不眠は悪化する一方で、ついに心療内科に飛び込み、寝付きをよくする薬を処方してもらいましたが、全く効きません。仕事は企画職ですので、今日はここで終わりという切れ目はありません。むしろ今日と明日の区切りもなく、夢にまでずっと仕事が出てきて、その日その日をなんとかやりすごしていく自転車操業状態。眠れない、身体も動かない、頭も働かない。

 

追い詰まった結果、私はついに一つの結論にたどり着きました。

 

「私はもう十分働いたな」。

 

半年はゆっくりするつもりが、ユーグレナと運命の出会い

こう考えたらあとは早かったです。ちょうど2019年の暮れでした。来年は2020年のオリンピック、世の中も新しくなるのだから、この節目に私も新しいことをしようと決意し、年度内での退職を決めました。次の仕事も決めず、半年くらいはゆっくり休もうと思っていました。

 

ところが、年度末になってみると世の中はコロナ禍。ハローワークで手続きをしようにも、病気が怖くて行けません。手続きもできず、私は本当にどうなってしまうんだろう。不安。不安。もちろん病院にも怖くて行けなくなりました。

 

ですが、私は退職し、夜無理に寝て朝起きる必要もない立場。もう眠れなくてもいいかなと、不眠の薬、自律神経を整える漢方など、飲んでいた薬のいくつかを止めることにしました。

 

ちょうど退職したばかりのタイミングで、かつての後輩からユーグレナに誘われました。もらったサンプルを期待せずに試してみましたが、私の不調にぴたりとくる手応えです。

ユーグレナは、ワカメと同じ藻の一種です。5億年前から存在し、植物と動物、両方の特徴を持つ、不思議な生物。野菜、肉、魚が持つ、人が必要な栄養を59種も有することで話題のクリーンフードです。その特徴を生かして健康への応用研究が進んでいます。

 

私の不調はまた、多くの人が健康のために気にかけるのと同じ、「栄養」「活力」「健康をまもる力」をそれぞれバランスよく考える必要がありました。私は自力ではバランスが取れない状態になっていたんですね。

 

これら3つがお互い影響し合っていることに着目し、個人だけでなく地球の今と未来の健康を考えているユーグレナの理念が腑に落ちて、トントンと話が進み、退職して2ヶ月後には、未経験のPR業務に飛び込むことを決めていました。

 

不調は減らすことはできても、ゼロにはできない

結局私は、運動を始めたり、食事を改善したりする王道の更年期ケアではなく、自分を追い詰める環境を劇的に変えるいちばん大きな手段、転職で対処しました。

 

ですが、不眠も不安も蕁麻疹も、ゼロにはならなかった。新しいことにチャレンジしてすごいですね、楽しいですねと言われますが、実のところは不安しかありません。

 

なのですが、これ以上自分を責めるのはもうやめようと思っています。しょうがないよね、更年期だから。

 

周囲の先輩方を見ると、この鬱々が続くのは50代だけで、60歳になるとみんな元気いっぱい。念願の葉山の海沿いに引っ越してリゾートライフを楽しむ人もいれば、単独のコンサートを開く人もいて、それはもうイキイキと過ごしているんです。

 

私があと何年この更年期と付き合うのかわかりませんが、いずれ先輩方のように晴れ渡る日が来るのを楽しみにして、これから不安ながらも新しい仕事に打ち込んでいきます。

 

≪OTONA SALONE編集部 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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