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更年期世代の「関節の痛み」今すぐ病院にかかるべき症状とは?【医師に聞く】#1

OTONA SALONE / 2022年3月10日 11時0分

更年期世代の女性たちが「気になる」と反応する症状の1つが「関節の痛み」。この痛みには「気を付けるべきもの」と「それほど心配しなくていいもの」があるそうです。早期発見して治療につなげるべき「関節リウマチ(リウマチ)」のほか、危険はないけれど我慢をせずに治療を行うべき痛みも。その見分け方について、湘南リウマチ膠原病内科院長 上原武晃先生にお話しを伺いました。3回シリーズの1回目です。

 

 

更年期世代が「関節リウマチ・膠原病」にも注意すべき理由とは?

まず、関節痛を主訴にリウマチ膠原病内科に来院する30代から50代の患者さんの関節痛を分類します。

1・更年期関節症がいちばん多く、3~4割

2・経年変化で軟骨がすり減って起きる変形性関節症、筋肉や腱の問題で起こるテニス肘・ゴルフ肘・四十肩・五十肩が約2~3割

3・関節リウマチ・膠原病が2割

4・その場では診断つかない分類不能型関節炎が1割

 

1・更年期関節症は更年期特有の症状、心配しなくていい

更年期関節症は治療必須なわけではありません。更年期は誰もが必ず通る道なので、生活に支障が出ているので改善したいという場合に更年期の治療を進めます。

 

簡略更年期指数(SMI)を確認し、更年期で起きる痛みと関節リウマチや他の関節症を分別。更年期関節症であればホルモン補充療法や漢方、プラセンタ、サプリメントなど和らげられる治療を見つけます。

 

 

2・変形性関節症は対症療法で付き合っていく

変形性関節症は治療法が確立していないため、痛み止めやシップが中心です。部位によっては再生医療の「多血小板血漿(PRP)療法」が有効な場合もありますが、ひざなど大きな関節だけが対象です。

 

指の第一関節に起きやすい病気なのですが、小さな部位はまだ再生医療に至りません。テニス肘・ゴルフ肘・四十肩・五十肩なども痛み止めやシップ、サポーターや安静などの対症療法が中心となります。

 

なお、更年期世代の変形性関節症の一部は女性ホルモンの影響だとも考えられています。女性ホルモンには軟骨を保護する作用や、痛みを感じにくくさせる効果があるため、更年期で女性ホルモンの分泌が低下すると軟骨がすり減り始めたり、痛みも感じやすくなります。ですから、変形性関節症の一部はホルモン補充で効果が出る場合もあります。

 

3・関節リウマチや膠原病はすぐに治療をする必要がある

関節リウマチや膠原病である場合、放置しておくとどんどん骨が変形したり、内臓の合併症が出て重症化していくことがあるため、診断がつけばすぐに治療が必要な場合が多いです。

 

関節リウマチは男女比1:4で女性患者が多く、一番多いのは30代から50代です。膠原病は20代30代以降に発症しやすく、圧倒的に女性。恐らく女性ホルモンとの関係も一部あるのでしょう。遺伝性のものも一部ありますが、遺伝と関係なく発症する人のほうが多いです。なお、リウマチとは関節リウマチの略称で、どちらでも通じます。リウマチは膠原病の1つです。

 

4つめの分類型不能関節炎は詳しい検査を進め、原因を調べます。1つめの更年期症状や、3つめのリウマチ・膠原病にはお薬があるにもかかわらず、年齢のせいですよと言われ我慢する人が非常に多い。ぜひ早期に治療を検討してほしいのです。

 

 

お話/湘南リウマチ膠原病内科

院長 上原武晃先生

日本リウマチ学会専門医・指導医・評議員 大学病院・市中病院を経て2019年神奈川県茅ヶ崎市に湘南リウマチ膠原病内科を開院。2000例を超えるリウマチ膠原病専門診療の経験を通し、関節症状の鑑別、リウマチ膠原病疾患の早期発見早期治療、専門ケアに注力した診療を行っている。

神奈川県茅ヶ崎市美住町5-4

 

≪OTONA SALONE編集部 井一美穂さんの他の記事をチェック!≫

 

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