がんを告知されたら、医師との付き合い方の正解は【大穂その井#5】
OTONA SALONE / 2021年9月24日 12時1分
52歳で突如としてがんが見つかり、同時に親の介護も担うこととなった大穂その井さん。ご自身の体験を話してくれました。好評の内容を再配信します。
技術者である主治医には、なるべく数字を使って報告する
ここでいうチームメンバーとは、私の場合は、
- 主治医(外科医)
- 副主治医(腫瘍内科医):薬物療法の専門家。内科医ですから手術はしません。
- 形成外科医:胸にシリコンを入れてくれた外科医です。
- 東洋医学医:副作用対策で付いてもらいました。漢方の専門家です。
- 放射線科医
- 化学療法室の看護師:抗がん治療専門です。
- 薬剤師
- 近所のかかりつけ医:いつでも飛び込める。
このメンバーの中で「主治医」を「技術者」の位置づけにするとわかりやすいのですが、技術者に正確な判断をしてもらうためにはデータが必要です。
私は、血液検査のデータとは別に、気分や体調のアップダウンをメモしておいて伝えていました。主治医はそれで判断しますから、これはやっておくとよい方法です。
たとえば自分の体調を10段階で評価すると、化学療法を受けて、翌日は平気だったけれど、2日目に体が重くなってきてレベル10からいきなり4まで落ちた。7日目にはだいたい6まで上がってきた、とか。
前回の受診から、どんな変化があったかを数字を使って話す。
主治医はそれを聞いて、「それなら許容範囲内」だとか、「長引いていておかしいから薬の量を減らそう」、あるいは「ストップしよう」と判断するわけです。
電子カルテにも入力しますから、私のデータはどんどん蓄積されていきます。電子カルテはあとからの検索も楽だし、病院内では情報共有もリアルタイムですから、現時点での私の状態がチームメンバーにいきわたります。
近所のかかりつけ医には定期的に報告をして、データをすべて持って行きました。
がん患者の側が医療者の体調を気遣ってみると
もうひとつ大事なのはコミュニケーション。
主治医や他のチームメンバーと信頼関係を築く=「仲良くなる」ために、忙しい皆さんの体調を気遣うことから始めました。
本来なら患者である私が気遣われるのが普通ですが、あえて治療に関わるメンバーを気遣う。
「先生こそお疲れさまです」「風邪がはやってるけれど体調は大丈夫?」など。プライベートに立ち入った質問はしませんが、そんな言葉をかけているうちに、あちらからも話してくれるようになります。
「私じゃなくて子供が熱を出しちゃったんだよね」とか。たとえ短い時間でも、そうやって個人的なことを話したり聞いたりすることで絆が深まっていきました。
それに、「自分はこうなっているんだけど、他の患者さんはどうなんですか?」とよく聞きました。
そうすれば それぞれのメンバーが他の患者さんとどう接しているのかわかりますし、参考になることを教えてもらえます。
つづき#6>>>ところが、そんな医師がまさかの「ミス」をしたら…?
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