衝撃の決断!「急なことですが」という彼のメッセージは!?【40代編集部長の婚活記#278】
OTONA SALONE / 2021年12月1日 17時0分
40代の婚活は、山あり谷あり。婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
時は数年前に遡って、ジェントルさんとの復縁編。……かと思えば、「お友達」に戻ることになり……。この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#278】
彼からメッセージが届く
3週間ぶりのメッセージを送ってから3日後のことだった。仕事を終えて家に着くと、彼からのメッセージが届いていた。3日後にメッセージが届くなんて“お友達”だけど、なんかうれしい!
なんだろう? どんな用事かな? たまにはランチでもとか? なーんて、ほんのちょっとだけを期待する気持ちがなくもなかったりして。
ワクワクしながらメッセージを開いた。
ジェントル「アサミさん、こんばんは。急なことなのですが……」
そこに書かれていた内容は、私のほんのちょっとの期待はまったく見当外れの、予想外のことだった──。
「急なこと」って何?
急なことって何? なんだかあまりいいことじゃない予感がしてきた。
ジェントル「一昨日でエージェントを退職しました」
なるほど、退職か……。もうだいぶ前から会社を辞めたいとは言っていたもの。来るべきときがついに来たのね。
ジェントル「引き留めもあったのですが、別のエージェントに声をかけていただいて、そこに移ることにしました」
あ、そうなの! 転職も考えていると言ってたけど、新しいところが決まっていたのね。
アサミ「転職おめでとうございます。よかったですね!」
シンプルにそれだけを返信すると、驚きの答えが返ってきた。それはただの転職ではなかったのだ。
ただの転職、ではなかった
ジェントル「ありがとうございます。実は新しいエージェントは東京ではなく、台湾が拠点です」
え、台湾が拠点!? ということはもしかして……!
ジェントル「来月には台湾へ引っ越すことになりました。本当に急なんですけど」
東京から離れてしまうんだ……。いままでみたいにすぐには会えない場所へ行ってしまうのね。正直さみしいけど……私たちはただのお友達。彼の人生は彼のものだから、私にどうこう言う権利はない、もんね。
そう自分に言い聞かせてメッセージを送った。
アサミ「素敵な選択だと思います。以前から日本のビジネスのやり方に合わないって言ってたから、そのほうがあなたには合っているのかなって思います」
転職で台湾へ!
ジェントル「正しい選択をしているのかはわかりませんが」
アサミ「ジェントルさんが決めたことですから、大丈夫です」
彼を引き留める資格もないただの友達である私には、これが精一杯の強がりだった。「さみしい」。その一言が言えない。
アサミ「いつ台湾へ出発するのですか?」
ジェントル「来月5日の予定です。それまでに引越し先と、いまの家をどうするか決めないとなのでちょっとバタバタですが」
いまは月の半ばだから……来月5日までは2週間ちょっとじゃない! いくらなんでも急すぎ! ドラマかよ!
アサミ「あと2週間くらい! もうすぐ、なんですね」
ジェントル「はい。そうなります」
いくらなんでも急展開すぎ!
台湾へ引っ越すといっても、こんなにすぐとは思わなかった。あと2週間ちょっとで、彼とは簡単に会えなくなる。お友達になっても「たまにはランチしましょうね」なんて話てたけど、ランチでちょっと台湾へ…なんてできないし!
ジェントル「あなたには色々と迷惑をかけてしまったと反省しています。だからひとこと報告と思ってメールさせていただきました」
アサミ「ご報告いただけてうれしいです」
ただ急すぎるし、心の準備が……。心臓がドキドキしてきた。なんだろう、本当の別れの予感がする。
アサミ「旅立ち前の準備でお忙しいと思うのですが。。。 少しでもいいので会いたい、です」
ジェントル「お言葉うれしいです。ありがとうございます。月内は引き継ぎや家族と会う予定もあってなかなか時間が取れなそうで」
会う時間はなさそう…(涙)
アサミ「そうですよね。すみません」
旅立ってしまう前に一度くらい会いたかった。でも……わがまま言っちゃいけないよね。
ジェントル「こちらこそすみません。急に決まったことで、僕もちょっと混乱しています」
アサミ「門出をお祝いしたい気持ちはありますが、お忙しいのは重々承知なので、大丈夫です」
あ、大丈夫なんて書いちゃった。本当は会いたいくせに。彼を困らせたくないから、嫌われたくないから……空気を読んで引いてしまっている。本音じゃないこと伝えちゃってるんだもんね。彼に「本音がわからない」って言われて当然だ。
困らせたくないから本音が言えない
もう、彼と会うことはないのかもしれない。だったら、彼が困らないくらいの本音、ちょっとだけ伝えてみようか。
アサミ「お顔を見て話したいって気持ちもあって。ビデオ通話とかでもできたら、なんて……」
嫌われたくないから言えずにいた私の本音を、少しでも彼が困らないレベルで考えた答えがビデオ通話だった。会う時間を割くのはむずかしくても、いまやりとりしているメッセージをせめて顔を見て話せたら。彼は、受け止めてくれるだろうか?
ジェントル「ありがとうございます。では、ビデオ通話いたしますね」
呼び出し音が鳴った。画面越しだけれど、3週間ぶりに彼に会えるんだ……。あ、でも仕事が終わって家に着いたばかりで、メイクも崩れてるし髪も整ってない!
ま、いいや。出ちゃおう!
メイクも髪もヒドイけれど!
アサミ「こんばんは」
ジェントル「こんばんは」
3週間ぶりに画面越しに会った彼はちょっと無精髭が伸びていたけれど、元気そうに見えた。ちょっとだけホッとした。
アサミ「お久しぶりですね。お髭、伸ばしてるの?」
ジェントル「あぁ、ちょっと忙しかったのもあって剃るのをサボってたの。お髭キライよね?」
アサミ「ううん。似合ってる」
ジェントル「アサミさんは変わらないね。今日もかわいらしい」
そんな、やさしい言葉をかけないでよ。ズルい。できるだけ冷静に話そうとしてるのに、さみしいっていう気持ちが抑えられなくなっちゃうじゃない。
そのやさしさはズルいよ
ジェントル「急に驚かせてしまって、ごめんね」
アサミ「ちょっとびっくりしたけど……。前から転職したいとか言ってたから」
そう遠くない頃に転職するとは思っていたけど、まさか台湾とは……。でも、以前もアメリカ、中国、フランスなど海外で仕事していた人だし、彼にとっては海外で働くことはフツーのことなのよね。
ジェントル「国内のエージェントとも交渉はしてたんだけど、台湾のエージェントは面白そうなビジネスがあって」
アサミ「やりがいのある仕事のほうがいいじゃないですか」
ジェントル「うん。そうだね」
いまの私には、彼を応援することしかできない。
彼の選択をただ「応援」するだけ
アサミ「ご家族はなんて?」
彼にとって一番大切なのは別居しているお子さん。いまも離れ離れで暮らしているけれど、その距離がずっと遠くなる。
ジェントル「元妻はまた?って感じだし、娘は“パパがいいならいいんじゃない”って。クールなもんですよ」
アサミ「理解してくれてるんですね」
ジェントル「月末に会うことにしてるから、その時はどう言ってくるかわからないけど」
旅立つ前に一番会いたいのはお子さんよね。私と会う時間なんて、ないよね。
私と会う時間なんて
アサミ「ジェントルさんがもっとイキイキとお仕事できるならいい選択だなって」
あぁ、なんでそんな上辺のことを言ってしまうの! せっかくビデオ通話で会えたんだから、ちゃんと本音を言いなさい、自分!
アサミ「個人的には……やっぱりさみしいです」
言った! 言っちゃった! 迷惑? 重荷? やっぱり困った顔してる……かな?
ジェントル「そう言っていただけてうれしいです」
やさしく微笑んで受け止めてくれた彼。でもま、社交辞令よね。ホントは困るよね。
ジェントル「日本とのビジネスもあるみたいだから、数ヶ月に1回は日本への出張もあると思う」
アサミ「そうなの。でもきっと、忙しいですよね」
ジェントル「まだなんともわからないけど、時間があるときはごはんしましょう」
アサミ「うん」
社交辞令だと思うけど、そう言ってくれるだけでうれしいよ。
もう一生、会えないのかな
少しのあいだ、沈黙が続く。
この1年半、いろいろなことがあった。出会って、デートして、もしかしてゲイかもと思ったり、気があるのかないのかわからなかったり。付き合ってからも、病気のことがあって別れたり、復縁したり、穏やかな日々もあれば、問い詰められることもあり……。
でも、好きだった。全力で好きだった。もう恋人ではなく「お友達」だけど、私にとっては大切な人。こんなに好きなのに、彼は遠くに行ってしまう。出張で日本に来たときはなんて言っても、そのときはたぶん会う人はお子さんだったりするはず。
もう二度と、彼には会えないのかな。一生、会えないかもしれない。この画面越しが最後……?
ジェントル「今月は予定が詰まってるけど、来月、出発の前日は空いてるから……会いますか?」
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≪OTONA SALONE編集部長・婚活コラムニスト 浅見悦子さんの他の記事をチェック!≫
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