「ブルーベリーは老眼に効きますか?」眼科専門医の答えは

OTONA SALONE / 2021年1月19日 8時0分

スマホを手元から離さないと文字が読めなくなったり、新聞や雑誌の文字、さらには商品のパッケージの裏のカロリー表示や成分表示など、今まで見えていたものが、いつのまにか小さくて読みにくくなってしまったり……。オトナサローネ世代になると、「これって、もしかして老眼?」と、もはや現実を直視せざるを得ない状況に。

そこで、お茶の水・井上眼科クリニック院長の岡山良子先生に、老眼の仕組みについて、お話を伺いました。

 

老眼は、水晶体の老化が原因だった!

「人の目には、眼球の外側に角膜、その中に水晶体という、光を屈折させるレンズの役割をする組織があります。近くのものを見るときは、水晶体の横にある毛様体という筋肉が緊張して縮み、水晶体が膨れて厚くなります。逆に遠くのものをみるときは、水晶体が薄くなって、ピントを合わせます。

井上眼科病院「目のケアガイド」白内障より

ところが、年齢とともに老化によって、水晶体の弾力性がなくなり、硬くなっていきます。そのため、水晶体が厚くなったり、薄くなったりがしにくくなり、特に近くのものを見るときは、レンズがふくらまないため、見えづらさを感じるようになるのが、老眼の仕組みです」(岡山先生:以下同)。

井上眼科病院「目のケアガイド」老視より

よく、目がいい人は、老眼になりやすいといいますが、「遠視の人も、近視の人も、誰でも平等に老眼になります。ただ、近視の人は、一般的に近くのものが見えやすいので、老眼に気が付きにくいだけ」なのだとか。

 

老化が進むと、眼精疲労や肩こりなどの症状も

このように、水晶体の老化によって眼のレンズの調節機能が落ちてくることを老眼といいます。人によって老化の進み具合は違いますが、40代半ばぐらいになると、ほとんどの人が老眼を意識するようになります。新聞を30cm先に離して、文字が見えない(ピントが合わない)なと感じたら、もう立派な老眼だとか。

 

「文字が見えにくいので、努力して文字を見ようとして、眼精疲労を起こしたり、その結果、頭が痛くなったり、肩こりがひどくなったり、老眼は体全体にも影響が出てきます。とくに現代人は、パソコンやスマートフォンなどを長時間見ることで、目を酷使しているので、老化だけでなく近視が進んだり、ドライアイになることもあるので注意が必要です」。

 

老眼を食い止める方法はない!?

症状は年齢や生活環境などによって違いはありますが、老眼そのものは誰にでも訪れるもの。岡山先生も「残念ながら、老眼は誰にも防ぐことはできません。それよりも、老眼を受け入れて、見えにくければ老眼鏡を上手く使って、見えるようにして能率を上げたほうがいい」とアドバイスを。

 

とはいえ、子どものころから視力のよい人は、「眼鏡をかける」ということ自体に抵抗がある人も多かったりします。さらに、老眼鏡を早くかけると、さらに老眼が進むという話も聞きますが、それはただの都市伝説なのでしょうか。

 

老眼鏡を早くかけたから早く老眼が進むというのは間違った認識で、そんなことはありません。むしろ老眼をほうっておくことによっておこる生活の質の低下など、老眼による弊害にこそ意識を向けるべきでしょう。目は一生つきあっていくもの。目にとって一番のケアは何なのかを常に意識した生活を」。

 

眼科で処方箋をもらって、眼鏡屋さんへ

通常の眼鏡を作ってもらうときと同じように、眼科で老眼鏡を作ることはできません。が、眼科では、それぞれの左右の目の視力、近視や乱視の度合いなど細かい診察をしてくれるので、それを元に自分の目の状態にぴったりの老眼鏡をつくるための処方箋を出してもらうことができます。そしてその処方箋を持って、眼鏡屋さんにいけば、老眼鏡を作ることができるというわけです。

 

「100円ショップの眼鏡も、短時間だったらよいかもしれません。ただ両目のレンズとも同じ度数が入っているので、左右の視力が違う人は合わなかったり、度数が0.5刻みなので、微妙な調整ができなかったりします。また、人によって、右目の瞳孔と左目の瞳孔の間の距離が違うため、瞳孔の位置と、フレームの中心が合っていない場合は、長時間かけていると、目が疲れてしまうことも」(岡山先生:以下同)。

 

つまり、老眼鏡は、市販のものですませたりせず、きちんと自分の眼に合った眼鏡を作ることが大切なのです。

 

いつも老眼鏡をかけている必要はなし!

「老眼鏡を作っても、四六時中かけている必要はありません。パソコンで仕事をするとき、書類を読むときにだけ老眼鏡をかけて、トイレ休憩をしたり、お茶を飲んだりするときは老眼鏡を外してもかまいませんし、付けたり外したり繰り返すことで、視力が悪くなるということもありません」。

 

とはいえ、老眼=老化なので、年齢とともに老眼が進行していきます。40代から65歳~70歳ぐらいまでは進行が早く、そこから進行がゆっくりになっていくとか。そこで進行が早いうちは、3~5年ごとが老眼の買い替えの目安になるそう。

 

ブルーベリー、蒸しタオルはどうなのでしょう?

老化にともなう老眼の進行そのものは、食い止めることはできないとしても、できればその進行をゆるやかにさせたいとはだれもが思うもの。現に、目に良いとされるサプリメントなども各種販売されています。

 

「視力回復にと、ブルーベリーなどのサプリメントや、蒸しタオルで目を温める方法、目を動かすトレーニング法などが巷では話題になっていますが、残念ながら、それらは直接、老化を食い止めるものではありません」

 

しかし、老眼で見えにくくなって目が疲れた場合は、蒸しタオルを当てれば、疲れた目の筋肉をゆるめることが疲労回復に役立つし、ブルーベリーやルチン、アスタキサンチンといったサプリメントが目にいいというのも科学的には認められていることなので、「老眼の進行を食い止めることには効果がなくても、目の健康のためにはおすすめ」なのだそう。

 

他にも生活習慣として、パソコンのブルーライトや、暗いところでの読書など、老眼の進行とは関係なく、目を疲れさせるという意味で、こういった行為はできれば避けたいもの。特に寝る前に浴びるパソコンやスマホの明るい光は、自律神経に影響し、睡眠の質が悪くなり、結果的に疲れやストレスとなって、目も疲れて見えにくくなってくるとか。

 

さらに、特にこれからの季節、気を付けたいのが紫外線。

 

「白目にも色素があるので、日に当たると白目にもシミのような斑点が出来ることが。さらに紫外線はその他の目の病気を引き起こすこともあるので、サングラスをかけたり、日傘をさしたり、帽子をかぶったりするのは、肌だけでなく、目の為にもおすすめです」。

 

40代では、ドライアイ、眼精疲労がトラブルの上位に

「まず多いのがドライアイです。ドライアイは、眼精疲労を引き起こす原因となる目のトラブルの一つ。普通は、まばたきをすると自然に涙腺から涙が分泌されるのですが、涙の分泌量が少なかったり、涙が分泌しても、油分が少ないためにすぐに涙が蒸発してしまうと、目の表面が乾いてドライアイになってしまうのです」(岡山先生:以下同)。

 

また、パソコンの画面など、長時間、何かに集中することで、まばたきの回数が減って、必然的に涙の分泌が減ってドライアイになってしまうことも。そうすると、目が充血したり、眼球の奥が熱っぽくなったり、肩こりや頭痛を引き起こしたり、目がかすむといった様々な症状が出てくるそう。

 

ドライアイなら人口涙液とうたっている市販の眼薬、眼精疲労ならビタミン剤が入った市販の目薬でも症状は緩和されますが、防腐剤が入っていないものを選ぶとよいでしょう。が、やはり気になる場合は、眼科の受診をしたほうがよさそうです。

 

「ドライアイや眼精疲労の他にも、40代になると、少しずつですが、白内障や緑内障といった病気も増えてきます。あまり耳慣れないかもしれませんが、糖尿病網膜症、黄斑変性症など、悪化すると失明につながるような眼の病気になっているケースもあるので侮れません」。

 

眼科ドックで、目の精密検査を

そこで、40代になったらおすすめなのが、人間ドックのように、眼科ドックを受診してみること。人間ドックでも、視力や眼圧は調べてくれる場合も多いですが、眼科ドックなら、細かい項目まで検査をしてもらうことが可能です。

 

「眼科ドックでは、視力や視野の検査はもちろんのこと、涙の出方を調べたり、ピントを合わせる目の調節力を調べたり、眼底の写真を撮ったり、角膜の細胞の数を数えたり、黄斑部の断層撮影といったことも行い、あらゆる観点から目の状態をチェックしていきます。今の自分の目の状態が分かるので、1年に1回受けることで、病気の早期発見にも役立ちます。

 

例えば視野が狭くなる病気である緑内障は、気が付いたときには、もう遅い病気。水晶体が白く濁ってしまう白内障も、初期はほとんど自覚症状がありません。眼科ドックで早期発見できれば、本当の初期の初期の状態から治療をスタートできます」。

 

眼科ドックは保険の適用外なので自己負担ですが、この歳になったら、ジュエリーやブランド品ではなく、体にいいことを自分にプレゼントするのも悪くないもの。

 

まだまだ40代、されど40代!

「40代というと、もしかして老眼?と思いながらも、認めたくない自分がいたり、老眼なんてなるはずないと思っている人も多いですが、40代で老眼になるのは普通のこと、特に遠視の人は老眼になるのも早いし、進行も早いのです。

特に働いてる女性は、40代は働き盛りの世代なのもあり、目を酷使している人も多いはず。そういう意味では、何かしら目のトラブルをかかえている可能性も大きいはずですから、自覚症状がなくても、眼科で一度、チェックしてもらうといいですね」。

 

このまま老眼の進行を放置するよりも、眼科ドックなどで定期的な検診を受け、自分の眼を守ることは、眼ばかりではなく自分の生活そのものの快適さを維持することにもつながってきます。気にはなっていたけれど、特に何もしてこなかった人は、今すぐ眼科の受診を!

 

お話・お茶の水・井上眼科クリニック 院長 岡山良子先生

井上眼科病院には、2001年に入局いたしました。それ以来、「病院の基本は外来診療にある」との考えから、ただ診断、治療するだけの医療ではなく、患者さまの視点に立った「患者さまに寄り添った医療」の実践を心がけてまいりました。井上眼科病院副院長を経て、2012年4月、お茶の水・井上眼科クリニック院長を拝命いたしました。外来部門の長を任される立場となりましたので、より一層気を引きしめて、他の医師や職員とともに、患者さまに寄り添った「優しいクリニック」を目指し、努力していきたいと思います。

 

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