「もう40代だから…」なんて思わないで!新しいことを始めればいつまでも変われる
OTONA SALONE / 2021年5月17日 19時0分
閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45~55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期#50】
プロフィール
Nさん 46歳、千葉県在住。10歳年上の夫、大学生の娘、高校生の息子の4人家族。都内の結婚式場で配膳係のパート中。
40代を襲う家庭の事情。子どもの不登校をきっかけに夫婦が不仲に
「夫婦愛と頭髪に関する調査 2016」(アンファー)によれば、夫婦円満な家庭は8割を占めるものの、同時にセックスレス夫婦も6割存在するそうです。セックスレスの割合は、円満夫婦でも 52.8%と半数以上ですが、不仲夫婦ではさらに高く 85.8%となりました。
逆に言うと、「2割の夫婦は不仲である」ということ。みんな、口に出さないだけで、いろいろな事情を抱えています。
大恋愛の末に結婚したNさん夫婦も、40歳のころに不仲になりました。きっかけは長男が中学に上がり、ぽつぽつと登校しぶりを始めたこと。
「なんとかなるよと楽観的な私と、学校に行けないだなんて異常だと考える夫の間で温度差が生まれ、ギクシャクしてきたんですよね。それまでも漠然とこの人とはダメかもと思うシーンはありましたが、いよいよ離婚という文字も浮かび始めて」
ですが当時のNさんはパートの立場で、固定収入も貯金もありませんでした。
「若い頃からキラキラした生活が好きで、友人とカフェ巡りをしたり、銀座や表参道で買い物したり。パートのお金は全部、洋服代や友人との交遊に使っていたので、生活費のことを考えると自立はできないな、と半ば諦めていました」
長男はついに、中学2年生から学校にほとんど行かなくなりました。でも、Nさんはそれでもいいかなって思っていたそう。
「行きたくない学校に行って窮屈な思いをするよりは、息子のペースで過ごしてくれればと思っていました。将棋をしてみたいと言うから将棋会館に連れて行ったりして、マイペースでもいいんだと知ってほしかった。だから、私自身も、あるべき母親像なんてものは追い求めず、自分の人生を楽しむマイペース母でいたほうがいいんだろうなと」
夫婦不仲のままでもいい。自分が楽しめることを真摯に見つける
子どもの教育資金を考えると別居はできない、そんな人たちが折り合いをつけるのが「家庭内別居」。Nさんもやはり、夫はATMだと考えて折り合いをつけ、家庭内別居の状態に持ち込んだそうです。
「ある朝、ちょっとした口喧嘩をしてイライラを抱えたままパートに行ったんです。休憩時間に5歳年上の先輩にちょっと愚痴ったら、その先輩が、旦那さんのことでイライラするなら、好きなことをして発散すればいいと言ってくれました。そして、一緒に私が好きで、チャレンジできることは何だろうと考えてくれて」
ここでNさんは、人生で一度でいいからランウェイを歩くというのが夢だったことを思い出しました。
「先輩も煽るのが上手で(笑)その日のうちに、前からちょっと気になっていて、でも私にはムリだなってあきらめていたミセスコンテストに思い切って応募しようって盛り上がりました。それから1ヶ月くらいかけて、先輩と一緒に履歴書と応募動機を考えて、写真を何枚も撮って応募しました」
このときのチャレンジは二次審査で落ちてしまいました。ですが、ドレスを選んだり、オーディションを受けたり、今まで経験したことのないキラキラ体験に魅了されました。これに味をしめたNさんは、それからいろんなミセスコンテストに応募するように。
「思い切ってコンテストの世界に踏み込んでみたら、なんで私これまで応募してこなかったんだろう?って後悔するくらいに、本当に楽しい! コンテストの書類審査が通ると、だいたいレッスンが始まるんですが、ここで幅広い年代のお友達がたくさんできるんです。同じ目標に向かう仲間がどんどん増えていくのが楽しくて!」
レッスンではコンテスト映えするメイクやハイヒールでのウォーキング、自己アピールのスピーチの練習などなどを繰り返します。
「なんとなくコンテストのノリがわかってくると、やはり審査では社会的な活動をたくさんしてチャンネルの多い、社会に貢献している人の方が好印象になるんだなとわかりました。なので、私も動物保護の団体に登録して、初めてボランティアに参加しました。そんな動機でボランティアを始めるなんてと眉をひそめる方もいるかもしれませんが、ボランティアの世界も内側に入ってみるとみんな最初の動機はバラバラ。そんなんこと気にしなくていいことがわかりました」
それまで10年以上、自分と家族だけの比較的狭い世界に生きていたNさんは、コンテスト応募という刺激を受けるだけで自分の世界がこんなに変わるのかと自分でも驚いたそう。
世界が広がると、自分に対する自尊感情もアップしていく
コンテストは自分自身をプレゼンテーションして客観評価してもらう場ですから、自分自身に対する向き合い方も変わりました。
「美魔女は一日にしてならずで、本当にコツコツといろいろな努力をしないとならないのですが、中でも大変だったのはボディメイクでした。40歳すぎたら本当にお腹の肉がなかなか落ちない!」
ダイエットメニューを考えたり、エクササイズをしたり、試行錯誤を繰り返しました。そんなときも、頑張っているライバルと居られるのが張り合いになりました。
「こんなことでもなければ気にしなかったと思うのですが……特に背中のお肉が大問題でした(笑)。ドレスはほとんど背中が空いていて、バックスタイルも綺麗じゃないといけないんです。だから、自分で筋トレを頑張りました。そのおかげでフォトジェニック賞をもらったり、準ミセスに選ばれるようになって」
こうして達成感がどんどん生まれるうち、離婚なんてどうでもいいやと思うようになったNさん。長男は中学不登校のまま通信制の高校に進みましたが、楽しそうにしている母から何か感じてくれるものがあったのではと振り返ります。
「ミセスコンテストに出場した仲間と一緒に、ドレスを着る会も開くようになりました。誰だって一度はお姫様みたいになりたいんじゃないかな?と思って。みんなでシンデレラのようなドレスをレンタルして、写真をたくさん撮影します。不定期開催で、参加者は30代から60代まで本当にさまざま。参加した人がSNSに自分の写真をアップすると、それを見た周囲の人からいいな、次はいつ?と輪が広がっていくんです」
コロナ禍で集まれなくなって以降は思い切って配信アプリを使ったライブ配信、ライバーを始めました。
「他愛もない話をするだけなんですが、それでもファンの人からお花をもらったりすごく楽しいです。配信って別に若い子たちだけのものじゃないんだなって。今は簡単に私くらいの年齢でも使いこなせるのがいいですよね」
もともと前向きな性格だというNさん。難しいことをあれこれ考えるのは性に合わないと言います。
「ただ毎日を十分に楽しむということだけ考えています。この年になると交友関係って似た者同士になりがちですが、愚痴や文句を言う人と一緒にいると同じような思考になっていくので、私はオススメしません。コンテストの友人の輪ができてみて感じますが、やっぱり一緒に目標持って進める愉快な人たちと過ごす方がいいですよ。みんな色々な背景はあるみたいですけど、それでも目標があると元気になるみたいです」
「ハッピーな人」たちと楽しく過ごしたほうがいい
今は、以前のパートを辞めて、結婚式場の配膳の仕事をしているというNさん。
「結婚式って非日常の空間で、みんながハッピーな場所だから、その幸せ感を味わいたいというのもあるのかな。周囲は20代の学生のアルバイトばかり。そのせいか、更年期という言葉も全く聞かないので自分まで若返った気分になります」
もしあのまま、夫との不仲のままで過ごしていたら、よく聞くような更年期の症状に今頃、悩まされていたかも?と振り返ります。
「46歳になってみて、私ももうアラフィフじゃん??って自分でもびっくりしていますが、もっともっと楽しいことたくさんあるんじゃないかと、自分の範囲を決めずにチャレンジしていきたいです」
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