ひたすら求められたい。できなくなる日もいつかくるから【40代、50代の性のリアル】
OTONA SALONE / 2021年7月31日 20時1分
シングルマザーのミユキさんは現在、複数の既婚男性と10年以上に及ぶ肉体関係をつづけている。話を聞いていてハラハラするのは、男性たちもかつて一緒にPTAの役員を務めた同士、つまり知り合いだからだ。
【40代、50代の性のリアル #16 後編】
性欲だけじゃない。ただひたすら求められたい、応えたい。
「それぞれは、自分以外の誰かが私と関係を持っていることを知りません。ひとりとホテルにいるときに、もうひとりからお誘いのLINEが来たりして……名前が見えないようスマホの画面を隠しはしますけど、焦りますね」
危ない橋を渡っているように見える。ピルを服用しているため、複数人と関係を持ちながらコンドームは着けないそう。コンドームによる摩擦で痛くなるという理由があるにしても、感染症予防の観点からみるとリスクはある。
ミユキさんは何を求めてセックスをしているのだろうか。リスクを上回る何かを得られるからだろうか。
「肉体的な欲求は大きいと思います。けど同時に、私のことを必要としてくれているんだ、って思っちゃうんですよね。略奪したいとはまったく考えていないです。ただ、連絡をくれた瞬間に必要なのは私なんだと思いたい。私の思い込みかもしれません。でも、求められたら精いっぱい応じたくなるんです」
略奪願望はゼロの女性が、再婚を申し込まれたら?
自分のことをセックス依存症なのかもしれないと思うこともあるという。他人が知れば、都合のいい女といわれるかもしれない。けれど、ミユキさんと話していると病んだ感じや、自己犠牲的なものはまったく感じられない。
「実はいま、お付き合いしている方のひとりから、妻とは離婚するから一緒になろうといわれているんです。ここ1年かけて説得されていて、彼は本気なんだと感じます。うれしくないと言えばウソになります。でも……」
ミユキさんはそこで一度言葉を切り、その後できっぱり断言した。
「やっぱり”人のもの”である男性とつき合うほうが、気が楽。私、独占欲が強いんですよ。一方で彼は、私との関係で浮気の仕方を学習している。だから帰りが遅いだけでヤキモキすると思うんですよね。でも、私が独身で相手が既婚者なら、『この時間は、奥さんや家族との時間だから仕方ない』と割り切れます。それに私自身も、結婚したら相手はひとりだけ、という状態に耐えきれると思えないし」
「表を歩けない恋愛」ばかりしてきた。アラフィフの今、思うこと
既婚者との性的関係は、決して褒められたことではないだろう。しかしそれをもっともよく知っているのは、ミユキさん自身にほかならない。
「私は10代のころから、手をつないで一緒に表を歩けるような人とつき合ったことがないんです。学校の先生だったり、奥さんや子どものいる人だったり。元夫とも付き合いだしてすぐに子どもができたので、ふたりでデートしたことってほとんどない。それがなぜか、いまになって、手をつないで近所を散歩したり、ついでにスーパーに寄ってお刺身なんかを買って帰ったり……そういうことをしてみたい。焼き鳥屋さんでちょっと一杯、っていうのもいいなぁ」
デートとすらいえない、日常的なことを男性としてみたい。ミユキさんがそう思うのには、相手の年齢も関係している。
「私自身はアラフィフになっても性欲が落ちるとか濡れにくくなるとかまったくないのですが、相手は歳が10以上離れた方ばかり。そんなに旺盛にはできなくなりますよね。入院中にセックスした人は、その後、薬の影響で男性機能が弱くなってしまいました。だからといって新しい出会いは求めていないので、これ以上いまの関係を失いたくないと思っています。お互いのツボみたいなものがわかっていて気楽に愉しめる関係を、私から手放す理由はないです」
できなくなる日は、誰にでもくる。でも、できなくても変わらないことは…
欲求のおもむくままに行動しているように見えて、ミユキさんと話していると、実は情が厚い人なのだと感じる。
女性の身体は40代~50代にかけて大きな節目を迎えるが、男性も年齢と無関係ではいられない。男性機能においても、体力においても、これまでと同じ方法でセックスできなくなる日は、たいていの人に訪れる。もし勃たなくなった男性から会いたいと連絡がきたら、ミユキさんは会いにいくだろうか?
「もちろん行きますよ」
即答だった。なぜそんな質問をするのか不思議だといわんばかりに、はっきりとした返答だった。毎日したくてたまらないといい、実際に貪欲にセックスを求め行動してきた。けれど今後は変わっていくのかもしれない。関係性だけでなく、ミユキさん自身にも変化が訪れるかもしれない。いや、もう変化がはじまっている。そう思わずにはいられなかった。
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