40代独身、恋人がいても「恋愛に自信がない」理由【40代編集部長の婚活記#275】
OTONA SALONE / 2021年11月10日 17時0分
40代の婚活で、40代の恋愛で本当に重要なことは……? 婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
時は数年前に遡って、ジェントルさんとの復縁編。ステキな誕生日プレゼントをもらってちょっと浮かれているアサミだけれど……。この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#275】
僕に失望されるのが「こわい」
何がこわいんだろう? 私を傷つけて、ガマンさせて? 私は強いからそんなの大丈夫なのに。
ジェントル「いつか、あなたが僕に失望してしまう気がしてこわいんです」
アサミ「失望? 私が?」
ジェントル「うん。それであなたを失うのがこわい」
アサミ「大丈夫。私はそばにいるから」
彼との関係性がまた少し、変わった気がした。父親と娘っぽく感じたときも、上司と部下っぽく感じたときもあったけれど、今日はまた息子と母親のような感覚。
そして、ハッキリと自覚した。私は他人との摩擦を避けたいから言葉を飲み込むクセがあるのだと。自分が言わなければ丸く収まるならそれでいいと思ってしまいがちなのだ。そのせいで「何を考えているかわからない」と言われるんだよね。
でも、彼に思ったことをすべて言葉にしていいのだろうか? この時点の私には、まだ判断がつかなかった。
すべてを言葉にするのは「いいこと」?
私はおしゃべりなほうだ。それはいまに始まったことではなく、子供の頃からそうだったと思う。中学校を卒業するときの寄せ書きで、別の高校へ進学する同級生からもらったメッセージをいまもよく覚えている。
「機関銃のようなおしゃべりを聞けなくなるのはうれしいような、寂しいような」
機関銃のようって、どれだけ学校でしゃべってたんだ(苦笑)。
その一方で、数年前にある知人に指摘されたことがある。
「あなたは基本的にオープンなんだけど“無防備な防備”があって、その先に誰にも入れさせない感じがある」
ドキッとした。そして腑に落ちた。自分でも明確にできなかった感覚を言語化された気がした。無防備な防備……。無防備そうにオープンに話しているけれど、なんらかの防備をして話さないことがある。
うん、それはわかる。
「無防備な防備がある」と言われて
私は何を無防備に語り、何を防備して隠しているのだろうか?
感情をすべて隠すわけではない。というか、基本的には喜怒哀楽は表現しているほうだ。ただ、ある一定のラインで特に怒や哀を隠す。
その一定のラインってなんだ? 自問自答する。
自分の感情を表現することで、その場の雰囲気が悪くなる。丸くおさまらない。悲しむ人がいる。怒る人がいる。わがままだと思われる。感情的だと思われる。そんなことになるんだったら、私が言わなければ済むこと。私がガマンすればいいや。
あぁ、そうだ。私はそんな風に考えてしまうんだ。
雰囲気が悪くなるのが苦手
どんな感情でも隠さずにコミュニケーションできる相手は……考えたら、家族と限られた親友くらいかもしれない。
仮にその場の雰囲気が悪くなったり、相手を負の感情にする言葉を発しても「この人なら大丈夫」「この人ならどんな自分でも受け止めてくれる」「この人なら去っていかない」、そう思える人だけだ。
もしくはその逆で「この人にはどう思われてもいい」「去られてもいい」と覚悟した相手なら言っちゃうかもだけど(苦笑)。
彼に対して一定のラインを隠してしまうのは……。まだ私の中で「彼なら大丈夫」「彼なら去っていかない」という自信がない、からなんだよね。それは過去の恋愛のトラウマなのか、一度彼にもフラれたことがあるからなのか。
「彼なら大丈夫」という自信がない
彼のことを「この人なら大丈夫」って思える自分になりたい。彼なら去っていかないと自信を持てる自分になりたい。
そんな自信、どうやったら持てるんだろう。
仕事でも勉強でもスポーツでも、結果を出せば自信になる。そのために自分で学習したり、練習したりするわけだけど……。
恋愛の場合は? 恋愛の結果ってナニ? そのための学習ってナンだ? 恋愛における自信の持ち方がわかんないよ。誰か教えてー!
恋愛に「自信を持つ方法」って?
復縁してから約10カ月が経つ。彼に対しての自信は持てないながらも、お付き合いは続いていた。
相変わらずめんどくさい部分はあるけれど、優しいし、大切にしてくれているし、「好き」「かわいい」といった言葉も伝えてくれるし。ときどきお互い別の予定が入りつつも、ほぼ毎週末のように一緒に過ごしていた。
このままの状況がずっと続いたらいいな。私はそう思っていた。
でも、彼はちょっと違っていたのかもしれない。
彼が考えている「いまの状況」
ジェントル「やっぱり僕、仕事辞めようかな」
アサミ「また何かあったの?」
ジェントル「ううん。前と同じ。ボスにはもうついていけないかも」
アサミ「そっか。ジェントルさんらしくいられないんだったら、辞めていいんじゃない」
ジェントル「でも子供のことがあるからな」
バツイチの彼には別居しているお子さんがいる。当然、養育費を払ってる。まだ中学生になったばかりだから、まだ10年くらいは養育費がかかるわけで。簡単に仕事を辞められないよね。
家族がいるって、そういうことだ。
「子供がいる彼」と付き合うということ
ジェントル「グジグジ言いながら決断ができない僕なんて、イヤになるでしょ?」
アサミ「え、なんで?」
お子さんのことを考えて決断ができないのは、子供がいない私でも想像すれば理解できる。
ジェントル「あなたは自分の意思で人生を選べるじゃない。でも僕はそうじゃない。結局、子供のことを考えてしまう」
アサミ「当然のことでしょう? イヤだなんて思ったことないわ」
ジェントル「僕の複雑な事情が、あなたを振り回してる気がして」
アサミ「お子さんのことはわかった上で一緒にいるんだから。気にしないで」
彼は出会ったときから子供がいると伝えてくれたもの。いろいろ覚悟してる。以前、隠していた人もいたけど……。
それはわかっていたこと
ジェントル「昨日、子供の夢を見たんだ」
ため息をついて、うつむきながら話す彼。
アサミ「夢? どんな?」
ジェントル「崖のふちを一人で歩いているの。ちょっと躓いた瞬間、深い、深い谷底に落ちていくの」
アサミ「……」
ジェントル「その瞬間、目が覚めて。心臓がバクバクいっていて……。あぁ、夢だ。よかったって」
アサミ「わるい夢ね」
ジェントル「この夢は、昨日だけじゃないんだ。何度か見てる」
彼が見ている悪夢
気になっていることがあるとそれが夢に出てくる、なんて話を聞いたことがある。私も仕事でいっぱいいっぱいだったとき、仕事の夢を見た。
ジェントル「そのたびに、僕はこうしていていいんだろうかって思ってしまうんだ」
アサミ「何が?」
ジェントル「あなたとこんなふうに一緒にいて、甘えていいんだろうかって」
アサミ「どうして?」
ジェントル「子供はまだ両親が離婚したことに苦しんでいるのかもしれない。本当は家族そろった暮らしをしていたかったんだと思うし」
アサミ「……」
ジェントル「僕たち親のエゴで子供を苦しませているのに、僕がこんなふうに幸せでいていいんだろうかと」
僕が幸せでいていいの?
何も言えなかった。
お子さんがいま、両親の離婚をどう思っているのかは正直わからない。でも、離婚した親たちが別の幸せを見つけることがいけないわけはないと思う。だけど、結婚も離婚もしたことがない私に、軽々しく何かを言うことはできなかった。
ジェントル「正直、ずっとそれを思っていた」
アサミ「ずっと? いつから?」
ジェントル「あなたと出会ったときから」
アサミ「出会ったときって、お付き合いする前?」
ジェントル「うん」
彼がずっと思っていたこと
出会ったときから「僕が幸せになっていいのだろうか」って思っていたってこと?
ジェントル「初めて2人で会ったときから、僕はあなたに惹かれたの。会う前に文章から感じていたままの人だったし、一緒にいたいと思ったんです」
アサミ「ありがとう……」
ジェントル「でも、あなたとのデートで楽しく過ごしたあと、苦しい気持ちになることもあった」
そうだったんだ……。まったく察することもできなくて、ごめんなさい。
ジェントル「あなたとのお付き合いに迷っていたこともあった。離婚した僕が、子供がいる僕が、恋愛していいんだろうかって」
あぁ、なるほど。メッセージの返信が遅かったり、デートとデートの間が空いてしまったりしたのはそういう理由もあったのね。
ジェントル「去年、病気のことで別れ話をしたときも、子供のことで咎める気持ちがあって」
あれ、この流れってもしかして。似たような感覚は過去にもあったような……。彼の言葉から、胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。
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