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セックスレス。したい私と、したくない夫。【40代、50代の性のリアル】#5(後編)

OTONA SALONE / 2021年6月7日 22時1分

日本はセックスレス大国だ、とよくいわれる。一般的に、健康な男女のカップルに「1カ月以上、性交渉やセクシャルコンタクトがないこと」をセックスレスという。国内の既婚男女におけるセックスレス・カップルの比率が50%弱、つまり2組に1組がレスになっているとする調査結果もある。

セックスを求める理由

性依存と聞くと「不特定多数の人と関係をもつ」と思われそうだが、サトミさんの場合はそうではない。潔癖症なので相手は交際相手や夫に限る。が、常にセックスにとらわれ、それがないと不安になるのだという。

「虐待の影響からなのでしょうが私は自己肯定感が低くて、”どうせ自分なんか”という気持ちが強いんです。でもセックスしているときだけは、それがない。行為に没頭していれば気持ちよくてそんな自分を忘れられるし、そのときは相手が自分だけを見てくれていると実感できるんです。ああ、いま認められているなぁって」

筆者がかなり立ち入ったことを訊ねても、すべてにハキハキと答えてくれるサトミさん。初対面の印象だと、自信がない女性とは思えないが。

「交際相手の前でも最初はそうなんですよ。彼らは『あれ、自立した女の子だと思っていたんだけど、実はこんなに不安定なの?』って思っていたはず。つき合いはじめのころはお互いに盛り上がっているから私も安定しているんですけど、慣れてきて会話が適当になったりすると、もっとかまってよ、私を見てよとアピールをしてしまう。そのひとつとして、セックスを求めるんです」

 

私の中でのバランスの不整合、そして不完全燃焼

不完全燃焼の日々

早いうちから気持ちよさを知ったので、依存症といってもひとつひとつのセックスは楽しんできた。自分が快感を得るために相手にどう動いてほしいかも、言葉にして伝える。性に対して積極的でもあった。

若いころと比べると減ったとはいえ、いまでも自分の性欲をはっきりと自覚している。だから、夫に「したい」というがセックスフルにはほど遠い。月イチのセックスもなんだか不完全燃焼だ。

「なんで私はこんなにしたいんだろうというのを深く追求すると、虐待の記憶と結びついて自分のなかでバランスがとれなくなります。だからできるだけ見て見ぬふりをしようとするのですが、ココロもカラダもしたいといっている……その状況がしんどいですね」

性欲だけをなんとかしたいのであれば”自分でする”という選択肢もある。が、サトミさんの「したい理由」は相手ありきなのでそれでは満たされない。そんな彼女に、今後どうしたいですか? と訊いてみた。

私と夫、どっちが先か

「私の性欲がなくなるのが先か、夫がEDになるのが先か。後者の場合、本人が自分の意思でバイアグラなどの薬を飲むならいいんですけど、私がしたがっているから仕方なく……っていうのはイヤなので、そうなったときが諦めどきかな。でもそれより先に、私が浮気をする日がくるかもしれない」

マッチングアプリでセックスの相手を探すことはできなかったけれど、とサトミさんはつづける。

「この人ならしてもいい、したい、と思える相手と今後どこかで出会わないともかぎりませんよね。でもそうなったら、私は潔癖症ゆえにひとりの人としか関係を結べないから、家庭を崩壊させてしまうと思います。子どもはかわいいし、もしそんな理由で離婚になったら親権は父親側にいきそう。だからそんな危険なことはできない、でもちょっとしてみたい気もする……あと5年間くらいはそんな気持ちのあいだで揺れ動きそうです」

 

 

≪フリー編集&ライター 三浦ゆえさんの他の記事をチェック!≫

 

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