できていないとツライ!医師が教える「今すぐやるべき」10の【腸活の基本】
OTONA SALONE / 2021年2月6日 16時0分
「予防医療」のスペシャリストで、医師の桐村里紗です。
「免疫の要は、腸にあり」と言われるほどに、腸内環境と免疫力は斬っても切れない関係です。
今こそ、免疫のためにも腸活が必須と言えますが、「基本のキ」しっかりできていますか?
ここでしっかり確認しておきましょう。
【ネオヘルスケアドクターLISAの「50歳になる前にやめる100のこと」#58】
これだけはやるべき!基本の腸活10
これだけはおさえたい、基本の腸活10は、こちら。
1・食物繊維はいろいろな種類をもりもりと
腸内細菌の重要なエサになるのは、食物繊維です。
腸内細菌には色々な種類がいますが、それぞれに好みの食物繊維があります。
免疫に必須の酪酸菌も、食物繊維をエサにしています。
様々な野菜、果物、海藻、キノコ類、色々と組み合わせて食べることで、色々な種類の食物繊維を摂ることができ、腸内細菌の多様性が高まります。
2・サラダより根菜を
「サラダを食べてるから食物繊維はバッチリ」と思っている女性は多いかも知れません。
でも、レタスやキャベツ、ほうれん草など葉っぱものやトマト、きゅうりなどのサラダでおなじみの食材は、食物繊維が少ないのです。
食物繊維をしっかり摂るのであれば、ゴボウやレンコンなどの根菜類を日々摂ると効率的です。
3・穀物は、白より黒を
精製された小麦粉を使った白いパンや麺類、白ごはんよりも、未精製の黒い穀物の方が食物繊維が豊富です。
普段のご飯は、雑穀米にすると良いでしょう。
4・パンと牛乳よりご飯と味噌汁を
子供の頃からパンと牛乳を中心にした食生活を送っている人も少なく無いと思いますが、現代の品種改良された小麦(パンコムギ)や加工されたホルスタイン由来の牛乳は、消化が難しく、腸に炎症を起こすタンパク質を含んでいます。
それに、食物繊維も十分に取れません。
パンと牛乳よりも、ご飯と具沢山の味噌汁を基本とした食生活が腸活的にはベターです。
5・砂糖たっぷりのスイーツよりもオリゴ糖を
砂糖をたくさん摂ると、腸内環境を悪化させるカンジダ菌を増やしてしまいます。
カンジダ菌がはびこると、腸内はアルカリ性環境となり、弱酸性環境が好きな腸内の善玉菌が弱ってしまいます。善玉菌が元気になる甘味料は、オリゴ糖です。
何か甘みが欲しいなら、砂糖の代わりにオリゴ糖を選ぶとマル。
6・脂肪たっぷりのお肉は摂りすぎない
腸の善玉菌の主なエサは、発酵性の植物。つまり食物繊維などの多糖類です。
脂肪とタンパク質は、人間に必須の栄養素ですが、摂りすぎてしまうと悪玉菌を増やし、腸内を腐敗させます。
便が悪臭化したら過剰なタンパク質が腐敗した証拠です。
7・発酵食品はミックスで
腸活といえば、毎朝ヨーグルトを食べているという方もいらっしゃるでしょう。
でも、1種類の有用菌だけが腸内で活躍するわけではありません。
発酵を起こす、乳酸菌、ビフィズス菌、酵母、麹菌にはたくさんの種類があり、それぞれに違う機能があります。ですから、1種類の発酵食品を食べるよりも、色々と組み合わせて摂る方がベターです。
ヨーグルトだけでなく、納豆、味噌、塩麹、乳酸発酵した様々な漬物類など、発酵食品は色々な種類を摂りましょう。
8・ストレスをリリースする
ストレスは、腸内環境を悪化させ、腸内細菌のバランスを悪化させます。逆に、腸内環境が悪化すると、ストレスに弱くなり、抑うつや不眠などを引き起こしやすくなります。
ストレスがかかると胃腸の動きが悪くなるため、消化不良を引き起こし、便秘や下痢も起こしやすくなります。日々のストレスは、日々リリースすることが大切です。
夜はゆったりとした入浴や、ヨガや瞑想などで副交感神経を高めて、しっかりと睡眠をとりましょう。
9・お腹を冷やさない
お腹を冷やし、内臓が冷えてしまうと、腸の働きが悪くなります。下半身が冷えないよう、脚やお腹をしっかりと外側から保温して、内臓の冷えを防ぎましょう。
ビールなど冷たいアルコールや飲料を飲む習慣がある人は内側から冷える可能性があります。温かい鍋物や煮物、汁物などを食べて内側から温めましょう。
10・座りっぱなしはNG!脚を動かす
座りっぱなしでほとんど脚の筋肉を動かさない人は、腸の動きが悪くなりがちです。
歩行をすると、太ももから骨盤の奥を通り、背骨に付着する大腰筋が動くことで、腸も動かされ、動きが活発になります。
ウォーキング程度の軽い運動でも構いませんから、日々脚の筋肉を動かして、腸を動かしましょう。
免疫力に腸が必須なわけ
腸内細菌のバランスを整えることは、免疫機能を維持する為にもとても重要。
喉の粘膜の感染防御にも、感染症の重症化の原因になる免疫の暴走を抑えるにも、腸内環境が重要です。
1)喉の粘膜を守る抗体を作る
喉や気道など、全身の粘膜で感染を防御する為に分泌されるIgA抗体を作るために、腸内細菌が重要です。
IgA抗体は、腸管にある免疫細胞が刺激を受け、腸から全身に運ばれることで分泌されますが、この時、腸内細菌のサポートが不可欠です。
2)免疫力に必須のビタミンDを活性化する
免疫機能を維持するには、ビタミンDが必要です。
ビタミンDは、体内で活性化されることで働きます。
2020年11月のカリフォルニア大学のサンディエゴ校の研究チームによると、血液中の活性型ビタミンDレベルが高い人は、腸内細菌の多様性が高く、重要な善玉菌である「酪酸菌」を高頻度に保有していることがわかりました。
※:Nature Communications volume 11, Article number: 5997 (2020)
3)免疫の暴走を防ぐ
免疫細胞には、感染症と闘う戦士だけでなく、戦いを沈める調整役の両方が必要です。
調整役がいなければ、戦士が暴走し、体を傷つけてしまいます。
アレルギーや自己免疫疾患、またコロナ感染症で重症化している例には、免疫の暴走が関与しています。
免疫細胞の中でも、この調整役が活躍するためには、腸内の善玉菌である「酪酸菌」のサポートが不可欠です。
自分自身に本来備わる免疫機能を維持するためにも、基本の腸活を日々コツコツと積み重ねることが重要です。
基本をしっかり着実に
基本であってもできていないこともいくつかあるのでは無いでしょうか?
これを機に、基本の腸活をしっかりと習慣化してくださいね。
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