46歳、まさか私の性欲が減退するなんて。このまま終わっていくのかな【性のリアル#20後】
OTONA SALONE / 2021年10月2日 20時1分
夫とは仲よしだけどセックスレス。性欲を持て余して、結婚前のセックスパートナーのひとり、タクヤさんに連絡し、体だけの関係をつづけているイヅミさん(46歳)。
といってもその関係はドライなものではない。ラブホテル以外では会わない、デートは一切なし。それでも、お互いの欲望を満たし終わったあとの時間は、ふたりでのんびり近況を報告し合って過ごす。近い仕事をしているため、刺激を受けることも多いという。イヅミさんは相手の男性のことを「いま仕事もノッていて、男盛り。だからこそ性的に惹かれる」という。
【40代、50代の性のリアル #20後編】
激しく求められてはじめて、自分のなかの「女」を実感する
「夫とのセックスレスの理由も、そこにあるのかもしれません」
と、イヅミさん。夫は穏やかな性格で、野心を燃やすよりも、自分にできることをコツコツと積み上げていくタイプ。ともに過ごすならこんな人がいいと思い、40歳を目前に結婚した。結婚7年目になる現在も、たしかな愛情を感じる。夫を生涯の伴侶と考えているとイヅミさんは話す。
「でも、性的には物足りない。もっと激しく求められたい、ワケがわからなくなるほど気持ちよくなりたいという欲求が常にくすぶっているけど、それは夫には向かわないんです」
タクヤさんなら、その求めに応えてくれる。会える回数は少ないけど、イヅミさんの体力の限界に達するまで求め合うのだという。
「40代半ばになって性欲が落ちてきたのを感じます。彼とするときも、気持ちと体のエンジンがかかるのに時間がかかるようになりました。濡れにくくなって、焦るときもあります。彼にバレたくないんですよね、老けたなって思われそうで。それだけに、我を忘れるぐらい気持ちよくなれたあとは、あぁ私まだちゃんと女だなって安心できるんです」
肌のハリ、ボディライン、白髪…加齢は素敵なことだと言うけれど
いつまでこうしてセックスできるんだろう、いつか彼は自分に性的な魅力を感じなくなるんじゃないか。最近のイヅミさんの悩みは、容姿なのだという。
「普段、日常生活のなかではルッキズムもエイジズムもなくなればいいと思っているんですけどね」
イヅミさんは苦く笑う。ルッキズム=外見差別、エイジズム=年齢差別のことで、外見や年齢を理由にその人が不利益をこうむるのは差別にほかならないという考えで、女性の価値は若さと容姿のよさであるとする社会では、それが強固だといえる。
「年齢や容姿で悩んでいる友人や後輩がいたら、ルッキズムやエイジズムにとらわれるなんて古いよ! それにしか価値を求めない男がいたら、それはクソ男だよ! と断言しているんですが、自分のこと、特に裸になった自分のことになると、途端に自信がなくなるんです。若いころと比べると当然、肌のハリはなくなっているし、ボディラインも変わっています。胸はもともと大きくないのですが、しぼんだと感じますね。いちばん気になるのは、白髪ですよね。彼と会う日は、いつもより身支度に時間をかけてチェックします」
イヅミさんはいわゆる童顔で、言葉を選ばずにいうと実年齢よりだいぶ年下に見える。だから自信を持てばいい、という単純な話ではない。イヅミさんがとらわれている”呪い”の根っこが気になるところだ。
元カレはすべて年上男性。彼らは何に惹かれていたか?
「彼はそんなことを気にする人ではないことはわかっているんです。でも、そもそもモテる人だし、仕事柄、若い女性との接点も多い。私のなかでは、男の人は結局若い女性が好き、っていう考えが根強いんですよね。それは自分が20代から30代にかけて付き合ってきたのが、ずっと年上の男性たちで、彼らはそのときの私の若さに惹かれていたんだろうな、と思うからかも。長くつき合った人もいるし、いい交際だったと思う人もいるんですが、じゃあ彼らが40代の私と付き合うかといったら……うーん、ないんじゃないかな」
もしもの話、タクヤさんが若い女性と付き合うためにイヅミさんと会わなくなったとしたら、どう思うのだろうか?
いつセックスできなくなっても、悔いがないように
「嫉妬はしないです、たぶん。そんなもんか、っていうあきらめの気持ちが強い。そこで追っかけるようなことはしたくないですね。それから、私はこの後誰とセックスすればいいんだろうって途方に暮れると思います。性欲はだいぶ鳴りを潜めましたけど、セックスしているときの『ああ、私って女なんだなぁ』って感覚はまだ手放したくない。でも彼以上に私の身体を理解してくれて、一緒に気持ちよくなれる人はそうそういないと思うので……ってことは、もう生涯セックスできなくなるのかな」
その日がいつ来るかは、わからない。そもそもそんな日は来ずに、タクヤさんとの関係は今後もつづくかもしれない。だったらせめて、バレて強制終了となるのだけは避けたい、とイヅミさん。
「いまは性欲の火が弱まるたびに、自分でふいごを吹いて火を起こしている状態。愉しめるうちは、とことん愉しみたいと思います。いつ終わっても悔いのないように」
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