40代「最後の恋」と思っていたけど…復縁10カ月の行方は?【40代編集部長の婚活記#276】
OTONA SALONE / 2021年11月17日 17時0分
40代の婚活で、40代の恋愛で本当に重要なことは……? 婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
時は数年前に遡って、ジェントルさんとの復縁編。ステキな誕生日プレゼントをもらってちょっと浮かれているアサミだけれど……。この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#276】
彼がずっと思っていたこと
付き合ったり、別れたり。ラブラブだったり、問い詰められたり(?)。甘えられたり、機嫌がわるかったり……。なんとなく続いているけれど、どこか不安定だった私たちの交際。
ひとつの理由は、私に「愛され続ける自信」がなかったこと。彼と自分をくらべてしまったり、彼の前の奥様を気にしてしまったり、自分の過去の恋愛でいだいた男性不信が払拭できなかったからだ。
もうひとつの理由は、彼の「迷い」。実は、出会ったころから彼の心は揺れ動いていた。私と一緒にいたい気持ちと、離婚して別居しているお子さんに対して遠慮する気持ち。
ジェントル「あなたとのお付き合いに迷っていたこともあった。離婚した僕が、子供がいる僕が、恋愛していいんだろうかって」
あぁ、なるほど。メッセージの返信が遅かったり、デートとデートの間が空いてしまったりしたのはそういう理由もあったのね。
ジェントル「去年、病気のことで別れ話をしたときも、子供のことで咎める気持ちがあって」
彼の言葉から、胸騒ぎを覚えずにはいられなかった。
子供がいる僕が、恋愛していいのか?
シングルファーザーやシングルマザーが恋愛することに、個人的にはまったくもって疑問はない。人を好きになったり、恋愛することは自由。もしろんしないことも自由。
だけど、お子さんがいる人自身にとっては、迷える問題だっていうことも理解できる。
かれこれ1年近く前、私たちは一度別れた。そのときは病気がおもな理由だったけれど、彼に言われたのはこんな言葉。
ジェントル「病気のことがあってわかったのは、僕はアサミさんを一番にはしてあげられない。いまだけじゃなくて、たぶんずっと。それはアサミさんに申し訳ないことです」
彼にとってはお子さんのことが一番で、ほかはどんな重要なことであっても、大切な人であってもけっして越えられない壁がある。それはいまだけでなく、たぶんこの先も変わらない。それを変えようなんて気持ちもない。
ただ、彼がいま苦しんでいるのは事実。
子供と恋愛の間で悩んでいる
もしかして、そろそろ潮時なのかもしれない。
お子さんのことだけじゃなく、ここ最近……私の本音がわからないとか、仕事を辞めたいとか、そんな発言もあったりして私もちょっと疲れてきたのかもしれない。
彼のことは好きだし、彼も好きと言ってくれている。けれど、付き合うってお互いに好きなだけじゃ続かないんだな。おぼろげながら、そんなことに気付かされた。
私の心の中で覚悟ができた。呼吸を整え、まっすぐに彼を見つめてひとこと、言った。
アサミ「わかりました」
覚悟はできた
ジェントル「わかったって、何が?」
アサミ「あなたが苦しい気持ちでいること」
ジェントル「…うん」
アサミ「私はあなたを苦しませたくないの」
彼は不思議そうな顔をして私を見ている。
アサミ「お友達に戻りましょうか、私たち」
ジェントル「お友達?」
恋人から、お友達へ
アサミ「私とお付き合いしていることがあなたを苦しませているのでしょう? だったら、お友達になりましょう」
ジェントル「えっ?」
彼にとっては予期せぬ言葉だったのだろうか。呆気にとられたような表情になった。あれ、不思議なこと言っちゃったかな?
ジェントル「それ、どういうこと?」
アサミ「恋愛していることに咎める気持ちがあるなら、恋人っていう関係じゃなくなればいいんじゃない? だったらお友達でしょ」
私は彼のことが好きだし、本音をいえば恋人の関係でいたい。でも、彼がつらいのなら……仕方のないこと。恋人としてはいまは終わりにするしかないかなと。
終わりにするしかない
ジェントル「それでいいの?」
アサミ「あなたのことは好きよ。恋人でなくなることはつらいけど、好きな人が私のことで苦しんでしまうのはもっとつらいもの」
ジェントル「ごめん……」
ここで謝るんだ……。ということは、彼も恋人でなくなることを望んでいたってことか。恋人のままでいたいと思ったら、選ぶ言葉は違うはず。あ~ぁ、自分から友達に戻るって言ったけど、言わされちゃったって感じかな。
アサミ「じゃ、もう帰ろうかな」
このまま彼の家にいたら、いまの冷静な感情をキープすることはできない。一刻も早く、一人になったほうがいいと思った。
早く、一人になろう
覚悟を決めたら行動は速やかに。座っていたソファからスッと立った。
アサミ「ここに置いてある私の荷物、持って帰るね」
ジェントル「どうして?」
アサミ「ただの友達の家には泊まったりしないでしょ」
ジェントル「あぁ」
アサミ「着替えとか取ってくるから、寝室のクローゼット開けていい?」
ジェントル「うん……」
荷物を取りに寝室へ
一人で彼の寝室へ行き、着替えや化粧品などの荷物をまとめながら思っていた。彼と一緒に過ごしたこの部屋へ、もう来ることはないのだと。恋人だから毎週のように一緒にこの部屋で過ごしたけれど、ただの友達ならそうじゃない。そこはハッキリと線引きをしないと。
別れるという言葉は使っていないけれど、実質、別れるだよね。あ~ぁ、しかも私から言っちゃった。よく考えたら自分から恋愛を終わりにする的な発言をしたのは人生初のこと。
しかも、好きなのに終わらせちゃうなんてね……。
好きだけど、終わりなんだね
アサミ「じゃ、帰りますね。おじゃましました」
荷物をかかえてそそくさと玄関へ向かおうとした。
ジェントル「ちょっと待って」
アサミ「何?」
ジェントル「ハグしたい。一旦、荷物置いてもらってもいい?」
帰り際に何を言うの。そんなことされたら、覚悟した心が揺らいでしまいそう。
アサミ「お友達でしょ?」
ハグしたいって!?
ジェントル「ハグはお友達同士もすることでしょ」
そりゃ、欧米では……。海外暮らしが長い彼にとってはスタンダードかもしれないけど。
アサミ「私の日常ではあまりないわ」
ジェントル「いいから。ね、置いて」
せつなそうな目で見つめられて、思わず言う通りにしてしまう。その瞬間、背の高い彼が私をギュッと包み込んだ。
ジェントル「ありがとう。ごめんね」
アサミ「私こそ、ありがとう。あなたに出会えてよかった」
本当に出会えてよかった
ジェントル「一緒にいて本当に楽しかった。離婚して以来、女性を好きになることはないと思っていたから。あなたを好きになれてよかった」
アサミ「私も。40歳ごろからもう恋愛することないと思っていたから」
本当にそう。30代で私の最後の恋は終わったと思っていた。婚活を始めた44歳のときも、正直その気持ちは拭えなかった。だけど……46歳で彼と出会い、恋している自分に気づき、恋人同士になるなんてね。
そして40代で始まったこの恋こそ、最後の恋になると思っていたけれど……。
そのまま5分くらい、ずっとお互いの温もりとお礼の気持ちを伝えあっていた。幸せな時間の思い出がよみがえってきて、気がつけば目から涙があふれていた。
体を離して、もう一度見つめ合う。どうしよう、泣いてるのがバレちゃう。
ジェントル「あ、涙……」
復縁して10カ月で訪れた「恋の終わり」
アサミ「ごめんなさい。泣かないようにガマンしたんだけど」
ジェントル「でも、お友達だから。さよならじゃないから」
アサミ「そうよね。お友達だもんね」
ジェントル「ときどきお茶しましょう」
アサミ「うん」
ジェントル「ランチも行きましょう」
アサミ「そうね。近所だもんね」
ジェントル「また連絡するね」
アサミ「うん」
涙をぬぐって、にっこりと笑顔を見せた。
アサミ「じゃ、行くね」
その言葉を最後に、彼の家を出た。なぜだか少しでも早く遠ざかりたくて、気がづけば小走りになっていた。ジェントルさんと復縁して10カ月、私の婚活はまた振り出しへと戻ることになった……。
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