彼は結婚をどう考えてる? 婚活で気づいたバツイチ男性との「壁」【40代編集部長の婚活記#264】
OTONA SALONE / 2021年8月25日 17時0分
40代の婚活で出会うのは、恋愛や結婚の相手だけじゃないのかもしれない。ついに婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
時は数年前に遡って、ジェントルさんとの復縁編。彼の引っ越し先に初めての訪問。ドキドキしながら足を踏み入れたけれど……。この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#264】
自炊する彼、外食ばかりの私
ジェントル「食べたものが体を作るからね。健康や美容面としても大事だけど、作業効率や集中力のような仕事のパフォーマンスをよくするためにも食事は大切よ」
彼が言うように、食事を見直す必要があるのかもしれない。夜になると疲れがドッと出て仕事が進まなかったり、どれだけ寝ても疲れが取れなかったり。なんとなく、40代になっていて感じていたこと。
でもなぁ平日は夜遅くまで会社にいるし、帰ってもヘトヘトで料理なんかする気になれないのよ。(※注・コロナ禍になる前のお話です。現在は在宅勤務中心)
そういえば彼は自炊が多いうえに、オフィスや外部で仕事するときも、ランチはお弁当を作って持参していると言っていた。食材もオーガニックのものを取り入れたりしている。意識が高い。
彼はアラフィフ美肌男子!
ジェントルさんは私の肌をスベスベだと言ってくれるけど、彼だって3歳年上の男性だけれど、同年代の男性にくらべて圧倒的に肌がキレイだと思う。
アサミ「ジェントルさんだって、お肌がスベスベじゃないですか」
そう言って、彼の頬をツンツンとした。ふふ、仲良しカップルみたい。って、カップルか。
ジェントル「全然よ。あなたみたいにきめ細かい肌じゃないもの」
アサミ「きめ細かいほうですよ。毛穴が小さいもの。40代の男性の肌って、もっと毛穴大きい人が多い気がする」
ジェントル「ありがとう」
彼の美肌の秘訣って?
アサミ「美肌を保つ秘訣はなんですか? スキンケア?」
ジェントル「そうね。洗顔と保湿はしてるね。あ、前にあなたが家に置いてった泡の洗顔料よかった気がする」
アサミ「ホント? じゃ、またこのお家にも持ってきますね」
しばらくの間、美容トークに花が咲く。お付き合いする前から、美容の話をよくしていた。デートでもコスメカウンターやフレグランスのコーナーを一緒に見たりしたものね。
ここ数年、メンズコスメの売上が伸びているなど特に若い男性の間では美容意識の高い人が増えているけれど、彼のようにアラフィフ世代ではまだめずらしい。やっぱり毎日のスキンケアしていることが、彼のように50歳近くなっても美肌男性でいられる秘訣かもしれない。
まるで「先生」か「お父さん」
ジェントル「お肌に大切なのはスキンケアだけじゃないよ」
アサミ「えー、なんですか?」
ジェントル「さっきも言ったけど、食事ね。食べたものが肌や体を作るからね」
アサミ「あ、はい」
ジェントル「家に来たときは僕がごはん作るけど、あなたの毎日の食事が心配。テキトーにしてない?」
アサミ「はい、気をつけます…」
また言われちゃった。ホント、先生かお父さんみたい(苦笑)。
もしくは「お医者さん」?
ジェントル「それから睡眠もね」
アサミ「はい…」
ジェントル「朝早く起きて、仕事は夕方までに終わらせて、夜は12時までにベッドに入る。生活サイクルを変えようね」
アサミ「はい…」
なんだろう、人間ドックのあとにお医者さんに言われたことにも似てる(苦笑)。
ジェントル「業界的に仕方ないのかもしれないけど、仕事の内容を見直してみたら? 必要ないことだってあるかも」
アサミ「日中がバタバタしていて夜に作業することが多くなっちゃうんですよね」
ジェントル「スキンケアはちゃんとしてるけど、食事と睡眠はホント見直して。いまは大丈夫でも、5年後、10年後は変わってくるからね。」
何度も言う「Time is Money」
生活サイクルを変えるためには、仕事の内容を見直すか……。考えたこともなかったわ。確かにそうかも。
だいぶ昔の話だけれど、異動したことで仕事内容が変わったら編集の仕事なのに圧倒的に早く仕事が終わって、夕方には帰宅できていた時期があったな。ただ若かりし頃だったから、遊びにでかけちゃっていて生活サイクルは整ってなかったけど(苦笑)。
ジェントル「もちろん僕も夜遅くまで仕事をしなくちゃいけない時があるし、海外の取引先だと時差があるから夜中ってこともあるけどね」
以前、彼の仕事が伸びてしまってデートの時間を遅らせたこともあったな。
ジェントル「あなたは毎日の帰りが日付変更線の近くでしょ? それは変えていかないと」
アサミ「夜遅いのが当たり前になっちゃってますね」
ジェントル「本当にTime is Moneyだから。時間の使い方を大切にして」
遠回しに「半同棲」ってこと?
ジェントル「仕事が早く終わるなら、平日も僕の家に来られるでしょ? そしたら強制的に生活サイクル変えるよ」
あら、平日もお家に来てってこと? 半同棲みたいな? いままでの人生でそんなのしたことないからしてみたい! そんなことを妄想していたら、彼が私の頬を両手でギュッとつまんできた。
アサミ「いたーい!」
軽くつねられただけだけど、ちょっとオーバーにリアクションしてみる。
ジェントル「ほっぺのお肉、ムチムチですね」
アサミ「もう! 丸顔イヤなんですー。顔に肉が多いのも食事のせいかしら」
物心ついた頃から悩んでいる丸顔。私の人生で最長のコンプレックス!
「そのままでいいんです」
ジェントル「このお肉はあっていいの。あなたは丸顔がかわいいの」
アサミ「えー、ジェントルさんみたいにスッとした顔になりたい」
ボール、アンパンマン、肉まん、たこやき、大福……。40数年間でずっと言われ続けた丸顔のたとえ。母には「大人になったら細長くなるよ」と言われたけれど、結局ならなかった。というか、母も丸顔の大人だった(笑)。
自分の顔が大人になっても細長くならないであろうことは中学生くらいで自覚したが、丸顔がコンプレックスなことは40代になっても変わらなかった。
ジェントル「そのままの丸顔でいいんです。それがかわいいんだから」
丸顔のことだけじゃない。ちょっとムチムチした体型のことも「そのままでいいんです」と言ってくれた。そんなこと、面と向かって言われたことない。「そのままでいい」。彼のこの言葉に、ずっとずっとかかえていたコンプレックスという氷のような固まりが、少しずつ解けていく気がした。
部屋の片付けを始める
まだ終わっていなかった部屋の片付けを始めた。
ジェントル「じゃ、こっちの部屋お願いしていい?」
それは彼の寝室でもアトリエでもない部屋。つまり、彼の娘さんのための部屋だった。
アサミ「了解です!」
ジェントル「このダンボールに入ってる荷物は全部クローゼットに入れてもらえる?」
アサミ「はーい」
ジェントル「僕はむこうの部屋を片付けてるから、わからないことがあったら聞いてね」
ダンボールから出てきたもの
何が入っているのかな……。早速ダンボールを開ける。
そこには数冊の本、ノート、スケッチブック、ぬいぐるみ、ベッドリネン類。そして、緩衝材で何重にも包まれたものが入っていた。ほとんどのものをクローゼットの棚に納めたあと、その大切に包まれた緩衝材を解く。
出てきたのは、額に入った絵だった。
娘さんが描いたのだろう。絵の中には一人の男性が笑っていた。「パパへ」という文字が書き添えられている。ジェントルさんを描いた絵ってことよね。
アーティストである彼の血を受け継いでいるからか、小学生なのにとても上手。構図や色使いがキレイ。センスって、遺伝なのかしら。
目に見えない「壁」
この絵、どうしよう? 壁にかけて飾るのかな?
パッと見た限りではいますぐかけられるフックのようなものはない。壁に立てかければいいかな? ちょっと悩んだけれど、結局、緩衝材で包み直してクローゼットに閉まった。
そうよね、彼はパパなんだよね。
さっきまで仲良しカップルだの、半同棲だのと思っていたことが、急に恥ずかしくなった。この部屋は娘さんの部屋。私の部屋ではない。それが現実。何を浮かれているんだろう。
目に見えない壁が、彼と私の間にある気がする。
恋人ではあるけれど
アサミ「終わりましたよ」
彼が片付けをしている寝室へ行った。
ジェントル「ありがとう。じゃ、こっちの部屋を一緒に片付けてもらっていい?」
アサミ「もちろん」
ジェントル「洋服をハンガーにかけてクローゼットに入れてくれる?」
アサミ「はーい!」
努めて明るく返事をしたけれど、心の奥底ではモヤモヤしたものをかかえていた。娘さんが大学に入ったらここに住む計画なのかな。それまであと5~6年。彼にとって私はどんな存在なのだろう。恋人ではあるのだけれど、その先はどう考えているんだろう……?
恋人ができたからといって婚活が終わりでないことを、感じざるを得なかった。
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