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キャサリン妃は完璧! 洋服で仕事がうまくいく「ドレス・フォー・サクセス」とは?

OTONA SALONE / 2021年9月2日 7時30分

『プロトコール』とは、国際社会で円滑に交流し、言葉や文化が異なる人々が平和に心地よく過ごすための決まり事です。ファッションもまた、敬意を伝える大事な表現です。ところで、戦略的にファッションを上手に使うという概念である「ドレス・フォー・サクセス」をご存じですか? 国際的に活躍するためのプロトコールであり、マナーでもあるので、その場にふさわしくない装いでいたら信頼を失うこともあります。プライベートからパブリックなどについての正しい装いについて(一社)日本プロトコール&マナーズ協会主任講師の松田玲子先生にお聞きしました。【連載/気品を身につけるシンプルな教え#12】

 

 

 

『プライベートウエア』と『パブリックウエア』を混同していませんか?

上の写真は、キャサリン妃が英国『チェルシー・フラワー・ショー』の「バック・トゥー・ネイチャー」というガーデンを体験されたときのものです。このガーデンは自然あふれる森林をイメージされており、「いかに自然が人々のメンタルの健康に恩恵を与えているか」を訴え、そして願いながら造られたガーデンです。

 

キャサリン妃は童心に返ったように楽しまれていますね。公務で表に出るときはロイヤルメンバーとして装うキャサリン妃ですが、オフに関しては、ジーンズ姿でカジュアルを徹底されます。もともとスポーツウーマンのキャサリン妃はジーンズ姿もお似合いです。

 

私たちも、洋服を選ぶ際にオンとオフの切り替えとして使うことをおすすめしますが、『プライベートウエア』と『パブリックウエア』を混同している方が多いので注意しましょう。

『プライベートウェア』は自由におしゃれを楽しむものですが、『パブリックウェア』は目的をもって人前に出る時のための装いです。パーティーやレセプション、結婚式の装いも、『パブリックウェア』です。みなさんも「どんなドレスにしようかしら」と悩むことがあるかもしれませんが、ご自分の好みや個性を最優先してドレスを選ぶと失敗することがありますので、この区別だけはつけておきましょう。

 

身だしなみで大切なことは「清潔」であること

『プライベートウエア』と『パブリックウエア』のどちらにも言える身だしなみにおける大切なことは、「清潔であること」です。私たちは本能的に不潔を嫌い、清潔を好みます。ですから、様々な方とお会いする時には「清潔」であることが第一条件になります。清潔であることはお相手に好感を与えることとなり、このことはプロトコールはもちろん、世界共通のマナーでもあります。

『プライベートウェア』では、流行を取り入れたり、行く場所に合わせたり、さまざまな表現が楽しめます。キャサリン妃がおしゃれのアイコンとして皆に注目されるのは、そのような自由な『プライベートウェア』の装いを楽しんでいらっしゃるからかもしれませんね。

この写真は王立園芸協会の除幕にも立ち会われたとのことですので、一部『パブリックウェア』のシーンもあったことでしょう。そのときにキャサリン妃が語られたことをご紹介します。

「私はここにいる多くの人たちと同じように、幼い頃に野外で過ごしました。その時間は子供たちが幸せで健康な大人になれる土台を作る役割を果たしていると信じています。子どもたちも大人も自然に戻り、自然がもたらす精神的、身体的な健康を得ることができるような庭を作ることに情熱を持って取り組みました」と。

 

キャサリン妃が今後数年間、幼児期の発達を仕事の焦点にすることに尽力し、子どもたちに野外で過ごす機会を与えているのだとわかります。誰からも愛され、その幸福感のある笑顔の奥には、そのようなやさしい気持ちがいつもあるからなのですね。

 

『パブリックウエア』では「ドレス・コードを守ること」

こちらの写真は、ウイリアム王子とキャサリン妃がパリを訪問された際のソーシャルパーティにご出席された際のものです。催しの趣旨や目的に合わない装いはその場の調和を乱し、主催者に恥をかかせてしまったり、ゲストの感情を害することもあります。それが外交やビジネスであれば、成功は望めません。『プロトコール』ではドレスコードを設けていますが、それによって世界中どこでも催しの格式が保たれ、ゲストも安心して集うことができるのです。

では、パブリックウェアで重要なことはどのようなことでしょう?

それは、「身だしなみ」を整えることです。それから、「ドレス・コードを守ること」、「好感、信頼感、安心感を与えること」というプロトコールの装いの基本を実践することです。

 

「ドレス・コード」とは思いやりの気持ちからつくられた

「ドレス・コード」とは、特定の場所や場面で身につける服装のルールです。正式な招待状には男性のドレスコードだけが記載されていますので、女性はそれに合わせた装いをします。世界共通のドレスコードがあることによって、世界中どこででも、催しの格が保たれます。また、ゲストの側から見ると、安心して当日を迎えることができます。更に、初対面同志であっても、互いに好感や安心感を持って過ごすことができます。このように、プロトコールのドレスコードもまた、自他への思いやりの心からつくられているのです。

 

淑女には「見られている意識」と「魅せる美意識」が求められる

紳士淑女(=社会的上位者)には、「見られている意識」と「魅せる美意識」が求められます。信頼感・安心感・安定感を与えることやいつ会っても変わらない印象を与えること。不信感・不安定感・嫉妬や反感を与えないことも大切です。
女性の昼間の礼装は、肌を出す分量が少ないほど格が高い装いとなり、肌を出す分量が多いほど格下の装いとなります。夜の礼装は肌を出しても構いませんが、T.P.O.にもよりますが、肌を隠す分量が多いほど上品な装いとなることを覚えておきましょう。

 

キャサリン妃は、フォーマルウエアに相応しいように、華やかさはチュールやレース素材で表現し、デザインはシンプルです。品良く若々しく、ウイリアム王子と二人で並ぶ姿は幸せな様子がにじみ出ています。

 

『ドレス・フォー・サクセス』とは? 洋服で仕事を成功させる

こちらの写真は、ウイリアム王子とキャサリン妃が『ハッピーナショナルブータンデイ』で、ブータンを訪問されたときのものです。

 

これまでも、ロイヤルツアーによって、他国を訪問されたときには「その国にちなんだものを身につけて最大限の敬意をあらわす」というお話をしてきましたが、キャサリン妃は、やはり前身頃に民族衣装で良く使用されるような刺繍が施されたお召し物です。外交がスムーズにとの気持ちも入っていることでしょう。

 

一方、ビジネスの成功の為には、T.P.O.に合わせた服装のルールを自分自身の表現手段として活用することが有効であるという主張で一躍有名になった、「ドレス・フォー・サクセス(成功のための装い)」というものがあります。

 

具体的に説明しますね。

「ドレス・フォー・サクセス(成功のための装い)」はアメリカから発祥した考えです。ビジネスウエアもパブリックウエアであり、目的や立場やその時の状況に適した服装をすることが求められます。また、「ドレス・フォー・サクセス」という概念は、現代の国際ビジネスでも定着しています。

 

催し等では、長時間立ち続けることやお皿やグラスを持ちながら振る舞うこと等から、思わぬ粗相をして周囲に迷惑を掛けてしまう可能性があります。様々なトラブルを未然に防ぎ、自他共に気持ち良く交流することに配慮した服装を選びます。

 

服装については、できるだけ着慣れた服を着用します。新調したスーツやドレスを着る場合は、自宅で何度か着用して実際に挨拶や食事をして、身体の動きにフィットするかどうかを確かめてください。

 

国や地域、気候・風土により異なる為、相手の習慣を事前に調べます。また、都市なのかリゾートなのか、カンファレンスなのかパーティなのか等、様々なT.P.O.に合わせる必要があります。

 

行く先の環境が分からないときには、換えのジャケットや小物を準備しておくことをおすすめします。

 

「ドレス・フォー・サクセス」という発想で服を選ぶことも世界標準のエレガンスであり、一流人の条件の一つです。

プライベートでもビジネスでも外交でも、成功の入り口には、自分を成功へと導くファッションがあります。そのためにはまず正しいドレスコードを知りましょう。
プロトコールのファッション・ルールは、女性のサクセスのため、また人生を楽しむための、よいお手本ではないでしょうか。ぜひ、ヒントにしたいですね。

 

 

≪エディター・ライター/(一社)日本プロトコール&マナーズ協会理事 高谷治美さんの他の記事をチェック!≫

 

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