二重不倫。私との甘い夜のはずなのに、カレがしていたことって
OTONA SALONE / 2021年4月29日 22時0分
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
【不倫の精算#28前編】
単身赴任中の既婚男性との、「誰にも邪魔されない不倫」
35歳のKさんは独身だが、この半年は不倫をしている。
交際相手の既婚男性とは仕事の取引先として知り合った。
単身赴任でこの地方都市に来ている彼とは最初からウマが合い、親しくなるまで時間はかからなかったという。
「誰にも邪魔されないから、不倫というか普通に恋人って感じ」
以前、Kさんは屈託のない笑顔でそう言ってのけた。
彼の会社が指定したアパートは狭く、いかにも独身者向けといった作りらしいが、そこで身を寄せ合って過ごすことがふたりの親密度を深めているようだった。
「何か、若い頃の同棲を思い出すのよね」
Kさんが彼の部屋に通い、ご飯を作ったり掃除をしたり、気楽に過ごす時間。
お互いにひとり暮らしなので縛られるものが少なく、まさに「誰にも邪魔されずに」不倫関係を続けている状態だった。
そんなつながりが半年続いた今、彼女は悩みを抱えていた。
「待ち伏せ」してまで確認しないとならないことって?
その日、切羽詰まった声でKさんから電話がかかってきたのは、夕暮れが終わる時間帯だった。
「ねえ、今○○にいるんだけど、出てこられない?」
息をひそめ、低い声でいきなりそう切り出したKさんからは、大きな焦りが漏れていた。
どうしたの、何をしているのと尋ねるこちらの言葉を遮って、Kさんは続ける。
「彼のアパートの前なの。
そろそろあの人が帰宅するはずなんだけど、ひとりで待つのが怖くなっちゃって」
不安定に声が揺れているのは、自分がしていることの異常さを実感しているからだ。
彼女がなぜ動揺しているのか、何がしたくてそこにいるのかは、知っていた。
「わかった。
15分くらいで着くと思うから」
とだけ答えてすぐに切った。だが、正直心は重たかった。
彼女が抱える、行動せずにはいられない不安。
それは、予想しながらいざ現実になると耐えられないことがわかっているからだった。
Kさんは、不倫の彼が新しい女性を連れ込むかどうかを心配していた。
仮面夫婦で単身赴任を希望する、既婚の彼の現実
Kさんと既婚の彼のお付き合いは、言い方はおかしいが順調そうに見えていた。
平日は仕事が終わってからKさんが彼の部屋に行き、食事をしてシャワーを浴びてベッドをともにする。
それが終わってKさんは帰宅し、次の日はまた何食わぬ顔で業務の話をする。
周りに関係を隠して愛情をこっそり確かめあうスリル、好きな男性が身近にいる幸せ、そんな高揚感にKさんは満足していた。
「週末は泊まって、ゆっくり朝ごはんを食べるのも幸せなのよ。
奥さんが来ることもないしね」
単身赴任の場合、遠くにいる妻が突然訪ねてくる心配がある。
だが、Kさんの彼の場合は違っていた。
「彼が言うには、仮面夫婦なんだって。
単身赴任しているのも彼の希望で、奥さんが住む家にもめったに帰らないって」
一緒に暮らせないほど夫婦関係が冷え込んでいるのなら、どうして離婚しないのだろう。
そんな疑問があったが、聞いていると本当に奥さんが彼の部屋に来ることはないらしく、Kさんは「それで大丈夫」と思っていたそうだ。
「単身赴任中の既婚男性」と不倫する女性に起こること
離婚はしないが妻とは不仲、単身赴任を理由に別々に暮らして自分は妻以外の女性と情事を楽しむ。
そういう既婚男性の話は実際に聞いていたので、Kさんの彼に対しても“そうやって楽な立場でいたいのだろうな”と思っていた。
考えないといけないのは「期間限定の付き合い」という点で、そこをどう捉えるかが、こんな既婚男性と不倫する女性にはつきまとう。
自分も「今だけ」と割り切るか、もしくは既婚男性に別の道を選ばせるか。
いずれKさんはそこで悩むのかもな、と思っていたら、まったく違う問題が浮かび上がった。
「彼、あのね、ほかにも仲のいい女性がいるみたい……」
カフェに呼び出され、沈んだ顔でKさんからそう打ち明けられたのが半月ほど前。
びっくりして聞いてみると、一緒にいるときにちょくちょく彼のスマートフォンでLINEの通知音が鳴り、それを聞いた彼が急いで返信することが増えたそうだった。
最初は仕事の相手と言われていたKさんだったが、それが嘘だと思い始めたきっかけがあった。
「ほかにもオンナがいる?」自由を謳歌するカレ
「行為が終わって、彼がシャワーを浴びていたときにテーブルにあったスマホが鳴ったのね。
見てみたらLINEの通知で、中身は出ないけど何通も溜まっているのよ。同じ人から。
私としているときもずっとメッセージが届いていたはずで、そのときは音を消していたんだなって。
あやしくない?」
お風呂から出てきた彼にスマートフォンが鳴っていたことを告げると、何でもない様子でチェックしていたそうだ。
「でもね、その後で
『ちょっとごめん』
とか言って、トイレに入るのよ。
仕事なら私も知っている人かもしれないし、隠す必要もないでしょ?
さすがにどんな話をしているのか聞こうとまではしなかったけど、何かおかしいなって」
こんなことが数回続き、どこまでも「仕事のこと」を通そうとする彼に業を煮やしたKさんは、ついに切り出した。
「ほかに女がいるのなら、そっちに行ってもいいよって。
どうせ私たちも不倫だしねって」
誰にもばれない不倫。
その“自由”を彼が自分以上に謳歌しようとしている可能性に気づいたとき、Kさんのなかで何かが壊れた。
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