これが彼との最後? 私の恋愛がフラレて終わる理由【40代編集部長の婚活記#279】
OTONA SALONE / 2021年12月8日 17時0分
40代の婚活は、ジェットコースター・ロマンス? 婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
時は数年前に遡って、ジェントルさんとの復縁編。……かと思えば、「お友達」に戻ることになり、さらには転職そして海外へ!? この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#279】
変わっていく彼と、変わらない私
ビデオ通話で彼と顔を合わせた。「お友達宣言」以来だから、約3週間ぶりかな。
会わない間に、無精髭を生やしたり、転職が決まったり、海外へ引っ越すことも決まったジェントルさん。見た目も変わらなければ、仕事も家もなんにも変わらない私。
私たちは「生きる速度」が違うのかもしれない。スピーディに場所を変える彼と、じっくり腰を据える私。嗅覚や味覚、触覚などの「五感」の好みは似ているのだけれど……。これがいわゆる価値観の違いでもあるの?
来月5日、彼は台湾へ行ってしまう。近いけれど、現状から比べたら遠いよね……。日本へ出張に来たときは会おうなんて言ってるけど、そんなの社交辞令。もう二度と、彼には会えないのかな。一生、会えないかもしれない。この画面越しが最後なの……?
ジェントル「今月は予定が詰まってるけど、来月、出発の前日は空いてるから……会いますか?」
旅立ち前に会える!?
彼が出発するのは来月の5日、月曜日。その前日である4日は日曜日で、仕事もプライベートも特に予定はない(それもどうなんだか・苦笑)。
アサミ「いいんですか? 迷惑じゃなければ」
ほんの少しでも会いたい。ビデオ通話で顔は見れたけれど、やっぱり直接会って話したい。
ジェントル「じゃ4日の午後、お茶でもしましょうか。何時がいいですか?」
アサミ「私は何時でも」
ジェントル「では14時に。駅前の喫茶店でいいかな?」
アサミ「はい。引っ越し前で忙しいのに、ありがとう」
台湾へ旅立つ前日に会う約束をして、私たちはビデオ通話を終わりにした。最後はなんとか笑顔でいられた。
たぶん、これが最後
部屋で一人になると、抑えていた感情がまた涙になってこみ上げてきた。
どうして一人で遠くへ行ってしまうの?
私のことは置いていってしまうんだ。
悲しくて、さみしくて、涙が止まらない。
いままではたとえ別れていても、同じ東京に住んでいたから偶然バッタリどこかで会うこともあるかもしれないと思っていた。でも来月5日からは台湾に移住する。バッタリ会う可能性なんて、限りなくゼロに近い。いや、ゼロと言っていいかもしれない。
4日に会う約束はしたけれど、たぶん、彼と会うのはこれが最後になる。
私はどうしたい?
このままでいいの? これっきりでいいの? 言いたいこと、言えないでいること、胸の内に閉まっておいていいの? 涙を流しながら自問自答する。
私、本当はどうしたいんだろう?
彼に迷惑をかけたくないから「お友達に戻りましょう」と言ったり、重荷になりたくないから海外移住を「いい選択ね」と聞き分けのいい発言をした。本当はさみしいクセに。
それだけじゃない。今までだって波風を立てたくないとか、私がガマンすれば丸くおさまると思って言わずにいた言葉があった。意見が食い違って口論になりたくないから。
結局、冷静ぶっていい子にしているだけじゃない。
私の恋愛がフラレて終わる理由
思えば、私の恋愛はずっとそうだったのかもしれない。
わがままを言わない。弱音もはかない。スネたり怒ったりしない。ケンカしない。ごくたまに意見が違ったときでも理路整然と問題提起する。基本的に冷静だったのかもしれない。
だから「僕がのことそんなに好きじゃないでしょ」と言われたり、浮気されたり、「元カノとヨリを戻す」と言われたりしてフラレたんじゃないの? 感情の起伏が少ないから、よく言えば穏やかだけど悪く言えば面白みがないんだ。
幼少期のころに感情的になっておもちゃをねだる子供を見て「あぁはなりたくない」と思ったときから、私は感情をコントロールするクセができてしまった。感情的になることを「美しくない」と思ってきたのだと思う。
でも、いま痛感している。ときには感情的になって自分の気持ちを伝えることが大切なことなんだ。特に、相手が大切な人であれば。私は恋人であってもそれを避けてきたわけで……。
久しぶりに「リアル」で会う
月が変わって、4日になった。台湾に旅立つ直前のジェントルさんと会う約束をした日。リアルに会うのは1カ月半ぶり。待ち合わせは、14時に駅前の喫茶店だ。出かける準備をしていたところに、彼からのメッセージが届く。
ジェントル「引っ越し業者さんの都合で、家にいなくちゃいけなくなったの。申し訳ないのだけれど、家に来てもらってもいい?」
あら……。友達宣言をしたときにもう彼の家に行くことはないと思ったけど……まさかこんな形で行くことになるとは。
アサミ「それは仕方ないことですから! じゃ、14時にお伺いしますね」
ジェントル「ごめんなさい」
アサミ「お茶菓子買って行きますね」
会うのは「最後」かもしれない
彼の家まで歩いて約15分。近くに住むお友達同士でいるのも、明日まで。明後日からは、遠く台湾に住むお友達になってしまうんだ。
このままの「友達」関係なら、会うのはたぶんこれで最後。どうせ最後なんだから……もう、どうなってもいいじゃない。迷惑かけたって、重いって思われたって、波風立てたっていい。
いま私が思っていることは全部伝える!
会うことを約束した日から考えに考えて出した私なりの結論。言えずにいた本音を、感情を、彼にぶつける。友達という関係が壊れたっていい。もう恋人に戻れなくたっていい。私は、私に正直になると決めた。
この家に来るのも、最後
彼の家のインターホンを押す。
アサミ「こんにちは。いま着きました」
ジェントル「ありがとう。入って」
アサミ「おじゃまします」
ジェントル「外、寒かったでしょ? あ、手が冷たい!」
家に入っ早々、私の手に触れてくる彼。お友達ってそういうことあんまりしないんだけど! 海外生活が長い彼にとってはどうってことないのだろうけど、やっぱり私はドキドキしてしまう。
アサミ「転職祝い兼お引越し祝いのケーキを買ってきたの」
ジェントル「ありがとう。お茶入れるね。食器片付けちゃったから紙コップだけど」
彼の家で何度も一緒に使った食器、もう片付けられちゃってるんだ。そりゃそうよね、明日には旅立つんだもんね
明日には旅立つ彼
ガランとしたリビングに置いてあるのは、ダンボールの山とソファ、テーブルだけ。
ジェントル「ダンボールだらけの部屋で申し訳ない」
アサミ「いえいえ、こちらこそ引っ越し前日なのに」
ジェントル「座って。お茶とケーキ、いただきましょう」
この家に引っ越してきたときは確か復縁したばかりの頃。一緒にダンボールから荷物を出して棚やクローゼットに片付けた。その荷物がまた、このダンボールに収められているんだ。
復縁してすぐ、引っ越してきた家
アサミ「このダンボール、全部に持っていくの?」
ジェントル「ううん。物件がなかなか決まらなかったから、ほとんどはしばらくトランクルームで保管することにした」
アサミ「まだおうちは決まってないの?」
ジェントル「先週やっと決まった。エージェントの秘書が候補の部屋を動画で送ってきてくれて。台北の中心エリアにあるコンドミニアム」
具体的な引越し先のことを聞いて改めて彼の旅立ちを実感する。
アサミ「そっか。本当に行っちゃうんだね」
ジェントル「うん。僕自身もまだ信じられないくらい」
アサミ「ホントに急すぎて」
復縁から約9カ月つきあって、お友達に戻って1カ月半。この間に、何度となく訪れた彼の家。私と彼との思い出が詰まっているこの部屋も、彼はもう引き払ってしまうんだ。私との関係と同じように。
家も、私との関係も「さようなら」
アサミ「明日の飛行機は、何時ごろの便なの?」
ジェントル「16時ごろに羽田発。午前中に家の鍵を返して羽田に向かう」
アサミ「お見送りしようかな」
ジェントル「ダメ。それに月曜だからお仕事でしょ」
アサミ「はい。仕事の予定が詰まっているから無理でした」
昔のドラマにあったみたいに旅立つ彼を空港で見送ってみたい気持ちもあったけれど、現実はそんなことはできないのよね。ましてや恋人でもないんだし。
時間が刻々と過ぎていく
一緒にいるとやっぱりうれしいし、落ち着く。こんな気持ちになれた相手は初めてかもしれない。でも、こうしている間にも一緒にいられる時間は刻々と過ぎていくんだ。
ソファに並んで座っているうちに、自然と彼が私の手に触れてきた。
ジェントル「ちょっとは手があったかくなってきたかな」
アサミ「うん」
こんなにそばにいるのに触れ合っているのに、私たちはただの友達で、今日でもう本当のお別れなのかもしれない。
ジェントル「今日もお肌スベスベね」
アサミ「……」
でも、これでお別れなんてイヤ!
アサミ「あのね、台湾に行く前に話しておきたいことがあるの」
ジェントル「なぁに?」
私の手をやさしく撫でながら、目を丸くする彼。今日しか言うチャンスはない。頑張れ、私!
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