「ただ復職するだけじゃ評価されない」令和のアラフォー女性のリアルな仕事観とは?
OTONA SALONE / 2021年10月12日 20時30分
「ワーキング・マザー」略して、”ワーママ”という言葉が出現した平成。でも、ワーキングパパという言葉はあまり聞かれませんよね。
子供を持つ女性が働くことが特異という前提や意識のせいなのか…?
働く女性のためのメディア、オトナサローネではニューノーマルな働き方を模索する新シリーズ『#カワル働き方総研』をスタート。
今回は、子を持つアラフォー女性約50人にヒアリング。それぞれの回答から見えてくる課題や意識にこれからの働き方のヒントを模索します。
※今回は会社勤めの方に限ってお話を聞いています。
「育休後の復帰が当然」のいま。”ただ戻る”だけじゃ評価されない
Q:「育休はブランク」ととらえますか?
「育休は完全にブランクだと思ってます。自分もたぶん職場のみんなも。私は第1子の育休中なので、復帰後の自分の姿も具体的にまだ想像できてないです」(マスコミ・30代・一般社員)
「育休中の過ごし方によるのでは?余力があれば、復帰後に向けて資格を取ったり、勉強をしたりして、パワーアップするための時間ととらえてもいいと思います。私も2人目の育休中には、資格取得のために勉強していました。何もやってなかったら正直”ブランク”ととらえられてもしょうがないのかと。でも1人目のときは、勝手がわからず仕事のための準備なんてできなかったのも事実です…」(人材派遣・30代・課長職)
「最近、育休後の職場復帰する社員のための研修があったのですが、思った以上に男性も参加していました。男性の育休取得が常識になったらきっと”育休=ブランク”の方程式も変わる気がしました」(メーカー・40代・課長職)
「子供を産んだら家庭に入る」ではなく「育休後は復職が当たり前」の時代。競争相手が多くなるからこそ職場からの手放しの『戻ってきて!』という声を期待するのは難しいと思う、という厳しい意見も。キャリアの面から見たら、育休がブランクととらえられる可能性が高いというのは、女性側からも多く聞かれました。
子供が可愛いのと仕事したいのが半々の自分…。
Q:キャリアアップ志向はありますか?
「いわゆる自分はバリキャリってタイプではないです。子供も可愛いけど、子供のためにも私が働いていたほうがいいと思うので仕事をしてる部分もあります。子供いるなしに関わらず、『役職上がりたい』って女性は私の周りには少ないです」(通信関係・30代・一般社員)
「私の場合は役職あがるより、”年収を下げずになるべく長く働く”が目標。ぶっちゃけ現状維持するだけでも大変だと思います。だって同じ能力なら若い人のほうが使えるから。あとは今務めてる会社以外の選択肢=副業も視野にいれています」(マスコミ・40代・課長職)
「もちろん、役職上がれたほうがいいとは思うのですが、ちょうど出世か出産かみたいなタイミングで出産を優先したので、機を逃したかも…と思っています。そういう意味ではキャリアアップと育児のタイミングを計るのってすごく難しいです」(IT・30代・一般社員)
「キャリアアップ=役職があがる」だけでは、もはやないという声も。副業や、ダブルワーク、もしくは資格取得など今の仕事の幅を広げることを考えるなどが、実は多くの女性たちのリアルなのかもしれません。あとはキャリア優先することで、結果的に高齢出産になり、役職には戻れるけど、どちらがよいのか?という議論も。
女性ならではの苦悩を求められるのがツライ
Q:周囲から”女性ゆえの”差別を受けてると感じますか?
「『感じなくはない』程度です。たぶん自分が出世欲がなかったり、バリバリ仕事したいタイプじゃないので、いまだに男尊女卑的な発言をするおじ様上司がいても、自分ごとには思えないし、なにくそー!って気持ちになりません(笑)」(医療関係・30代・一般社員)
「女性だからこその管理職としての苦労を聞かれたりするのに、正直うっとおしさを感じます。管理職の大変さは男性でも女性でも変わらないと思ってるので、そこにスポットをあてられるのは違和感です」(広告代理店・40代・部長職)
「私の会社では女性管理職の割合を数値目標化していて、正直そのおかげで自分は役職につけたところもあります。もしかしたら同期の男性は快く思ってないかもしれない。最初は能力じゃなくて、女性だから管理職になれたのかなってネガな気持ちになったりしましたが、これを利用したほうがいいかと気持ちを切り替えてます」(通信関係・30代・課長職)
もちろん会社間によって、ジェンダーギャップの差が激しかったり、マタハラなども現実にはある世の中。でも働くアラフォー女性(今回は子持ち)からは、そこに対して抵抗するよりも、受け流して、自分なりのヴィジョンや働く意義を見つけるほうがはるかにメリットが大きいととらえてる様子が見て取れました。
今必要なのは、「子ともがいるのに働いていて大変」の声ではなく、子供がいてもいなくても”自分軸”で働ける環境と価値創出、そして女性自身のマインドリセットかもしれません。
≪OTONA SALONE編集長 時田紗耶香さんの他の記事をチェック!≫
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