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このニオイがしたら要注意?医師が教える「ストレスで悪化する」ニオイ対策

OTONA SALONE / 2021年1月9日 16時0分

「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。

 

新年も引き続き、ストレスフルな状況が続きますが、ストレスは加齢臭を通り越して「老人臭」を発生させるってご存知ですか?

 

年齢問わず、誰にでも発生する可能性があります。家族からこんな臭いがしたら、注意してください。

【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#55】

「ウッ!」思わず顔をしかめる「老人臭」

家族に久しぶりに会うと「ずいぶん歳をとったなぁ……」と感じるものですが、最近ショックだったことは、父親から強烈な「老人臭」がするようになったことです。

 

私の父親は、もう70歳を超えていますので、カテゴリー的には「高齢者」に分類される年齢です。

 

皮脂が原因となる加齢臭が発生するのは50歳を超えたあたりからですが、少しずつ枯れてくるにつれて、加齢臭は減ってくるため、むしろ体臭は気にならなくなっていました。

 

ところがここ1年〜2年くらい、少しずつこれまで感じたことのない体臭が漂い始めていました。そして、ついに、はっきりとした「老人臭」が発生するようになりました!

 

鼻をつく老人臭の正体は「アンモニア臭」

老人臭とは何かと言えば、要するにおしっこのニオイです。汗にアンモニア臭が混ざるようになるので、体臭がおしっこのようなニオイに変化します。

 

年齢と共に、お下のキレも悪くなりますが、下着に尿が付着するから臭う訳ではありません(人によってはその要素がありますが)。

 

年齢と共に肝機能が低下するために、体内で発生したアンモニアを無臭で無毒な尿素に分解することができなくなり、溢れたアンモニアが汗に混ざるようになってしまうのです。

 

お酒や薬…普段から「肝臓に負担」をかけている人は要注意

加齢現象によって肝機能の処理能力が低下すると誰でも発生しやすくなります。

 

それだけでなく、普段からアルコールを飲んだり、複数の薬剤を飲んだりして肝臓に負担をかけている人は、より注意が必要です。

 

若い人でもリスクはある!「おしっこ臭い汗」に気づいたら

若くても、汗がおしっこ臭くなることがあります。

 

それは、ストレスや疲労です。

 

ストレスが高まり疲れが溜まると、体は敏感に反応し、汗の中にアンモニア臭が混ざりやすくなります。ストレスと疲労は、肝機能を低下させるために発生するのですが、高齢者だけでなく、誰にでも起こります。

 

これらは、「疲労臭」と呼ばれますが、これは老人臭と同じメカニズムで発生する同じニオイなのです。

 

もし、家族から「おしっこ臭いニオイ」がすると気づいたら?

自分の体臭の変化は、自分では気づきづらいものです。

 

ところが、アンモニアは割と強烈なので、家族ならば気づきやすいでしょう。衣服やファブリックなどにもアンモニアが残り、時間が経つとより強烈な鼻を突くニオイになります。

 

高齢者はもちろんですが、まだ高齢者と言えないような家族の体臭がアンモニア臭に変化したら、よほど、ストレスや疲労が蓄積した状態と考えて体を休め、いたわるようにしたいところです。

 

まずいたわるべきは「腸と肝臓」。何を食べればいい?

アンモニアを無毒化・無臭化するのは肝臓ですが、アンモニアを発生させるのは、腸内細菌です。

 

ある種の腸内細菌が、食事に含まれるタンパク質の中を分解して、アンモニアを腸内で発生させ、それが体内に吸収され、肝臓に運ばれて、安全で無臭の尿素に転換されます。

 

■アンモニアを増やす生活習慣

  • 過剰なタンパク質:肉や卵などの食べ過ぎ
  • 腸内環境の悪化
  • 肝機能の低下:アルコールの飲み過ぎ、肝臓に負担をかける薬剤の常用、疲労、ストレス

これらを避けることです。

■アンモニアを減らす生活習慣

アンモニアを増やさないためには、まず、過剰なタンパク質やアルコールなどを控え、疲労やストレスを蓄積しないことです。
その上で、積極的に摂取したいのは、

  • ラクチュロース
  • 腸活:食物繊維をしっかり
  • オルニチンやグルタチオン

ラクチュロースは、乳由来の合成のオリゴ糖です。

肝硬変患者さんのアンモニアを減らすために医療用としても処方されるものですが、一般的に使える甘味料としても販売されています。腸内のアンモニアを捕捉し、腸内環境を改善することで血液に吸収されないようにします。

便秘にも効果的ですが、お腹の張りや下痢も起こりやすいため、少しずつ様子を見て使いましょう。

 

腸内環境が改善し、ビフィズス菌や酪酸菌などの有用菌が増えると、アンモニアが発生しづらくなり、体内にも吸収されづらくなります。

総合的に腸活は大切で、特に食物繊維を含む野菜や海藻類、キノコ類などをもりもり食べると良いですね。

 

肝臓の代謝を助けるには、オルニチンやグルタチオン(システインペプチド)などの成分が役に立ちます。オルニチンはシジミに含まれることでも有名ですが、サプリメントでないとなかなか十分な量は摂取ができないものです。

 

ぜひ、ニオイには敏感に!体内の変化が早期に感知できます

体内の変化はなかなか見える化できないものですが、ちょっとしたニオイの変化であれば、周りの家族が早期に感知することができます。

体臭は、体内環境の変化によって発生するものですから、悪い変化であれば侮ることはできません。

老人臭や加齢臭は、肝臓や腸内環境悪化のサインと考えて、生活習慣を改善してみてくださいね。

 

≪内科医・認定産業医 桐村里紗さんの他の記事をチェック!≫

 

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