なぜ40代独女は、相手に「合わせてしまう」のか?【40代編集部長の婚活記#289】
OTONA SALONE / 2022年2月16日 17時0分
40代の婚活は「過去の自分と向き合うこと」が大事なのかもしれない。婚活歴5年を超えたOTONA SALONE編集部長・アサミ(49歳)。これまでの婚活で100人以上もの男性と出会ってきた。
婚活で恋人ができるも別れに至り、また振り出しに戻った。なぜ恋愛がうまくいかないのか、新しい恋愛はできるのか。学生時代からの親友Y(女性)と会い「本当の好みのタイプ」そして「自分自身」を探っていくことに……。この話は40代独女の「実名+顔出し」で書いている、リアル婚活改め、パートナーを探す活動=「パー活」ドキュメントである。
【40代編集部長の婚活記#289】
自分らしくいられる相手、いられない相手
親友Y「個人のことは自分らしさを追求してるわけね」
アサミ「うん。自分らしくいられないのが対人なんだね」
親友Y「特に恋人ね。なんで合わせちゃうんだろうね?」
アサミ「うーん、1対1だと合わせちゃうとか」
親友Y「友達の場合は合わせてなくない? 私と旅行したときだって、お互い一人行動したじゃない(笑)」
アサミ「そっか。合わせちゃう相手とマイペースでいられる相手がいるってことか」
相手によって「合わせている」?
友達なら無理に合わせずにいられる。でも、恋人だと合わせてしまう。相手によって変わる、この差はなんなのだろう……?
親友Y「ご家族が相手だとどうなの? ご両親やお姉さんとか」
アサミ「マイペースにやってこれたと思うけど」
あれ買って~という駄々をこねるようなわがままこそ言わなかったけど(そういう子供を見て子供ながらにイヤだったから)、自分を出せないということはなかった。
アサミ「中学生の頃から家族旅行なのに『私は行かない』って断るくらいだったし」
親友Y「自己主張はできてたのね」
幼い頃から「絶対にイヤ」「しない」と強く思ったことは徹底的にしなかった。でもその一方で……。
アサミ「いま考えると子供ながらに空気を読んでいた部分はあったかも」
親友Y「空気を読む? たとえば?」
子供ながらに「空気を読む」
アサミ「姉は子供の頃、わりと食べ物の好き嫌いがあったのね。にんじんとか、レバーとか。それを食べると褒められるかなと思って好き嫌いなく食べてたところはあったな」
空気を読むというか、褒められたいだけかも(笑)。
親友Y「末っ子っぽいね。上がやって怒られることをやらないようにする」
アサミ「もしかしたら本当はあんまり好きじゃない味なのに、好きって言ってたところもあった気がする。いい子になろうっていうね」
絶対に受け付けないものは「嫌い」と言っていたけど(子供の頃に嫌いとハッキリ言った覚えがあるのはイカの煮付け。いまは平気)、あんまり好きじゃないレベルなものは……嫌いとは言わなかった気がする。
親友Y「褒められたいから、親の期待に応えてた感じ?」
期待に応えていた?
アサミ「期待に応えたっていうと大げさかな。ただ単に、にんじんやレバーが好きって言えば怒られない、褒められるかなって」
両親がそんな期待をしていたわけではないと思う。ただ姉がやらずに怒られたことをやれば、目立てるかなくらいの。
アサミ「二番目だから、上と違うことして目立ちたかったんだと思う」
親友Y「歳が近いからよけいかもね」
アサミ「同性だしね。お姉ちゃんのマネもいっぱいし」
だけど、違うところも見せたいとも思っていた。
アサミ「歳の近い姉妹だから、お姉ちゃんが最大のお手本であって、最大のライバルだったんだよね」
「違い」を見せたいだけ
親友Y「なんかわかる。うちの妹もそんな感じだった気がする」
アサミ「とはいっても、それは小学生までだったかな」
親友Y「中学生になったらそうでもなくなった?」
アサミ「もちろんお姉ちゃんのマネは多少してたけど、ガマンして何かを好きって言ったりすることはなくなったかな」
親友Y「どうしてだろう?」
アサミ「成長して、図太くなっていったのかな」
親友Y「無理して褒められなくてもいい、みたいな?」
なるほど、そうかもしれない。ガマンして食べることで褒められなくてもいい。褒めてもらえることは他にあるっていう……安心感みたいなもの?
「安心感」があれば無理をしない
親友Y「さっき友達には合わせてないって話になったけど」
アサミ「うん」
親友Y「もしかしてそれも、成長とともに変わってきたんじゃない?」
アサミ「どうだろう……」
親友Y「友達に対しても、合わせちゃってた時期ってあったりしなかった?」」
記憶をたどる。高校のときは……周りに合わせていた感覚はない。仲のいい友達も部活の仲間もいたけれど、「みんなが◯◯するから私も」みたいなことはなかった。気が合うとき、都合が合うときは一緒に楽しむいい関係性。
中学のときも……ちょっとは協調性があったと思うけど、無理して合わせたりはしていない。友達の家でみんながゲームをやっている中、私はゲームに興味がなくてまったくやらなかったし。すでにマイペースだ。
思えば、小学生のとき
小学生のときはどうだったかな。ふと思出したエピソードがあった。
アサミ「考えてみたら、小学生のころは意外とマイペースじゃなかったかも」
親友Y「え、そうなの? どうして?」
アサミ「思い出したことがある」
親友Y「なに?」
アサミ「小学5年生のときかな? 学校の教室でね」
ある日の教室での出来事を思い出していた。遠足とか、そういう行事だった気がする。クラスで男女3人ずつのグループを作ることになったときのこと。
遠足で「グループ決め」をすることに
アサミ「男女3人ずつのグループを作らなきゃいけなかったんだけど、当時、私が仲良くしていた女友達が4人グループだったのね」
親友Y「1人多かったんだ」
アサミ「他はみんな3人ずつになってて、残すは私たち4人と、2人組の女の子になってたのよ」
親友Y「それで?」
アサミ「私たちのうち1人が2人組に入るか、2人組の子がバラけるかのどっちかじゃない」
親友Y「3人にするっていうとそうね」
アサミ「2人組の女の子はわりとおとなしいタイプだったのね。いつも、どこへ行くにも一緒ですごく仲良しだった」
私は誰とでもしゃべる八方美人タイプだったから、その2人とも多少はしゃべっていたけど。
2人を別々にするのはかわいそう
アサミ「2人組を別々にしちゃうのは、なんかかわいそうじゃない」
親友Y「そう思ったんだ」
アサミ「ホントにいつも一緒だったし。だからその2人に、私たち4人の誰かが入ったほうがいいかなって」
親友Y「それであなたが2人組にジョインしたの?」
アサミ「そう。3人グループにするには、誰かが動かなきゃだったから」
あの時の私は自我を出さず、自分が譲歩することを選択した。
アサミ「合わせるっていうか、私がガマンすれば丸くおさまるかなっていう選択をしてた」
親友Y「出た! 私がガマンすれば病!」
私がガマンすれば、という選択
アサミ「そうだね。ガマンすれば病、出ちゃってるね」
親友Y「周りの空気を読んじゃったんだ」
アサミ「そうかもしれない」
親友Y「自我よりも、協調性を選んだ」
アサミ「なんか、全体がうまくいくにはそれしかないなぁって思ったんだよね、小学生ながらに」
親友Y「小学5年生にしては大人びた解決方法を取ったよね」
アサミ「だって、それが決まらないとクラスのみんなも困るだろうし、先生も困ってたし」
親友Y「合わせたんだ。周りの空気に」
みんなが困っているから
アサミ「うん。遠足は楽しかったと思うんだけど、帰ってからちょっと後悔した」
親友Y「後悔? どうして?」
アサミ「休み時間にふだん一緒にいた4人で遊んでいると、遠足の思い出話が出てくるのよ。すっごく楽しそうなの。でも、私だけわからないから話についていけなくて」
小学生にとって遠足は大きな行事。その思い出はかけがえのないものだ。
アサミ「自分が別のグループへ行くって言わなかったら、話題に乗れていたのかなってちょっとさみしく思ってた」
親友Y「疎外感があったんだ」
アサミ「うん。自分だけガマンして、その場を丸くおさめたことちょっと後悔してた」
話題に入れない「疎外感」
楽しそうに私の知らない思い出話で盛り上がる友達たちのそばで、ポツンと取り残されるさみしさ。疎外感。孤立感。
友達が悪いわけじゃない。彼女たちはただ楽しかった話をしているだけのこと。ただ私がその場にいなかっただけで、それを選んだのも自分なわけで……。
親友Y「遠足のグループ決めのとき、どうして子供ながらに『自分がガマンすればいい』って思ったんだろう?」
アサミ「なんでだろう?」
親友Y「あなたを含めて6人が3人ずつに分かれればいいわけでしょ?」
アサミ「うん」
親友Y「決める方法って他にもあったわけじゃない」
アサミ「そうね」
親友Y「そこ、深堀りしてみようよ」
確かにジャンケンで決めても、みんなで話し合って決めてもいいはず。それをせずに、自分から率先して別のグループに行ったのはなんでだったんだろう。
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