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王道にして正統な味|老舗喫茶室・銀座ウエストの「ヴィクトリア」【近藤サトのセンスがいいおすすめ手土産】

OTONA SALONE / 2021年4月28日 22時0分

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近藤サト18歳、バブル絶頂の東京へ

32年前。岐阜県の山あいにある小都市から進学のために上京した私は東京の破壊的な熱量に頭がクラクラしていた。

人を睥睨する新宿の高層ビル群、懐中電灯がなくても一晩中歩ける暗闇のない街、大学生なのになぜか現金をやたら持っている人たち。

合コン、ディスコ、スキー、ドライブ。

たまたま昭和43年に生まれたことで、大学進学と同時に図らずもバブル絶頂の東京に落下してしまったわけだが、ただ私が子供の頃から憧れ続けたトウキョウのイメージはこんな風なとんでもなくハイカロリーなファットシティではなかった。

 

谷崎潤一郎や夏目漱石、三島由紀夫などの小説に登場する東京はもっと文学的で絢爛豪華で奥ゆかしく、高尚だった。

作品にしょっちゅう登場する銀座だってもっと思慮深い街だと中高生の頃は想像していた。

銀座は「金さえあればなんでも可能にしてくれる場所」ではなく、「大金が必要だが相応の品格が求められる場所」なのだと文学少女は打ち震えるほど憧れ、崇めていたのに。

 

今の人なら、それを携帯電話もインターネットも無い時代の残念な思い込みと都合の良い空想だと不憫に思ってくれるだろうか。

しかし、しばらく東京で生活するうちに私求めた東京の品格の「かけら」をいわゆる老舗に見出すことができることを発見した。

当時から変わらない「銀座ウエスト」老舗の品格

銀座ウエストは銀座7丁目にある老舗の喫茶店。

初めて店の扉を開けた時は正直ひるんだ。

とにかく独特の雰囲気があるのだ。

あまり広くない店内に真っ白なテーブルクロスをかけた小さめのテーブルと茶色い布張りのシンプルな椅子。簡素だけれど気品のあるしつらえが、清潔で静かな空間を引き締めている。

それが、ぽっと出の物見遊山な人間にはかなりの威圧感を与える。

 

一方で、戦後すぐから銀座に店を構え、林芙美子などの文化人や経済力のある客が集ってきた老舗の品格とはこういうものか、やっと見つけたと胸を撫で下ろした。

華美から程遠いこの雰囲気はバブル期も変わらず、むしろバブル期の方が今よりもっと静かで、排他的だと感じるほどだった。

 

ドライケーキシリーズのベストセラー「ヴィクトリア」

銀座ウエストの定番洋菓子は言わずと知れたリーフパイである。

手土産の定番だし私もよく遣い物にする。

しかし、最も好きなのはドライケーキのヴィクトリア。クッキー生地とケーキ生地のコンビで香りの良い国産イチゴジャムが絞ってある。見た目も華やかで、尚且つ素直な正しい味がする。

 

日本の洋菓子はすべてにおいて美味しくレベルが高いが、もしかしたら銀座ウエストのような老舗が今も第一線であり続けていることも理由のひとつなのかもしれない。

 

銀座ウエストではバレンタインや母の日などにイチゴジャムがハートの形をしたハートヴィクトリアを販売する。見かけるといつも誰かに送りたくなる。

 

近藤サトさんのおすすめ手土産

愛らしいフリル状のタルト型にクッキー生地を絞り込んで一次焼きした後、クッキー生地と専用に調整した国産イチゴジャムを絞って更に焼き上げた焼き菓子。クッキー生地とケーキ生地、ジャムのコンビネーションが楽しめるドライケーキシリーズのベストセラー。

ヴィクトリア 8個入(個包装)1,836 円(税込)

 

2021年4月20日(火)~5月9日(日)の期間、通販を含む全店(空港除く・吉祥寺東急店は4月末より)にて、母の日ギフトとして「ハートヴィクトリア8個入り」(税込み1,836円)を限定販売中。


サックリとしたパイの食感と白ザラメ糖の歯ごたえ、職人の手作業により成形された木の葉のかたちでおなじみの看板商品・リーフパイとの組み合わせた商品はギフトに最適。

リーフパイ13枚+ヴィクトリア6個(個包装)3,240 円(税込)

 

 

 

≪フリーアナウンサー、ナレーター 近藤サトさんの他の記事をチェック!≫

 

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