ほてってボーッとするのに、手足は氷のように冷たい…更年期の「冷えのぼせ」対策は?
OTONA SALONE / 2021年1月7日 17時0分
「顔はほてるのに足は冷えてつらい」「冷えのぼせでぐっすり眠れない」。40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?
日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの影響でさまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。
更年期にみられる不調のひとつに冷えのぼせがあります。冷えのぼせでは、手足は冷えるのに、顔や上半身はのぼせやほてりを感じることが多いです。
今回は、更年期の冷えのぼせの症状や改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期の歩き方(9)
46歳、冷えのぼせが原因で体調不良になり…
事務職として社内の備品管理の仕事をしているHさん(46歳女性)は、ご主人(48歳)と中学1年生の息子さんの3人暮らしです。
生理は順調で生理痛もひどくありませんが、もともと冷え性だったHさん。半年ほど前から、顔がのぼせたように熱くなり、急に滝のような汗をかくことが増えてきたそうです。
「顔はほてるのに夏でも手足は冷たいまま。仕事中は下半身が冷えないように一年中ブランケットが手放せません。さらに肩こりも悪化して気が滅入る毎日……」。
そんなHさんに追い打ちをかけるような出来事が起きてしまいました。
「冷えだけでもつらかったのに、のぼせが加わるようになってから、すっかり体調が悪くなってしまって。まるで自分のからだじゃないみたいです。肩こりもひどいし、寝つきも悪くなって困るように」。
体調は悪いという自覚はあっても、冷えやのぼせの症状だけでは何科を受診したらいいかわかりません。そのうちよくなるかな、と軽く考えていました。
「でも、肩こりの悪化で長時間のパソコン作業がつらいし、さらに、睡眠不足や顔のほてりでぼーっとしてしまうために集中力が落ち、仕事にも支障がでるようになってしまい……」。
とにかくミスだけはしないようにと細心の注意を払っていたHさんですが、先日、大事な伝票処理をうっかり間違えてしまいました。
その日の前日の夜は足先が冷えてずっと眠れず、当日の朝から肩こりやのぼせがひどく、体調が悪かったそう。
「ベテランといっていい年齢の私にとって、痛恨の凡ミスでした。でも、仕事のミスを体調不良のせいにはできず……言い訳をするのも嫌いなので、ただひたすら謝りました」。
体調不良を放置した結果、会社にはもちろん、取引先にも迷惑をかけてしまったHさん。
「もっと気をつけられたはず、と自己嫌悪だったのですが、そんな中で後輩たちが『Hさんって、最近ミスが多くて困るよね。そろそろ引退じゃない?』話しているのを聞いてしまって……精神的にもひどく落ち込んでしまいました」
病院ではどの科を受診すればいいの…?
どうにかして体調を改善したいHさん。冷えやのぼせでは何科を受診したらいいかわからないので、まず肩こりを改善しようと整形外科を受診したそうです。
すると、受診したクリニックの医師が漢方に詳しく「肩こりも冷えのぼせも漢方的に考えると原因は同じですね。更年期によくある症状ですよ」と言われて驚いたそうです。
冷えのぼせという言葉も知らなかったHさんは、年齢的にも更年期はもっと先のことだと思っていたので医師の言葉は少しショックだったそうです。でも「原因がわかれば体調もよくなるはず」と希望を感じ、処方された漢方薬を試してみることにしたそうです。
更年期の冷えのぼせの症状や原因とは?
冷えのぼせは、からだに冷えとのぼせが共存する状態です。下半身は冷えるが上半身は冷えを感じない、もしくはのぼせる、暑くなるという方が多いです。
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。40代後半から50代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。このホルモンバランスの乱れが自律神経を不安定な状態にするため、血液循環が悪くなり冷えのぼせが引き起こされます。
冷えのぼせ以外の更年期の症状は?
ホルモンバランスの乱れが原因となって自律神経が影響をうけるため、更年期には冷えのぼせ以外にも以下のような不調が起きることがあります。
- 肩こり
- 頭痛
- イライラしやすい
- 不眠
- 動悸
- めまい
更年期の不調には漢方がよく効きます
「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「冷えのぼせを生じない体質になりたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
とくにホルモンバランスなど、からだ全体のバランスを整える事を目的とした漢方薬は女性の味方ともいえます。
また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な「体質の改善」を目指したい方、「薬でつらさや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す」とお悩みの方にも、ぜひ試していただきたいお薬です。
さらに、健康のために、栄養バランスのととのった食生活や、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。
漢方医学を日常生活に取り入れることで、健康で快適な生活をめざしてはいかがでしょうか?
<冷えのぼせの方におすすめの漢方薬>
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):月経不順や月経痛や肩こりも気になる人に。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやホットフラッシュも気になる人に。
- 五積散(ごしゃくさん):胃腸が弱い、月経痛や神経痛も気になる人に。
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
つらい冷えのぼせを根本から改善しよう!
「顔はほてるのに足先は冷える」
「冷えのぼせがひどくてなかなか寝つけない」
もしかしたら、あなたのその不調は、更年期によるものかもしれません。
体質だからと諦めて放置せず、根本的に改善することが大切です。
毎日の生活がつらいと感じる場合は我慢せずに専門家に相談してみましょう。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師 JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。
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