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女ひとりの財産は誰にあげる?シングル遺産の行き先|おこなしさまという生き方(22)

OTONA SALONE / 2022年3月16日 19時31分

結婚、出産をしていないと、女として幸せではないという人がいるけど、はたして本当にそうなのでしょうか。

「少なくても今の時点では、子どもがいない“おこなしさま”人生も、そんなに悪いものではないと感じている」

という、くどうみやこさん。自分の幸せは、自分で決める「おこなしさまという生き方」リバイバル配信です。

(2017年に書かれた記事の再配信となります)

【独身・子なしの相続パターン】

■親が健在

親が全てを相続
■親が死亡、祖父母が健在

祖父母が全てを相続

 

■親・祖父母が死亡、兄弟姉妹がいる

兄弟姉妹が全てを相続

 

■親・兄弟姉妹が死亡、甥・姪がいる

甥・姪が全てを相続

 

■親・兄弟姉妹が死亡、甥・姪もいない

国庫に帰属

 

既婚者同様、独身の方も遺言書がなければ、民法で定められた順位にそって相続が行われます。相続人となる順位は決まっていて、第1順位が直系卑属(子、孫)、第2順位が直系尊属(親、祖父母)、第3順位が兄弟姉妹(甥・姪)です。

 

配偶者と子どもがいない場合は、まず第2順位である親になります。父母の両方が他界していれば、祖父母。祖父母も他界していれば兄弟姉妹になり、兄弟姉妹が他界していれば、その子どもである甥・姪が代襲相続人になります。一人っ子で親・祖父母が他界していると、法定相続人がいないことになり、遺産は最終的には国庫に帰属することになります。

 

平均寿命で考えれば、自分が亡くなる頃にはすでに両親・祖父母は他界しており、兄弟姉妹もしくは甥・姪が相続することが多くなります。兄弟の仲が良いと「自分の遺産を渡してもいい」となりますが、世の中には兄弟仲が良くない方もいます。また自分が末っ子であれば、すでに兄弟が亡くなっていることも充分考えられ、そうなると甥や姪に相続権がシフトします。

 

普段から甥や姪と親しく交流があればいいのですが、疎遠でほとんど会う機会がなければ、自分の遺産を相続させることに違和感をもつこともあるでしょう。ただし、既婚編で書いたように、兄弟姉妹や甥・姪には相続の「遺留分」がないため、遺言書があれば回避することができます。

「法定相続人」以外に渡す場合は準備が必要

独身だからこそ、疎遠な身内よりも親しい人に遺産を渡したいと考える方もいらっしゃるでしょう。法定相続人以外に財産を贈与することを「遺贈」といい、それを受け継ぐ人は相続人ではなく「受遺人」といいます。遺贈での例をいくつかあげておきます。

 

1・入籍していないパートナー

2・お世話になった恩人

3・信頼できる親友

4・面倒をみてくれた親族

5・賛同する団体に寄付

 

籍を入れていない事実婚のパートナーは、法定相続人になれません。長年連れ添ったパートナーがいる方は、「遺産は全部パートナーに相続させる」と書いた遺言書が必要です。他にも、自分の面倒をみてくれた方、お世話になった恩人、姉妹のような関係だった友人、さらに親族でも叔父や叔母、従姉妹は相続権がないため、法定相続人以外に財産を遺したいのであれば、遺言書を生前に書いておくことが必須です。

 

最終的に相続人が誰もいない場合は、国庫に帰属することになります。それで納得できれば成り行きまかせでも構いませんが、活動に賛同できる団体や自治体などに寄付した方が遺志にそえるのではないでしょうか。遺言書があれば、支援しているボランティア団体やNPO法人などに寄付することも可能です。自分の死後、遺産は誰または何処へ、どのようにしたいかという希望を遺言書で意思表示することが大切です。

 

身内のいない“おひとりさま”こそ、遺言がなければ周りの人たちは遺産をどうしたらよいのかわかりません。生前に遺言書を書いておくことで、手続きする側の手間は最小限になります。自分が亡くなった後、周りに負担や迷惑をかけないようにするためにも、死後の準備をしておくことが求められる時代になっています。

 

 アイドルに遺贈できてもペットにはできない?

未婚化・未産化が進む日本では今後、法定相続人がいない人が増えていくでしょう。なかには、自分の遺産を応援しているアイドルに遺したいと考える人も現れるかもしれません。知り合いの税理士さんから伺った話ですが、実際に全く面識のない故人の方から突然、遺贈が舞い込んでくることがあるそうです。まるで棚ぼたのような話ですが、そのケースの場合は故人がその方の活動に賛同して、遺言書に受遺人として指定してあったそうです。

 

なお、遺贈するときは、遺贈相手が特定できるよう相手の名前と生年月日、住所、遺贈理由を遺言書に明記するようにします。遺贈された受遺人は、必ず遺贈を受けなければならないわけではありません。遺贈を受けることも、放棄することも受遺人側が選択できます。また、遺贈をする場合は、遺言執行者を指定しておくと手続きがスムーズに進みます。

 

たまに飼っているペットに遺産を相続させたいと希望される方がいますが、ペットは相続人にはなれず、遺贈もできません。日本の法律では、相続や遺贈できるのは人もしくは法人です。ペットにではなく、自分の死後に「ペットを引き取り、生涯お世話をしてくれること」を条件にした「負担付遺贈」をすることで、ペットの面倒をみてくれる方に遺すことはできます。

遺言の作成は人生折り返し地点での棚卸しにいい

近年は徐々に遺言の思想が普及し、相続人がいない人が自分の財産を友人や知人、公共団体等に遺贈するケースが増えてきているようです。配偶者や子どもがいないし、相続なんて無関係と思いがちな“おひとりさま”ですが、実際はそうではありません。

 

遺言という響きを重く感じる方もいると思いますが、これから生前に自分の遺志を示すことが、ますます重要視されていくはずです。相続のことは人生の宿題でもあるので、早めに手をつけておいた方がラクなのです。年齢的にまだ早いと先送りしがちですが、何かあってからでは遺言を残すこともできません。もしもに備えて、自分の希望や意思をエンディングノートに書き出すだけでも、「人生の棚卸し」ができてスッキリしますよ!

 

≪主婦の友社 OTONA SALONE編集部さんの他の記事をチェック!≫

 

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